痛風

痛風の原因と治療法 ー 鍼灸と生活改善で激痛発作に立ち向かう

痛風

風が吹いても痛い」と言われるほどの激しい痛みを伴う痛風。

健康診断で尿酸値が高いと指摘され、いつあの痛みが襲ってくるかと不安な日々を過ごしていませんか?ここでは、そんな痛風に悩むあなたへ、その原因から症状、そして東洋医学に基づく鍼灸治療による痛みの緩和と根本的な体質改善への道筋を、ご自宅でできるケア方法も交えながら分かりやすく解説していきます。

【目次】

  1. 痛風とは?~激痛発作の正体と原因~
    • 痛風の基本的な知識(尿酸とプリン体)
    • 痛風発作の主な症状と経過
    • 発作時の応急処置と医療機関受診の重要性
  2. 痛風に対する鍼灸治療:痛みの緩和と体質改善
    • 鍼灸治療が痛風に効果的な理由
    • 痛風治療でよく用いる主要なツボ
    • 具体的な鍼灸治療法とアプローチ(鍼と灸)
    • 痛風の家庭でできるツボケア(マッサージの注意点)家庭療法
  3. 痛風の改善と予防のための生活習慣
    • 食事療法のポイント(プリン体を控える食事とは?)
    • 運動とストレス管理の重要性
    • 水分補給と日常生活での注意点
  4. 痛風と関節の健康について
    • 関節の腫れと痛みが起こるメカニズム
    • なぜ足の親指に発作が起きやすいのか?
    • 鍼灸による関節痛へのアプローチ
  5. 痛風の再発予防とセルフケア
  6. 【コラム】痛風治療の動向と鍼灸の役割
  7. ひごころ治療院の痛風鍼灸:患者様の声
  8. 【重要】体からのSOSサインを見逃さないために
    • 足の親指の違和感は発作の予兆かも?
    • 尿酸値が高いと言われたら(予防の重要性)
    • 痛風と診断されたら何科へ?

1.痛風とは?~激痛発作の正体と原因~

痛風の基本的な知識(尿酸とプリン体)

痛風で痛がる人の挿絵

痛風つうふうは、血液中の尿酸にょうさんの値が異常に高くなること(高尿酸血症)が原因で起こる病気です。

尿酸は、私たちの体内でプリン体という物質が分解されてできる最終産物(いわば老廃物)です。プリン体は、細胞の核に含まれる遺伝子(DNAやRNA)の主成分であり、新陳代謝やエネルギー消費によって常に体内で作られています。また、食事からも摂取されます。

通常、作られた尿酸は腎臓でろ過され、尿として体外に排出されることで、血液中の尿酸値は一定のバランスに保たれています。

しかし、何らかの原因で尿酸が過剰に作られすぎたり、腎臓からの排泄がうまくいかなくなったりすると、血液中の尿酸値が上昇します。この状態が長く続くと、過剰な尿酸は溶けきれなくなり、針状の尿酸塩の結晶となって、関節やその周辺、腎臓などに沈着していきます。

この尿酸塩結晶が関節内に溜まり、何らかのきっかけで剥がれ落ちると、それを異物と認識した白血球が集まってきて攻撃を始め、激しい炎症反応痛風発作)を引き起こすのです。

その激しい痛みは「風が吹いただけでも痛い」と表現されるほどで、かつては美食や多量の飲酒をする人に多かったことから「帝王の病」とも呼ばれていました。現代では、食生活の欧米化やストレスなどにより、30代~50代の男性を中心に、肥満体型の方やアルコールをよく飲む方に比較的多く見られる生活習慣病の一つです。

