不妊症

不妊症でお悩みの方へ ー 鍼灸で「諦めない妊活」を温活とともにサポート

武蔵小杉・新丸子の鍼灸院「ひごころ治療院」の妊活サポート

「子供がほしくても、なかなか授からない…」 「病院で不妊治療を受けているけれど、思うような結果が出ない…」 「何度も体外受精に挑戦しているけれど、うまくいかない…」

不妊でお悩みの方は決して少なくありません。誰にも相談できず、一人で抱え込み、社会的なプレッシャーを感じることも多いのではないでしょうか。SNSなどで「つらい」「もう諦めそう」といった切実な声を目にすることもあります。

もし、あなたが今そのようなお気持ちでいらっしゃるなら、ひごころ治療院は「一度、鍼灸治療を試してみてはいかがでしょうか?」とご提案したいのです。 東洋医学に基づく鍼灸治療は、あなたの身体が本来持っている「妊娠する力」を高めるお手伝いができます。西洋医学の治療と組み合わせるなど、多角的なアプローチでチャレンジすることが、お子様を授かる可能性を高めると私たちは考えています。

【このページでお伝えすること】

1.不妊症について

WHO1によると、不妊症とは「避妊をしていないにもかかわらず、1年(※日本産科婦人科学会は2015年に1年と定義変更、WHOは以前2年としていた)以上妊娠しない状態」を指します。これは、多くの場合、ご夫婦の約90%が1~2年以内に妊娠するという統計に基づいています。

原発性不妊
これまで一度も妊娠した経験がない場合。

続発性不妊
過去に妊娠経験はあるものの、その後一定期間妊娠しない場合。

不妊症の原因は一つではなく、様々な要因が複雑に関わっていると考えられています。一般的に、原因の割合は女性側が約5割、男性側が約3割、そして男女双方に原因がある場合や原因不明が約2割とされています。

  • 男性側の主な原因
    精子の数が少ない(乏精子症)、精子の運動率が低い(精子無力症)、精子の奇形率が高い、まれに無精子症(精液中に精子がいない状態)など。
  • 女性側の主な原因
    排卵障害(卵子が育たない、排卵しない)、卵管因子(卵管が詰まっている、癒着している)、子宮因子(子宮筋腫、子宮内膜症、子宮の奇形、着床障害)、頸管因子(精子が子宮内に入りにくい)、免疫因子、ホルモン分泌の不調(黄体機能不全などにより子宮内膜の状態が悪く受精卵が着床しにくい)など。
不妊症とは

ひごころ治療院では、まず丁寧なカウンセリングを通じて、お一人おひとりの状態を詳しくお伺いすることから始めます。

2.東洋医学が考える不妊の要因:「体の冷え」との関係

 なかなかお子様を授かることができない状態、いわゆる不妊の背景には、東洋医学的に見ると「冷え」が大きく関わっていると考えられます。 特に、受精卵が子宮内膜に着床しにくい場合、その原因の一つとして母体の「冷え」が影響している可能性を考慮します。(ただし、受精自体が難しい場合は、男性側の要因も詳しく見る必要があります。)

「冷えは万病のもと」と言われるように、体の冷えは様々な不調の根源となります。 東洋医学では、生命エネルギーや生殖機能を司る「じん」が、身体を温め、冷えから守る働きも担っていると考えます。そのため、身体が冷えている状態は、「」の力が低下しているサインと捉えることができます。「」の力が弱まると、身体を十分に温められず、外からの冷えも侵入しやすくなってしまいます。 したがって、不妊に対する東洋医学的なアプローチの基本は、「」の働きを補い、身体全体を温め、気血の巡りを良くすることが重要となります。

