症状
しもやけは、寒さや冷えのために体の抹消の毛細血管の機能が鈍り、手足に貧血やうっ血が生じるために起こる病気です。その結果、皮ふが赤黒く変化し、腫れあがります。
主症状は、かゆくなる、ジンジンと熱い感じがする、痛がゆいなどで、ひどくなる場合は、出血したり、水疱ができてそれが破れたりすることもあります。
人間は、手足の先の循環が悪いと病気になりやすいもので、臨床所見として、ひたいや手先、足先の温度の差は非常に重要視されます。
手や足の先は、正常な人なら30~34℃くらいあるものですが、人によっては氷のように冷たくなっています。しもやけは、このような状態になっている人に起こりやすいです。
東洋医学での治療は、しもやけを即座に治すということよりも、しもやけになりやすい体質・体調を変調させることにポイントを置きます。もちろん、灸などを行うと、即座にしもやけのかゆみがとまることもあります。
また、ひびやあかぎれなども、皮ふから分泌される皮脂と、汗の量が適度に保たれていない場合、あるいは血液循環が悪く、栄養が皮膚に行き渡らない場合に起こりやすいく、しもやけ同様に、寒さや冷えが引き金となって起こりやすいです。
皮脂や汗の分泌を調整しているのは自律神経系で、自律神経と内臓の働きを円滑にすれば、体質・体調も変わって、血液循環もよくなり、栄養が隅々まで渡り、自ずからしもやけやひび、あかぎれも解消されます。
鍼灸治療
主要なツボ
背部 「厥陰兪」、「心兪」、「腎兪」、「大腸兪」
胸部 「欠盆」、「膻中」、「巨闕」、「中脘」、「陰交」
治療法
背中の治療から始めます。「厥陰兪」や「心兪」は血液の循環をよくするツボで、「腎兪」、「大腸兪」は体調を整えるツボとして活用されます。
次に、仰向けで胸部の治療に移ります。「膻中」、「巨闕」は血液の循環を支配するツボであり、「中脘」は消化・吸収をよくするツボです。「陰交」は泌尿器科をつかさどるツボで、下半身の冷えを除くのに使用します。
腕の血流改善で「欠盆」も刺激も必要になります。
手の「陽池」、「合谷」、「神門」、足の「足三里」、「三陰交」、「湧泉」を加えますと、手足の循環がさらに改善されます。
灸治療は高い効果をあげます。上記のツボに半米粒大のもぐさを1ヶ所3~5壮すえます。知熱灸、温灸でもよいでしょう。かゆみの強い患部に行ないますと、軽減します。
メモ
こうしたツボ刺激は、寒さに向かう晩秋あたりから行いますと、しもやけの予防になります。不思議なことに、しもやけがなくなりますと、目に見えて体も丈夫になります。
しもやけのできやすい体質の人は、水仕事をしたあとには、水分をよくふき取り、皮ふを常に乾燥させておくことが大切です。
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