痛風発作の主な症状と経過

  • 突然の激痛
    多くの場合、何の前触れもなく、夜中から明け方にかけて、関節に激しい痛みが起こります。
  • 好発部位
    最も多いのは足の親指の付け根第一中足趾節関節ですが、足の甲、足首、アキレス腱の付け根、膝、手の関節、肘などにも起こることがあります。
  • 炎症症状
    痛みのある関節は、赤く腫れ上がり、熱感を持ちます
  • 発作の期間と再発
    通常、この激しい痛みは数日~1週間程度で自然に治まります(ただし、放置すれば再発します)。しかし、適切な治療や生活改善を行わないと、数ヶ月から1年程度の期間をおいて再び同様の激しい発作に見舞われることが少なくありません。発作を繰り返すうちに、その間隔は徐々に短くなり、痛みの程度も増し、複数の関節に症状が現れるようになるなど、急性症状から慢性症状へと移行する可能性があります。
  • 痛風結節
    慢性化すると、尿酸塩の結晶が皮下や関節周囲に沈着し、「痛風結節」と呼ばれるコブができることがあります。これは肘や膝、耳などに現れやすいです。
  • 合併症
    高尿酸血症や痛風を放置すると、腎臓障害(痛風腎、尿路結石など)や、高血圧、脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病を合併しやすく、将来的には心筋梗塞や脳卒中などの深刻な病気のリスクも高まります。

発作時の応急処置と医療機関受診の重要性

痛風発作が起きた際の応急処置としては、以下の点が挙げられます。

  1. 患部の安静
    痛む関節を動かさないようにし、できるだけ安静にします。
  2. 患部の挙上
    痛む関節を心臓より高い位置に保つことで、腫れや痛みの軽減が期待できます。
  3. 患部の冷却
    炎症を抑えるため、患部をタオルで包んだ氷のうなどで冷やします。 (※温めると炎症が悪化することがあるので注意が必要です。)
  4. 鎮痛剤の使用
    医療機関で処方された非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やコルヒチンなどを使用することがありますが、自己判断での市販薬の使用や、以前処方された薬の安易な使用は避け、必ず医師の指示に従ってください。(特にコルヒチンは副作用に注意が必要な薬です。)

発作が治まっても、根本的な高尿酸血症が改善されたわけではありません。慢性化や合併症を防ぐためには、早期に医療機関(内科、整形外科、リウマチ科など)を受診し、適切な診断と治療(薬物療法や生活指導)を受けることが非常に重要です。

2.痛風に対する鍼灸治療:痛みの緩和と体質改善

鍼灸治療は、痛風発作による激しい痛みを和らげるだけでなく、発作を繰り返しにくい身体づくり(体質改善)を目指す上でも、効果が期待できる伝統的な治療法です。

鍼灸治療が痛風に効果的な理由

  • 痛みの緩和(鎮痛効果)
    鍼や灸の刺激は、痛みを抑制する脳内物質の分泌を促したり、痛みの伝達をブロックしたりすることで、痛風発作の激しい痛みを和らげる効果が期待できます。
  • 炎症の抑制(消炎効果)
    患部や関連するツボへの刺激により、血行を促進し、炎症物質の排出を助け、炎症を鎮める効果が期待できます。
  • 血行促進と筋緊張緩和
    鍼灸は、関節周囲や全身の血行を改善し、筋肉の不要な緊張を和らげます。
  • 内臓機能の調整(特に肝・腎)
    東洋医学では、痛風は「肝」や「腎」といった臓腑の機能失調と深く関わると考えます。鍼灸治療は、これらの臓腑の働きを整え、尿酸の代謝や排泄をスムーズにするよう働きかけます。
  • 自律神経のバランス調整
    ストレスや生活習慣の乱れは自律神経のバランスを崩し、痛風発作の誘因となることがあります。鍼灸は自律神経を整え、心身のリラックスを促します。
  • 体質改善と再発予防
    継続的な鍼灸治療により、尿酸値が上がりにくい体質、発作が起こりにくい身体環境へと導き、根本的な改善と再発予防を目指します。

痛風治療でよく用いる主要なツボの例

痛風の症状や体質に合わせて多くのツボを使い分けますが、代表的なものには以下のようなツボがあります。

背中 「筋縮きんしゅく」、「肝兪かんゆ」、「三焦兪さんしょうゆ
   「腎兪じんゆ
腹部 「中脘ちゅうかん」、「期門きもん」、「肓兪こうゆ
   「天枢てんすう」、「大巨だいこ
足  「足三里あしさんり」、「陰陵泉いんりょうせん」、「太衝たいしょう
   「大敦だいとん」、「隠白いんぱく」、「太渓たいけい
   「築賓ちくひん