一般的に、20代前半であれば、冷えが大きな問題となることは比較的少ないかもしれませんが、35歳を過ぎると、多くの方で身体的な変化(老化)が進み、エネルギー(気血)が不足しがちになり、卵子や精子といった生殖細胞の機能も徐々に低下してくる傾向があります。 また、現代社会におけるストレス、睡眠不足、栄養の偏り、不規則な生活習慣なども、ホルモンバランスや自律神経の乱れを引き起こし、妊娠を難しくする要因となります。 さらに、「赤ちゃんが欲しい」と強く願う気持ちが、かえって精神的なプレッシャーとなり、無意識のうちに身体を緊張させ、妊娠しにくい状態を作り出してしまうことも少なくありません。

病院で人工授精や体外受精といった高度な治療を受けてもなかなか結果が出ない場合、その背景に母体の「冷え」や「気血の滞り」が隠れていることも考えられます。 鍼灸治療は、このような身体の根本的な部分に働きかけ、妊娠しやすい身体環境を整えることを得意としています。生活習慣の見直しと合わせて、鍼灸による体質改善に取り組んでみませんか?

3.妊活における鍼灸の可能性と期待できる効果

鍼灸治療は、身体にある特定の経穴(ツボ)を鍼や灸で刺激することにより、以下のような働きを通じて、妊娠しやすい身体づくりをサポートします。

  • 免疫機能の調整と体質改善
    身体全体の調子を整え、免疫機能を正常化することで、着床や妊娠継続に適した身体環境づくりをサポートします。冷え性、便秘、肩こり、頭痛、不眠といった全身的な不調の改善も、妊娠力の向上に繋がります。
  • 卵巣・子宮への血流促進
    骨盤内の血流を改善することで、卵巣や子宮に十分な酸素と栄養を届け、機能を活性化させます。これにより、質の良い卵子の育成や、着床しやすい温かく柔らかな子宮内膜環境づくりが期待できます。
  • ホルモンバランスの調整サポート
    全身の気血の流れを整えることで、視床下部や脳下垂体の働きに良い影響を与え、乱れがちな女性ホルモン(エストロゲンやプロゲステロンなど)のバランスを整える手助けをします。結果として、月経周期の安定化質の高い排卵の促進に繋がります。
  • 自律神経の調整とストレス緩和
    鍼灸には、自律神経のバランスを整え、心身をリラックスさせる効果があります。妊活中の不安やストレスは、自律神経を介してホルモンバランスにも影響を与えるため、ストレスを緩和し、心穏やかに妊活に取り組める状態へと導くことは非常に重要です。

4.ひごころ治療院の不妊鍼灸:施術内容と特徴

ひごころ治療院では、赤ちゃんを望むお一人おひとりのお気持ちに深く寄り添い、東洋医学の智慧と経験に基づいたオーダーメイドの不妊鍼灸で、あなたの「妊娠する力」を最大限に引き出すお手伝いをいたします。 単に身体の表面的な部分にアプローチするだけでなく、妊娠に至るための根本的な体質改善と、心身ともにリラックスした状態で妊活に取り組めるようサポートすることを大切にしています。

鍼灸が妊娠をサポートするメカニズムと当院のアプローチ

不妊に特化した鍼灸治療は、主に以下のメカニズムによって、妊娠しやすい身体づくりをサポートすると考えられています。ひごころ治療院では、これらのメカニズムを最大限に活かす施術を心がけています。

  • 骨盤内(子宮・卵巣)の血流改善と機能活性化
    • メカニズム
      特定のツボへの鍼灸刺激は、子宮や卵巣への血流を促進し、これらの臓器に十分な酸素と栄養を届け、機能を活性化させます。
    • 当院のアプローチ
      下腹部や腰仙部、足などの関連するツボを丁寧に刺激し、骨盤内の血流を効果的に高めます。これにより、質の良い卵子の発育や、受精卵が着床しやすい温かく柔らかな子宮内膜環境づくりを目指します。
  • ホルモンバランスの調整サポート:
    • メカニズム
      鍼灸は、自律神経系や内分泌系(ホルモン系)に働きかけ、視床下部-脳下垂体-卵巣系の連携を整える効果が期待されます。
    • 当院のアプローチ
      全身のバランスを整えるツボを選び、特に女性ホルモンの分泌に関わる経絡(気の通り道)の調整を行います。これにより、規則正しい月経周期の回復や、質の高い排卵の促進をサポートします。
  • 自律神経の調整とストレス緩和:
    • メカニズム
      鍼灸施術には、心身をリラックスさせ、自律神経のバランスを整える効果があります。
    • 当院のアプローチ
      妊活中の不安やストレスは、無意識のうちに身体を緊張させ、ホルモンバランスにも影響を与えます。当院では、心地よい鍼灸刺激と落ち着いた施術環境により、深いリラックス状態へと導き、ストレスを緩和することで、心穏やかに妊活に取り組めるようサポートします。

