しみ・そばかす

しみ・そばかすの原因と対策 ー 東洋医学の鍼灸で体質から改善

しみ・そばかす

「最近、シミが濃くなってきた気がする…」
「コンシーラーでも、そばかすが隠しきれない…」
「高価な化粧品を試しても、あまり効果がない…」

そのお悩み、実は肌の表面だけの問題ではないかもしれません。

東洋医学では、しみそばかすは、身体の内側の不調や体質が肌に現れたサインと考えます。この記事では、東洋医学の視点から、しみ・そばかすの根本原因を探り、鍼灸治療がどのように体質改善をサポートし、内側から輝く透明感のある肌を目指すのかを詳しく解説します。

【目次】

  1. しみ・そばかすとは?~その原因と東洋医学の視点~
    • しみ(肝斑)と、そばかすの違い
    • 美肌の鍵は「自律神経」と「内臓の働き」
  2. しみ・そばかすに対する鍼灸治療
  3. ご家庭でできる!美肌のためのセルフケアと予防法

1.しみ・そばかすとは?~その原因と主な症状~

しみ(肝斑)と、そばかすの違い

しみ・そばかすの原因
  • しみ(肝斑かんぱんなど)
    • 特徴
      眉の上、頬骨のあたり、鼻の上、上唇など、日光に当たりやすいところにできます。20代から見られることもありますが、特に中年以降の方に多いのが特徴です。
    • 主な原因
      日光の紫外線、精神的・肉体的な過労、妊娠、婦人科系の病気、副腎機能の障害、肝臓障害、化粧品による刺激などが挙げられますが、原因不明のものも少なくありません。
  • そばかす(雀卵斑じゃくらんはん
    • 特徴
      主に思春期以降の、肌の色が比較的白い方にできやすく、夏に色が濃くなり、冬に薄くなる傾向があります。
    • 主な原因
      遺伝的な要因や、日光に対する過敏症が原因とされています。

【予防の基本】 原因が何であれ、しみ・そばかすの対策として、何よりもまず強い直射日光を避けることが大切です。また、十分な睡眠をとり、ゆったりとした気分で生活することも、肌の健康には不可欠です。

美肌の鍵は「自律神経」と「内臓の働き」

現代における「美肌」とは、単に色白であるだけでなく、血色がよく、透明度が高く、つやがあって、うるおいが豊かな状態と言えるでしょう。 皮膚のつや、うるおい、鮮やかさといった要素は、皮膚にある汗腺や皮脂腺の働き、そして皮膚への血液循環によって決まります。そして、これらの働きを調整しているのが、内臓の働きを支配している自律神経です。

したがって、東洋医学では、これらの器官の働きを順調に保つこと、つまり全身の健康を保持・増進することが、自然で美しい肌へと繋がると考えます。 鍼灸治療は、しみやそばかすを短時間で直接消すことを目指すのではなく、ツボを使ったアプローチによって体質・体調を整え、身体が本来持つ力で自然に改善していくことを目的とします。

元来、調和のとれた健康な身体を維持していれば、しみやそばかすが皮膚を過度に侵すことはないのです。

2.しみ・そばかすに対する鍼灸治療

鍼灸が美肌・体質改善に効果的な理由

  • 内臓機能の調整
    東洋医学では、皮膚は「肺」、色素沈着は「肝」や「腎」と深く関連すると考えます。これらの臓腑の働きを整えるツボを刺激し、体質を根本からケアします。
  • 血行促進
    全身の血行を促進することで、皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)を正常化し、メラニン色素の排出を助けます。顔色も明るくなります。
  • 自律神経のバランス調整
    ストレスや疲労による自律神経の乱れを整え、ホルモンバランスの安定をサポートします。
  • 免疫力の向上
    身体が本来持つ自然治癒力を高め、肌トラブルが起こりにくい、健康な状態へと導きます。

症状緩和に効果が期待できる主要なツボの例

しみ・そばかすのケアや体質改善には、以下のツボを中心に施術します。

背部 「肺兪はいゆ」、「三焦兪さんしょうゆ」、「腎兪じんゆ
   「命門めいもん
胸部 「膻中だんちゅう
腹部 「中脘ちゅうかん」、「陰交いんこう
手部 「陽池ようち」、「合谷ごうこく」、「内関ないかん
   「太淵たいえん
足部 「太渓たいけい

具体的な鍼灸治療法

しみ・そばかすの治療は、体質・体調の転換をねらった全身治療が中心となります。

  1. まず、東洋医学で皮膚と密接な関係にあるとされる「肺」の働きを整えるため、背中にある「肺兪」を治療します。
  2. 次に、身体の前面では、呼吸器系と循環器系の機能を整える「膻中」、胃・肝臓・膵臓といった消化器系の機能を整える「中脘」、小腸・大腸の機能を整える「陰交」などを刺激します。
  3. 手足のツボでは、「陽池」、「合谷」、「内関」、「太淵」、「太渓」などを治療します。これらのツボは、体調と体力の向上を目指す上で重要なポイントです。
    • 肺兪」は呼吸機能を、「脾兪ひゆ」、「中脘」は消化機能を、「腎兪」は排泄機能を高めます。
    • 三焦兪」は「後天の元気(食事から得るエネルギー)」が宿る場所とされ、「陽池」、「太渓」は内臓の機能を整え、全身に栄養を行き渡らせるために欠かせないツボです。
  4. 局所へのアプローチ
    上記の全身治療に加えて、しみ・そばかすが出やすい顔などの部分に、ごく軽く鍼治療刺鍼)を行うこともあります。
  5. お灸(灸治療)の活用
    皮膚の働きを良くするには、お灸も適しています。「肺兪」、「脾兪」、「腎兪」、「中脘」といったツボに、できるだけ小さなもぐさで1カ所に2壮ずつ施灸します。「3週間毎日すえて1週間休む」といったサイクルで行うと、より効果が期待できます。

3.ご家庭でできる!美肌のためのセルフケアと予防法

鍼灸治療と合わせて、ご家庭でのセルフケアを続けることが、しみ・そばかすの改善と予防には不可欠です。

  • 紫外線対策
    季節を問わず、日中の外出時には日焼け止めを塗る、帽子や日傘を活用するなど、紫外線対策を徹底しましょう。
  • バランスの取れた食事
    肌の新陳代謝を助けるビタミンC(果物、野菜)、ビタミンE(ナッツ類、植物油)、L-システイン(大豆製品、卵など)、そして良質なタンパク質などをバランス良く摂取しましょう。日本の伝統的な和食が基本です。
  • 質の高い睡眠
    肌のターンオーバーは睡眠中に最も活発になります。十分な睡眠時間を確保しましょう。
  • ストレスを溜めない
    ストレスはホルモンバランスを乱し、肌の状態を悪化させます。リラックスできる時間を作りましょう。
  • 局所への優しい刺激
    しみやそばかすが気になる部分を、つまようじの尖っていない方の端などで、ごく軽く、トントンと刺激するのも一つの方法です。このような軽い刺激が、皮膚の状態を整え、しみ・そばかすが薄くなるのを助ける場合があります。
    ※強くこすったり、傷つけたりしないように注意してください。

ひごころ治療院では、あなたの肌のお悩みの背景にある体質を丁寧に見極め、鍼灸治療と生活指導を通じて、内側から輝く健康的な美肌づくりをサポートさせていただきます。

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