具体的な鍼灸治療法とアプローチ(鍼と灸)

  1. 背部のツボへのアプローチ
    まず、背中にある「筋縮」、「肝兪」、「三焦兪」、「腎兪」といったツボを中心に施術します。これらのツボは、痛風の原因となるプリン体(タンパク質の一部)の代謝異常に関わる肝臓や腎臓の機能を整える上で非常に重要です。
    • 肝兪」は肝機能を調整し、尿酸の生成をコントロールする助けとなります。また、東洋医学では「肝」は筋肉とも関連し、肥満の原因となる筋肉への脂肪蓄積を抑制する効果も期待できます。
    • 腎兪」は、腎臓の機能を高め、尿酸の排泄を促す効果が期待できます。高尿酸血症が腎機能に影響を与えている場合に特に重要です。
    • 三焦兪」は全身の水分代謝やエネルギー代謝を整え、「筋縮」は痛風による筋肉の緊張や痛みを和らげるのに役立ちます。
  2. 腹部のツボへのアプローチ
    次に、お腹にある「中脘」、「期門」、「肓兪」、「天枢」、「大巨」などのツボを用います。これらのツボも肝臓や腎臓の機能調整を助けると共に、痛風が胃腸の機能とも深く関連している(消化吸収の乱れがプリン体の過剰摂取や代謝異常に繋がる)ことから、消化・吸収を促進し、胃腸の働きを整える目的で用います。
  3. 足のツボへのアプローチ
    痛風治療において、足のツボへの施術は非常に重要です。発作が起きやすい部位であると共に、全身のバランスを整える効果的なツボが多く存在します。
    • 足三里」や「陰陵泉」は、胃腸の働きを整え、身体に活力を与えます。特に「陰陵泉」は東洋医学の「脾」の経絡上にあり、脾の働きを改善することで、血液浄化や免疫機能の向上を助け、痛風による痛みの軽減にも繋がります。
    • 大敦」と「太衝」は「肝」の経絡に属し、肝臓の機能を整え、ストレス緩和にも役立ちます。
    • 隠白」、「太谿」、「築賓」などは、痛風の痛みを抑制し、再発予防にも効果が期待できるツボです。 症状に応じて、特に痛みのある足の関連するツボには念入りに施術を行います。

肘や手首に痛みがある場合には、「曲池きょくち」や「陽池ようち」といったツボを治療すると良いでしょう。

鍼と灸の使い分け

痛風の治療には、灸治療が特に効果的とされています。炎症を鎮め、血行を促進し、身体を温める効果があります。それぞれのツボに対して、米粒の半分程度の大きさのもぐさを3~5壮程度、症状や体質に合わせて行います。例えば、1週間継続して施灸し、その後3日間休むといったサイクルで治療を進めることもあります。

もちろん、鍼治療も同様に効果が期待でき、痛みの緩和や深部の緊張を緩めるのに有効です。鍼と灸を適切に組み合わせることで、より高い治療効果を目指します。

家庭でできるツボケア(マッサージの注意点)

  • マッサージの痛み軽減効果と注意点
    痛風発作時の激しい痛みがある時期(急性期)には、患部への直接的なマッサージは炎症を悪化させる可能性があるため絶対に避けてください。 発作が落ち着いている時期(寛解期)であれば、患部周辺の筋肉を優しくマッサージすることで、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげ、痛みの軽減や再発予防に繋がる可能性があります。
  • 自宅でできるマッサージ法
    • 入浴後など身体が温まっている時に、痛む関節の周辺の筋肉を、手のひらで優しくさする程度から始めましょう。決して無理な力を加えず、心地よいと感じる程度の刺激で行うことが大切です。
    • 中国で経験的に用いられるセルフケアとして、足指の付け根の股の部分4箇所各指の間を、親指の先で7~8秒ほどグーッと押し、ゆっくり離すのを4~5回繰り返す方法も紹介されています。痛む側の足を入念に行うと良いとされています。
  • マッサージ施術の際のさらなる注意点
    • 発作中は絶対にマッサージを避けてください。
    • 皮膚に強い炎症(赤み、腫れ、熱感)がある場合も、マッサージは控えるべきです。
    • ご自身での判断に不安がある場合は、必ず専門の医療機関(医師)や、国家資格を持つあん摩マッサージ指圧師、鍼灸師にご相談ください。