ひごころ治療院の不妊鍼灸:施術の流れと所要時間

ひごころ治療院での不妊鍼灸は、お一人おひとりにじっくりと向き合い、以下の流れで丁寧に進めてまいります。

  1. 【初回】丁寧なカウンセリング(約20~30分)
    まず、現在のお身体の状態、月経周期、基礎体温、これまでの不妊治療の経緯、生活習慣、ストレスの状態などを詳しくお伺いします。どんな些細なことでも、不安なこと、疑問に思うことなど、遠慮なくお話しください。あなたの心と身体の声に、じっくりと耳を傾けます。
  2. お身体の状態チェック(東洋医学的診察)
    カウンセリングの内容に加え、脈の状態を診る「脈診みゃくしん」、舌の色や形などを観察する「舌診ぜっしん」、お腹の弾力や温度、圧痛などを確認する「腹診ふくしん」といった東洋医学的な診察方法を用いて、お身体全体の状態や体質を多角的に把握します。
  3. オーダーメイドの鍼灸施術(約30~40分)
    カウンセリングと診察結果に基づき、その日のあなたの状態に最も適したツボを選び、きゅうきゅうで丁寧に刺激していきます。鍼は髪の毛ほどの細さで、痛みはほとんどありません。お灸も心地よい温かさで、リラックスして受けていただけます。あなたのためだけのオーダーメイド施術で、妊娠しやすい身体へと導きます。
  4. アフターケアと生活指導
    施術後のお身体の状態を確認し、今後の通院計画や、ご自宅でできるセルフケア(お灸やツボ押し、食事、睡眠、運動など)について具体的にアドバイスいたします。日常生活での小さな疑問にもお答えします。
  • 施術時間の目安
    • 2回目以降: 約30分~40分程度 (※お身体の状態により、多少前後することがございます。)
    • 初回: カウンセリングを含め、約50分~60分程度

不妊鍼灸で期待される効果とひごころ治療院の実績について

ひごころ治療院の不妊鍼灸をお受けいただくことで、以下のような効果が期待できます。
(※効果の現れ方には個人差があり、妊娠を保証するものではございません。)

  • 妊娠しやすい身体環境への改善サポート
    • 卵巣機能の向上サポート(質の良い卵子の育成)
    • 子宮内膜の質の向上サポート(着床しやすい環境づくり)
    • ホルモンバランスの安定化サポート
    • 冷え性やむくみの改善
    • 睡眠の質の向上
  • 不妊治療の成功率向上サポート
    • 体外受精や人工授精といった西洋医学的治療と併用することで、それらの成功率を高めるお手伝いをします。
  • 流産率の低下サポート
    • 妊娠初期の身体を整え、妊娠継続をサポートすることも目指します。
  • 月経トラブルの緩和
    • 生理痛、月経不順、PMS(月経前症候群)などの婦人科系のお悩みの改善も期待できます。

ひごころ治療院での実績について

当院では、これまで多くの方の妊活を鍼灸でサポートさせていただき、「体質が変わってきたのを実感する」「生理周期が整った」「基礎体温が安定してきた」「冷えが改善された」といったお喜びの声を多数いただいております。

また、病院での不妊治療と並行して通院され、体外受精や人工授精が成功に至ったケースや、自然妊娠されたケースもございます。

私たちは、お一人おひとりの「赤ちゃんを授かりたい」というお気持ちを大切に、誠心誠意サポートさせていただきます。

不妊症とは

5.鍼灸による妊娠しやすい身体づくり

鍼灸治療は、お薬のように直接的にホルモンを投与したりするものではありませんが、身体が本来持っている機能を高め、内側から妊娠しやすい状態へと整えていくことを目指します。

妊娠に必要な身体の状態とは?

