心身症

心身症

心身症の原因
精神的ストレスと身体の健康
鍼灸治療の効果

「ストレスを感じると、決まって胃が痛くなる…」
「不安になると、動悸や息切れがする…」
「病院で検査しても『異常なし』

と言われるのに、身体の不調が続く…」

その原因不明の体調不良、もしかしたら心身症しんしんしょうかもしれません。

心身症とは、心理的なストレスが原因で、身体に様々な症状が現れる状態です。この記事では、心身症がなぜ起こるのか、その原因と症状、そして東洋医学に基づく鍼灸治療がどのように心と身体のバランスを取り戻すお手伝いができるのかを詳しく解説します。

【目次】

  1. 心身症とは?~心と身体のつながり~
    • 心身症の定義 「心が原因で起こる身体の病気」
    • 心身症によって現れる様々な身体症状
    • 【重要】 専門医による治療との連携
  2. 心身症に対する鍼灸治療
  3. ご家庭でできるセルフケア 腹式呼吸でリラックス

1.心身症とは?
~心と身体のつながり~

心身症の定義 「心が原因で起こる身体の病気」

ブランコに乗るサラリーマン

心身症は、日本心身医学会において「発症やその後の経過に関して、心理社会的な要因が密接に関与した、器質的ないし機能的障害の認められる病態」と定義されています。 平たく言えば、「心が原因で起こる身体の病気」といえます。

決して「気のせい」や「気の持ちよう」の問題ではなく、実際に身体に症状が現れている状態です。 典型的な例としては、精神的なストレスや過労をきっかけに発症・悪化する胃・十二指腸潰瘍や、一部の本態性高血圧症などが挙げられます。これらの疾患は、ストレス要因を排除するだけでも、症状がかなり、あるいは全く改善されてしまうことがあります。

心身症によって現れる様々な身体症状

心身症によって現れる身体症状は、人によって様々です。 胃・十二指腸潰瘍のように、精神的ストレスとの関連が常識となっているもの以外にも、以下のような多岐にわたる病態として現れることがあります。

  • 循環器系の異常
    本態性高血圧症、一部の不整脈、冠動脈疾患(狭心症など)
  • 呼吸器系の異常
    気管支喘息、過換気症候群(過呼吸)
  • 消化器系の異常
    胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群(IBS)、慢性胃炎
  • 泌尿器・生殖器系の異常
    インポテンツ(ED)、月経不順、月経困難症、不感症
  • その他
    緊張型頭痛、円形脱毛症、アトピー性皮膚炎、慢性的な痛みなど

これらの症状に共通する特徴は、病的な症状が心と身体が相互に作用しあって現れるということです。

【重要】専門医による治療との連携

心身症の治療は、身体面へのアプローチに加えて、心理療法も並行して行われるのが特徴です。症状が強い場合には、心療内科精神科といった専門医による入院治療が必要になることもあります。

ひごころ治療院の鍼灸治療は、これらの専門医による治療を尊重し、連携を取りながら、主に身体症状を取り除くことに重点を置き、身体の状態を正常に近づけることで、結果として心的な面の好転を期待するというアプローチをとります。

うつ病

2.心身症に対する鍼灸治療

鍼灸治療の役割
身体症状の緩和と心身のバランス調整

東洋医学では、人間の精神活動は頭だけでなく、むしろ「五臓)」といった内臓の機能システムが深く関わっていると考えられています。

心身症の鍼灸治療は、これらの臓腑の働きを整え、乱れた自律神経のバランスを調整することで、つらい身体症状の緩和を目指します。

症状緩和に効果が期待できる主要なツボの例

心身症の症状や体質に合わせて多くのツボを使い分けますが、基本的なものには以下のようなツボがあります。

頭部 「百会ひゃくえ
背中 「身柱しんちゅう」、「肺兪はいゆ」、「厥陰兪けついんゆ
腰部 「腎兪じんゆ
前面 「天突てんとつ」、「膻中だんちゅう」、「巨闕こけつ
   「中脘ちゅうかん」、「大巨だいこ
足部 「足三里あしさんり

症状別・具体的な鍼灸治療法

心身症では、特に循環器系、呼吸器系、消化器系に異常が多く見られるため、それぞれの経絡(気の通り道)にあるツボを中心に治療します。

  • 【循環器系に異常がみられる場合】
    • 症状
      動悸が速い、心筋梗塞のように胸が痛む、不整脈があるなど。
    • アプローチ: 東洋医学でいう「しん」の働きに効果があるツボとして、背中の「心兪」、胸の「膻中」、みぞおちの「巨闕」を用います。また、全身の循環を調整する働きのある任脈・督脈上のツボ、頭頂部の「百会」や背中の「身柱」なども合わせて使います。「脾兪ひゆ」を加えると、気持ちの高ぶりなどにも効果が期待できます。
  • 【呼吸器系に疾患があるとき】
    • 症状
      気管支喘息のような息苦しさ、咳など。
    • アプローチ: 上記の循環器系のツボに加え、喉の「天突」、鎖骨のすぐ下の「中府ちゅうふ」、背中の「肺兪」、腕の「孔最こうさい」などを治療します。
  • 【食欲不振、便秘、下痢などがあるとき】
    • 症状
      消化器系の様々な不調。
    • アプローチ: 胃の働きをコントロールする「中脘」を中心に治療します。腹部の「巨闕」、「天枢てんすう」、「肓兪こうゆ」、「大巨」、背中の「脾兪」、「胃兪いゆ」、「大腸兪だいちょうゆ」、「小腸兪しょうちょうゆ」、足の「足三里」、「地機ちき」などが基本のツボです。吐き気がある場合は「天突」も処置します。また、ストレスに有効なツボとして、腰の「腎兪」への刺激も忘れてはいけません。

施術の方法

これらのツボへの刺激は、マッサージや指圧、そして鍼や灸が効果を示します。指圧の場合は、指先を立てて刺激する刺鍼法ししんほうのような手技を取り入れると良いでしょう。その際は、あまり力を入れ過ぎず、「多少痛いけど気持ちがいい」という状態を目安にします。お灸は、各ツボに3~5壮すえます。

3.ご家庭でできるセルフケア
腹式呼吸でリラックス

鍼灸治療と合わせて、ご家庭でもできる簡単なセルフケアを取り入れることで、心身の緊張を和らげることができます。

  • 腹式呼吸の方法
    1. 仰向けに寝て、手足を楽に伸ばします。
    2. 軽く口を結び、鼻からゆっくりと息を吸い込みます。この時、お腹が大きく膨らむのを意識します。
    3. 次に、おちょぼ口で、吸う時よりも長い時間をかけて、ゆっくりと息を吐き出していきます。お腹がへこんでいくのを感じましょう。
    4. 1回の呼吸に3~5秒ほどかけ、これを数分間繰り返します。
  • 期待できる効果
    腹式呼吸は、横隔膜を大きく動かすことで、体内に溜まった二酸化炭素を楽に吐き出し、新鮮な酸素を多く取り入れることができます。これをゆっくりと行っていると、副交感神経が優位になり、自然と気持ちがリラックスして、身体が楽になります。毎朝目覚めた時や、就寝前に行うのがおすすめです。

ひごころ治療院では、あなたの心と身体の声に耳を傾け、つらい症状の根本原因にアプローチするお手伝いをさせていただきます。原因不明の不調でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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