3.痛風の改善と予防のための生活習慣

痛風の治療は、薬物療法と鍼灸治療だけでなく、日々の生活習慣の改善が非常に重要です。特に食事、運動、ストレス管理が鍵となります。

食事療法のポイント(プリン体を控える食事とは?)

痛風の食事療法の基本は、尿酸の元となるプリン体の摂取をコントロールすることです。

  • プリン体を多く含む食品を避ける・控える
    • 特に多い食品(積極的な摂取制限を推奨)
      レバー(鶏・豚・牛)、白子(魚)、あん肝、一部の魚の干物(マイワシ、カツオなど)
    • 比較的多い食品(摂取量に注意)
      肉類(特に赤身肉)、一部の魚介類(エビ、イワシ、カツオなど)、魚卵(イクラ、タラコなど ※少量でもプリン体が多いので注意)
    • プリン体が少ない・極めて少ない食品
      穀類(米、パン、麺類)、芋類、野菜類、海藻類、きのこ類、果物、乳製品、卵 (※ただし、全体的なカロリー摂取量や栄養バランスも重要です。)
  • アルコール飲料の制限
    • 特にビールはプリン体を多く含みます。また、アルコール自体が体内で尿酸の生成を促進し、腎臓からの尿酸排泄を抑制する働きがあるため、種類を問わずアルコールの摂取量を控えることが推奨されます。休肝日を設けることも大切です。
  • 十分な水分摂取
    • 尿量を増やし、尿酸の排泄を促すために、1日に1.5~2リットルを目安に、水やお茶(糖分の少ないもの)などでこまめに水分を補給しましょう。
  • その他
    • 肥満は尿酸値を上げる要因となるため、適切な体重管理を心がけましょう。
    • 果糖の摂りすぎも尿酸値を上げる可能性があるため、甘いジュースや果物の過剰摂取には注意が必要です。
    • バランスの取れた食事を基本とし、野菜や海藻類を積極的に摂り、尿をアルカリ化する食品(ひじき、わかめ、こんぶ、野菜など)も意識すると良いでしょう。

運動とストレス管理は痛風にどう影響するか

  • 適度な運動
    ウォーキング、軽いジョギング、水泳などの有酸素運動は、肥満の解消、血行促進、ストレス軽減に繋がり、痛風の予防・改善に役立ちます。
    • 【注意点】激しい無酸素運動(短距離走、筋力トレーニングなど)は、一時的に尿酸値を上昇させる可能性があるため、過度にならないよう注意が必要です。発作中は運動を避け、安静にしましょう。
  • ストレス管理
    ストレスは自律神経のバランスを乱し、痛風発作の引き金となることがあります。 リラックスできる時間(趣味、入浴、音楽鑑賞など)を意識的に持ち、自分に合ったストレス解消法を見つけて実践することが大切です。十分な睡眠もストレス軽減に繋がります。

4.痛風と関節の健康について

関節の腫れと痛みが起こるメカニズム

痛風発作による関節の激しい腫れと痛みは、関節内に析出し沈着した針状の尿酸塩の結晶が原因です。

何らかのきっかけ(急激な尿酸値の変動、物理的な刺激、飲酒、ストレスなど)でこれらの結晶が関節液中に剥がれ落ちると、それを異物と認識した白血球(特に好中球)が集まってきて攻撃を始めます。この際に強い炎症反応が起こり、サイトカインなどの炎症性物質が放出されることで、関節は赤く腫れ上がり、熱感を持ち、耐え難いほどの激しい痛みが生じるのです。

なぜ足の親指に発作が起きやすいのか?