一般的に、妊娠しやすい身体の状態として、以下のような点が重要と考えられています。ひごころ治療院の鍼灸は、これらの状態を整えるお手伝いをします。

  • 安定したホルモンバランス
    規則正しい月経周期、質の良い排卵、黄体機能の充実は、妊娠の基本です。
  • 質の良い卵子と精子
    卵巣や精巣への血流を促し、細胞の栄養状態を高めることが大切です。
  • 温かく柔らかな子宮内膜
    受精卵が着床しやすく、育ちやすい、十分な厚みと血流のある子宮内膜が必要です。
  • 良好な骨盤内血流
    子宮や卵巣といった生殖器に十分な酸素と栄養を届けるためには、骨盤内の血流がスムーズであることが不可欠です。
  • ストレスの少ない心身状態
    過度なストレスは自律神経やホルモンバランスを乱し、妊娠力を低下させる可能性があります。リラックスした状態を保つことが重要です。
  • 充実した「気」「けつ
    東洋医学では、生命エネルギーである「気」と、身体に栄養を与える「血」が十分に満ち、スムーズに巡っていることが、健康と妊娠力の基本と考えます。

鍼灸治療後の期待できる身体の変化

鍼灸治療を継続することで、多くの方が以下のような身体の変化を実感されています。(※効果には個人差があります)

  • 身体が芯から温まるのを実感する(特に手足やお腹の冷えの改善)
  • リラックスできて、気持ちが前向きになる
  • 月経周期が整い、生理痛やPMS(月経前症候群)が軽くなる
  • 基礎体温が安定し、二相性(低温期・高温期)がはっきりしてくる
  • 睡眠の質が向上し、ぐっすり眠れるようになる
  • 肩こりや腰痛、便秘といった全身的な不調も改善する

これらの変化は、身体が妊娠しやすい状態へと近づいているサインと捉えることができます。

6.不妊鍼灸のデメリット・リスクとQ&A

鍼灸治療は副作用の少ない安全な治療法ですが、いくつかの点についてご理解いただければと思います。

鍼灸に対するよくあるご不安や疑問(Q&A)

鍼灸に対する不安や疑問 鍼灸に対して不安や疑問を感じる方もいらっしゃるかもしれません。よくあるご不安としては、

鍼は痛いですか?

当院で使用する鍼は、髪の毛ほどの極めて細いもので、痛みはほとんどありません。チクッとした軽い刺激を感じる程度か、何も感じない方もいらっしゃいます。刺激に敏感な方には、さらに細い鍼を使用したり、刺さないタイプの鍼(てい鍼など)を用いたりすることも可能ですので、ご安心ください。

衛生面(感染症など)は大丈夫ですか?

当院では、使用する鍼はすべて滅菌済みの使い捨て(ディスポーザブル)鍼です。一度使用した鍼を再利用することは一切ございませんので、感染症のリスクは極めて低く、安全です。施術前後の手指消毒も徹底しております。

副作用はありますか?

鍼灸治療には、お薬のような重篤な副作用はほとんどありません。まれに、施術後に一時的なだるさや眠気、または小さな内出血(青あざ)が起こることがありますが、これらは通常数日で自然に解消します。ご心配な場合は遠慮なくご相談ください。

効果が出にくいと考えられるケース

以下のような場合は、鍼灸治療単独での効果が出にくい、あるいは時間を要する可能性があります。

  • 重度の卵管閉塞や癒着がある場合
  • 子宮の形態に大きな異常がある場合
  • 男性不妊の原因が器質的な問題(例:精路閉鎖など)である場合
  • 年齢的な要因(特に40代半ば以降など、卵子の質の低下が著しい場合)
    ※ただし、これらの場合でも、体調を整え、西洋医学的治療の効果を高めるサポートとして鍼灸が役立つこともあります。

デメリットを理解した上での治療のために

鍼灸治療のメリットだけでなく、上記のようないくつかの点を理解した上で、以下のことに注意して治療をお受けいただくことが大切です。

  • 信頼できる鍼灸院・鍼灸師を選ぶ
    不妊治療に関する知識と経験が豊富な鍼灸師を選びましょう。
  • ご自身の体調や症状を正直に伝える
    正確な情報が、より効果的な治療計画に繋がります。
  • 継続して治療を受ける
    体質改善にはある程度の時間が必要です。焦らず、継続して治療に取り組むことが大切です。担当の鍼灸師と相談しながら、適切な通院ペースを見つけましょう。

7.治療前のカウンセリングの重要性

ひごころ治療院では、初回のカウンセリングを特に重視しています。

妊活の悩みを聞く鍼灸師の役割

私たちは、単に鍼灸の施術を行うだけでなく、患者様が抱える妊活の悩みや焦り、不安な気持ちに深く寄り添い、お話をじっくりと伺うことを何よりも大切にしています。

安心して何でも話せる信頼関係を築き、精神的なサポートもさせていただくことが、鍼灸師の重要な役割の一つだと考えています。

カウンセリングで共有し、治療方針を決定します

カウンセリングでは、主に以下の内容について詳しくお伺いし、東洋医学的な視点からあなたの体質や不妊の原因となっている可能性のある要因を探ります。その上で、最適な治療方針を一緒に考え、ご提案させていただきます。

  • 現在の最もお困りのこと、お悩み
  • 月経周期、基礎体温の状態、生理の状態(経血量、色、塊の有無など)
  • これまでの不妊治療の経緯(病院での検査結果、治療内容など)
  • 既往歴、現在治療中の病気、服用中のお薬やサプリメント
  • 食生活、睡眠、運動習慣、ストレスの状況など、日常生活について
  • 冷え、便秘、肩こり、頭痛など、その他の自覚症状

8.西洋医学の不妊治療との上手な併用

近年、不妊治療の分野では、西洋医学的な治療と東洋医学的な鍼灸治療を上手に併用することで、それぞれのメリットを活かし、より高い効果を目指す方が増えています。

西洋医学と東洋医学の相乗効果

  • 西洋医学の強み
    精密な検査による原因の特定、ホルモン剤などによる排卵誘発、人工授精や体外受精・顕微授精といった高度生殖医療(ART)など、直接的なアプローチを得意とします。
  • 東洋医学(鍼灸)の強み
    身体全体のバランスを整え、血流を改善し、冷えを取り除き、自律神経やホルモンバランスを安定させるなど、妊娠しやすい身体の土台づくりを得意とします。また、西洋医学的治療に伴う副作用の軽減や、精神的なストレスの緩和も期待できます。

これらの強みを組み合わせることで、例えば体外受精の際に質の良い卵子を育てたり、着床しやすい子宮内膜環境を整えたり、移植後の妊娠継続をサポートしたりといった相乗効果が期待できると考えられています。

西洋医学の主な不妊治療法について(概要)

人工授精

西洋医学での不妊の治療は不妊の原因を取り除いたり、人工的に受精させたりする医療技術であります。

人工授精は、男性の性液を細いチューブを使って女性の膣や子宮内に注入し、自然な受精を待つ方法です。精液中の精子の数や運動能力に問題がある場合に有効で、数の限られた健康な精子を無事子宮まで送り出すことができます。人工授精では、精子が無事卵管の端まで行きますが、卵と受精できるか保証はありません。子宮に注入したあとは神のみぞ知る領域になります。