痛風の最初の発作が足の親指の付け根第一中足趾節関節に起こることが非常に多いのには、いくつかの理由が考えられています。

  • 体温が低い部位
    足先は心臓から遠く、体温が比較的低いため、尿酸塩の結晶が析出しやすい(溶けにくい)環境です。
  • 負荷がかかりやすい部位
    歩行時などに常に体重による負荷がかかるため、関節に微細なダメージが蓄積しやすく、結晶が剥がれ落ちるきっかけとなりやすいです。
  • 関節液のpHや構造
    関節液の性質や関節の構造も影響している可能性があります。

ただし、発作は足の親指だけでなく、足の甲、足首、アキレス腱、膝、手の関節、肘など、他の関節にも起こりえます。

鍼灸による関節痛へのアプローチ

鍼灸治療は、痛風発作による関節の痛みに対して、以下のようなアプローチで症状の緩和を目指します。

  • 炎症を鎮める
    痛む関節の周囲や関連するツボに鍼や(炎症期を過ぎれば)お灸をすることで、血行を促進し、炎症物質の排出を助け、炎症を鎮める効果が期待できます。
  • 痛みを和らげる
    鍼刺激により、痛みを抑制する内因性の物質の分泌を促したり、痛みの伝達経路に働きかけたりすることで、直接的な鎮痛効果を目指します。
  • 筋肉の緊張を緩和する
    痛みによってこわばった周囲の筋肉の緊張を和らげ、関節の動きをスムーズにすることも目指します。

5.痛風の再発予防とセルフケア

痛風は、一度発作が治まっても、根本的な高尿酸血症が改善されなければ再発しやすい病気です。再発予防のためには、日々のセルフケアと心掛けが非常に重要です。

水分補給の重要性

前述の通り、十分な水分摂取1日1.5~2リットルが目安は、尿量を増やし、尿酸の体外への排泄を促します。また、尿が濃縮されるのを防ぎ、尿路結石の予防にも繋がります。

水やお茶(カフェインの少ない麦茶やほうじ茶など)を中心に、こまめに水分を摂るようにしましょう。

生活習慣の見直しポイント

  • 食事療法
    プリン体の摂取制限、アルコールの制限、バランスの取れた食事。
  • 適度な運動
    有酸素運動を中心とした継続的な運動。
  • 体重管理
    肥満の解消・予防。
  • 禁酒・禁煙
    禁酒が理想ですが、難しい場合は節酒を徹底。喫煙も血行を悪化させるため避けるべきです。
  • ストレス管理
    十分な睡眠と休息、リラックスできる時間を持つ。

再発予防のための心掛け

  • 医師の指示に従った治療の継続
    尿酸値をコントロールするための薬物療法を受けている場合は、自己判断で中断せず、必ず医師の指示通りに継続することが重要です。
  • 定期的な検査
    定期的に血液検査を受け、尿酸値や腎機能などをチェックしましょう。
  • 生活習慣改善の継続
    食事療法や運動習慣は、一時的なものではなく、長く続けることが大切です。
  • 発作の予兆に気付く
    足の親指などにムズムズ感やピリピリとした軽い痛みなど、発作の予兆を感じたら、早めにアルコールを控えたり、水分を多めに摂ったりするなどの対策をしましょう。

6.【コラム】痛風治療の動向と鍼灸の役割

痛風の治療法は、西洋医学においても日々研究が進んでおり、新しい尿酸降下薬の開発や、痛風発作時の炎症をより効果的に抑える治療法の研究などが進められています。将来的には、より副作用が少なく、個々の体質や病態に合わせたオーダーメイド治療が可能になることも期待されています。