体外受精・顕微授精・凍結融解胚移植

近年、広く応用されるようになっている不妊治療が、生殖補助医療(Assisted Reproductive Technology:ART)であります。

体外受精と顕微授精、さらにこれらの方法で複数の胚が得られた場合、余剰胚を凍結保存し、凍結後に移植する凍結融解移植などをまとめてARTと呼ばれています。

最近はゼリー状の状態で冷却保存するビリフィケーションと呼ばれる方法が用いられ、妊娠率の向上寄与しています。

体外受精は卵巣から取り出した卵を専用の皿の上に置き、運動性のある精子を加え体外で受精させるという方法であります。この方法では、しっかりと受精が確認されたのち、適当な時期まで育てた胚を子宮に届けます。精子と卵子が出会って受精する場所である卵管に障害がある女性も妊娠の機会が得られます。

体外受精をさらに発展させたものが顕微授精です。その代表的な方法である細胞質内精子注入法は、顕微鏡下で、一つの卵子の細胞質の中に、直接一つの精子を注入するものです。

この方法では、たった一つの健康的な精子と卵子さえあればいいのです。不妊症の女性にとって朗報だったが、正常な精子の数が極端に少ない男性に在っては特にこの方法で自分の遺伝子を残す可能性が広がりました。

治療の際に排卵をうながす薬を使って、場合によっては10個以上の卵子が採取されることがあります。このとき移植されなかった受精卵を液体窒素の中で凍結保存し、以降の周期で移植するのが凍結融解胚移植です。

最近では、卵巣刺激で負荷のかかった卵巣や子宮を休ませる目的で、新鮮な胚一つも移植せずに、全て凍結することも行われています。凍結された胚は、半永久的に保存可能であるといわれています。

女性の年齢の上昇に伴って、染色体異常の卵子の割合は増えますが、その結果、体外受精や顕微授精で妊娠しても流産におちいることも多くなります。日本産婦人科学会の報告によりますと、2017年、体外受精や顕微授精による胚移植を受けた結果、出産に至った確率は30歳は21.9%、35歳は18.9%、40歳は9.3%、45歳では1.0%にまで下がっています。

ここで注意しなければならないことは、どのような卵巣刺激法を用いるかという点であります。それによっては成功率や費用も変わってきます。一般的な性腺刺激ホルモンを用いたARTの場合、1回の採卵で数個~10数個の卵子が採取され、数個の移植可能の胚が得られます。したがって、1回新鮮胚移植と、1~3回ほどの凍結融解胚移植が可能となり、累積妊娠率は上昇します。

一方、自然周期あるいはそれに準じた方法で採卵を試みた場合、採卵可能な周期は7~8割で、通常1個の卵子しか得られません。したがって、よくても1回の新鮮胚移植あるいは凍結融解胚移植しかできず、結果的に何度も採卵が必要になります。

費用については、ART(生殖補助医療)は、2022年4月から健康保険が適用されています。

ただし、保険適用には年齢や回数などの条件があります。

  • 治療開始時の女性の年齢が43歳未満であること
  • 初めて治療を開始するときの女性の年齢が40歳未満の場合は1子につき通算6回まで、40歳以上43歳未満の場合は1子につき通算3回まで

また、保険適用には、次のような条件も満たす必要があります。

  • 婚姻関係(入籍)または事実婚であること
  • 初回治療周期はパートナー同席の上、治療説明を受けること
  • その後も、最低でも半年に一回以上の同席が義務化されていること

保険適用となったことで、原則として3割負担で不妊治療を行うことができます。ただし、治療に伴って行われるオプション治療(卵子活性化など)の中には、先進医療として認められ、保険外診療と健康保険が併用できるものもあります。。年齢や所得、治療回数などの制限はありますが、助成金制度は設けられています。

(※保険適用の条件や内容は変更されることがあります。必ず医療機関や関連省庁の最新情報をご確認ください。)

9.患者様の声:妊活鍼灸治療の体験談

実際に鍼灸治療を受けた方の体験談です。

不妊症 / 30代・女性

不妊治療で悩んでいたところ、鍼灸治療を試してみることにしました。初めての鍼灸治療で緊張しましたが、先生の優しい声かけと丁寧な施術のおかげで、リラックスして治療を受けることができました。2回目の治療後に妊娠が発覚し、今は元気な男の子と毎日を過ごしています。鍼灸治療を選んで本当に良かったです。

治療院選びの参考に

  • 「先生が毎回体調を細かく聞いてくれて、その日の状態に合わせた施術をしてくれるので安心です。」
  • 「院内が清潔で落ち着いた雰囲気なので、リラックスして治療を受けられます。」
  • 「鍼は思ったより痛くなく、お灸は温かくて気持ちいいです。通うのが楽しみになっています。」

10.今日からできる!妊活のためのセルフケア

鍼灸治療と合わせて、ご自身でできる身体のケアを取り入れることで、より妊娠しやすい身体づくりを目指しましょう。

鍼灸以外の妊活サポート:食事・運動・睡眠・ストレスケアのポイント

鍼灸以外にも、妊活をサポートする方法はたくさんあります。

  • 食事のポイント
    • バランスの取れた食事を基本に
      様々な食材を彩りよく摂りましょう。
    • 身体を温める食材を意識する
      根菜類(ごぼう、人参、大根など)、生姜、ネギ、ニンニク、カボチャなど。
    • 血流を良くする食材を意識する
      青魚(サバ、イワシなど)、玉ねぎ、納豆、海藻類など。
    • 質の良いたんぱく質を摂る
      卵、大豆製品、赤身の肉、魚など。
    • 鉄分や亜鉛、葉酸などのミネラル・ビタミンも大切。
    • 冷たい飲食物の摂りすぎには注意しましょう。
  • 運動のポイント
    • 適度な運動を習慣に
      ウォーキング、ヨガ、ストレッチなど、無理なく続けられるものを選びましょう。血行促進、ストレス解消、体力向上に繋がります。
    • 激しすぎる運動は避けましょう。
  • 睡眠のポイント
    • 質の良い睡眠を十分にとる
      7~8時間を目安に。ホルモンバランスや自律神経を整えるために重要です。
    • 寝る前のスマホやパソコンは控える
      ブルーライトは睡眠の質を低下させます。
    • 寝室を暗く静かな環境にする。
  • ストレスケアのポイント
    • リラックスできる時間を持つ: 趣味を楽しむ、好きな音楽を聴く、アロマを焚く、ゆっくり入浴するなど。
    • 深呼吸を意識する。
    • 信頼できる人に話を聞いてもらう。

おすすめの温活・ツボケア

  • 自宅でできるお灸(せんねん灸など)
    鍼灸師に指導を受け、安全な方法で「三陰交さんいんこう」や「足三里あしさんり」など、身体を温め、婦人科系に良いとされるツボにお灸をするのも効果的です。
  • 足湯・半身浴
    下半身をしっかり温め、全身の血行を促進します。
  • 腹巻やレッグウォーマーの活用
    お腹周りや足首を冷やさないようにしましょう。
  • 簡単なツボ押し
    手の「合谷ごうこく」や足の「三陰交さんいんこう」などを、気持ち良い程度の強さで優しく押すのも良いでしょう。
  • 骨盤周りのストレッチ
    股関節や骨盤周りの筋肉を柔軟にすることで、子宮や卵巣への血流を促します。

11.不妊症・妊活に効果的な代表的なツボ

鍼灸治療では、お一人おひとりの体質や状態に合わせて多くのツボを使い分けますが、不妊症や妊活サポートでよく用いられる代表的なツボをいくつかご紹介します。 (※ご自身で押す場合は、痛気持ち良い程度の強さで、無理のない範囲で行ってください。正確な位置や刺激方法は専門家にご相談いただくのが最も効果的です。)

  1. 世界保健機関(せかいほけんきかん 略称: WHOOMS)は、国際連合の専門機関(国際連合機関)の一つであり、人間の健康を基本的人権の一つと捉え、その達成を目的として設立された機関。 ↩︎