このような西洋医学の進歩は大変喜ばしいことですが、東洋医学に基づく鍼灸治療も、痛風ケアにおいて独自の重要な役割を担うことができます。

  • 痛みの緩和
    薬物療法と並行して鍼灸を行うことで、発作時の激しい痛みをより効果的に和らげるサポートが期待できます。
  • 副作用の軽減サポート
    薬物療法の副作用(胃腸障害など)を、鍼灸で軽減できる可能性があります。
  • 体質改善と根本アプローチ
    鍼灸は、単に尿酸値を下げるだけでなく、尿酸値が上がりやすい背景にある「体質」(例:東洋医学的な肝・腎の機能低下、気血の滞り、冷えなど)に働きかけ、身体全体のバランスを整えることで、痛風が再発しにくい身体づくりを目指します。
  • 生活習慣改善のモチベーション維持
    鍼灸師による定期的なカウンセリングやアドバイスは、患者様が食事療法や運動療法を継続していく上での精神的な支えとなることもあります。
  • QOL(生活の質)の向上
    痛みや発作への不安を軽減し、心身ともにリラックスした状態を保つことで、日常生活の質の向上に貢献します。

ひごころ治療院では、西洋医学的な治療を受けている方に対しても、その治療を尊重しつつ、鍼灸治療を補完的に組み合わせることで、より良い状態を目指すお手伝いをしたいと考えています。

7.ひごころ治療院の痛風鍼灸:患者様の声

T・N様(50代・男性)「繰り返す痛風発作の頻度が減りました!」

数年前から年に何度も痛風発作に苦しんでいました。食事には気をつけているつもりでも、なかなか尿酸値が安定せず…。知人に鍼灸が良いと聞き、ひごころ治療院にお世話になることに。先生は丁寧に話を聞いてくださり、私の体質に合わせた施術と生活指導をしてくれました。通い始めて半年ほど経ちますが、あれほど頻繁だった激しい発作がほとんど起きなくなり、本当に感謝しています。足の指の違和感も以前よりずっと軽いです。

※あくまで個人の感想であり、効果には個人差があります。

K・K様(40代・男性)「薬だけに頼らないケアを求めて」

健康診断で尿酸値が高いと指摘され、医師からは薬を勧められましたが、できるだけ薬に頼らずに改善したいと思い、鍼灸治療を選びました。ひごころ治療院では、鍼とお灸だけでなく、食事や運動のアドバイスも具体的で、日常生活で何に気をつければ良いかがよく分かりました。施術を受けると身体がスッキリし、定期的なケアで尿酸値も安定してきています。

※あくまで個人の感想であり、効果には個人差があります。

8.【重要】体からのSOSサインを見逃さないために

足の親指の違和感は発作の予兆かも?

足の親指がなんとなくムズムズする、ピリピリとした軽い痛みや違和感がある、少し熱っぽい…そのような症状は、痛風発作が近づいているサイン(前駆症状)かもしれません。

このような予兆を感じたら、アルコールの摂取を控え、水分を多めに摂り、早めに休息をとるなどの対策を心がけましょう。

尿酸値が高いと言われたら(予防の重要性)

健康診断などで血液中の尿酸値が高い高尿酸血症と指摘されたら、それは痛風発作を起こす一歩手前の状態です。自覚症状がなくても、放置せずに生活習慣を見直すことが非常に大切です。

  • 尿酸値の目安
    • 正常値
      7.0mg/dL以下
    • 高尿酸血症
      7.0mg/dLを超える状態
    • 発作のリスクが高い状態
      9.0mg/dLを超えると、いつ痛風発作が起きてもおかしくないと考えられています。

尿酸値が高いと指摘されたら、まずは食事内容を見直し、プリン体の多い食品やアルコールの摂取を控え、適度な運動を心がけ、十分な水分を摂ることが予防の基本です。そして、定期的に医療機関で尿酸値をチェックしてもらいましょう。

痛風と診断されたら何科へ?

  • 内科
  • 整形外科
  • リウマチ科(膠原病内科)

まずはかかりつけの内科医にご相談いただくか、上記の専門医を受診してください。

鍼灸治療は、これらの医療機関での治療と並行して行うことで、より効果的な症状管理や体質改善が期待できます。ひごころ治療院では、医師の診断や治療方針を尊重し、連携を取りながらサポートさせていただきます。

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