小児はり

小児はりの治療に使用するはり
これは小児はりに用いる代表的な鍼(はり)の一つ、鍉鍼(ていしん)です。鍉鍼は、先端が丸みを帯びた太めの鍼で、皮膚に直接刺すのではなく、優しく撫でたり、押したり、擦ったりすることで心地よい刺激を与えて治療を行います。「刺さない鍼」または「接触鍼」とも呼ばれ、小さなお子様でも安心して受けていただけます。

刺さないはり ー 小児はりが子どもの心と身体の健康に与える影響とは

近年、お子様の夜泣き、かんしゃく、落ち着きのなさ、アレルギー症状などでお悩みのパパやママが増えています。これらの症状の背景には、子どもの未発達な自律神経のバランスの乱れが関係していることがあります。

そこで注目されているのが、古くから伝わる「小児はり」です。 このページでは、薬を使わない優しい刺激の「刺さない小児はり」が、お子様の自律神経や心身の健やかな成長にどのように働きかけるのか、詳しくご説明いたします。

【目次】

1.小児はりとは?~優しく触れる伝統療法~
  ・小児はりの歴史と特徴
  ・対象年齢と施術時間
  ・じっとしていられない子でも大丈夫?
2.小児はりで改善が期待できる症状~疳の虫からアレルギーまで~
  ・「疳の虫(かんのむし)」とは?その具体的な症状
  ・夜泣きへのアプローチと自律神経との関連
  ・その他、小児はりが対応できる主な症状
  ・ひごころ治療院での施術実績
3.子どもの成長と自律神経の重要性
  ・自律神経の働きと子どもの発達
4.ひごころ治療院の小児はり:施術の流れと特徴
  ・丁寧なカウンセリングから施術まで
5.小児はりを受ける際の注意点と安全性
  ・初回カウンセリングの大切さ
  ・施術中や施術後の身体の反応
  ・小児はりの安全性とリスクについて
6.小児はりが受けられる新丸子・武蔵小杉の鍼灸院「ひごころ治療院」のご紹介
  ・当院の特徴と実績
  ・アクセスについて
  ・院長の資格と経験
7.患者様の声:口コミと体験談
8.ご予約・ご相談について
9.子どもの健やかな成長のために~パパ・ママができる大切なこと~
  ・小児の不調の背景にあるもの
  ・日常生活で気をつけたいポイント(食事・睡眠・運動・呼吸・ストレス)

1.小児はりとは?~優しく触れる伝統療法~

小児はりの歴史と特徴

小児しょうにはり」とは、主に乳幼児から小学生くらいまでのお子様を対象とした、日本独自に発展してきた伝統的な鍼治療法の一つです。その歴史は古く、江戸時代に大阪の治療家たちによって行われていたものが、大正末期から昭和初期にかけて関西を中心に広まったといわれています。 (関東地方では「小児はり」という名称自体には馴染みがない方もいらっしゃるかもしれませんが、同様の小児向け治療は行われています。)

小児はりの最大の特徴は、一般的な鍼治療で用いる「刺す鍼」とは異なり、皮膚に接触させて撫でたり、軽く擦ったり、優しく押したりする特殊な鍼(鍉鍼、ローラー鍼、集毛鍼など)を使用する点です。これは、非常にデリケートで感受性の高いお子様の身体に合わせた施術方法であり、痛みや副作用の心配はほとんどありません。むしろ、心地よい刺激でお子様たちがリラックスし、心身ともに元気になっていくのが特徴です。

対象年齢は?

生後1ヶ月の赤ちゃんから、小学生高学年くらいまでが主な対象です。中学生以上でも、体質や症状によっては小児はりの手法を取り入れることがあります。

施術にかかる時間は?

お子様の症状や年齢、その日の体調によって異なりますが、一般的には5分~15分程度と非常に短時間です。これは、お子様の集中力や身体への負担を考慮したものです。

子供がじっとしていられないけど大丈夫?

おご安心ください。小さなお子様がベッドでじっとしているのは難しいものです。 その場合は、お母様やお父様に抱っこしていただいたままの姿勢で、リラックスした状態で施術を行います。無理強いすることは決してありません。

2.小児はりで改善が期待できる症状~疳の虫からアレルギーまで~

小児はりは、特に「疳の虫かんのむし」と呼ばれるお子様特有の様々な症状に対して、優れた改善効果が期待できます。皮膚への優しくリズミカルな刺激は、自律神経のバランスを整え、心身のリラックスを促します。その結果、夜泣きやかんしゃく、食欲不振といった症状が和らぐことが多くあります。

疳の虫かんのむし」とは?その具体的な症状

「疳の虫」とは、昔から日本で言い伝えられてきた、主に乳幼児期に見られる原因不明の不調や情緒不安定な状態を指す言葉です。現代医学的に解釈すると、自律神経の未発達やバランスの乱れ、精神的なストレス、環境の変化への不適応などが背景にあると考えられています。

【疳の虫の代表的な症状】

  • 夜泣きがひどい、眠りが浅い
  • 理由もなく不機嫌、イライラしやすい、怒りっぽい
  • キーキーと奇声(かん高い声)を上げる
  • ちょっとした物音にも過敏に驚く
  • 寝ているときに薄目を開けている、歯ぎしりをする
  • 顔色が悪い、眉間に青筋が立つ
  • 食欲がない、またはムラがある
  • 物を投げたり、噛みついたり、頭を打ちつけたりと行動が粗暴になる
  • 落ち着きがない、集中力がない

これらの症状は、お子様自身もつらく、また見守るご家族にとっても大きな悩みとなります。

夜泣きへのアプローチと自律神経との関連

小児はりの心地よい皮膚刺激は、お子様の緊張を効果的に緩和し、深いリラックス効果をもたらします。これにより、交感神経の高ぶりを鎮め、副交感神経を優位にすることで、夜間の睡眠の質が向上し、夜泣きの改善に繋がる可能性が高まります。
夜泣きの原因の一つとして、日中の興奮やストレスが夜間に影響し、自律神経のバランスが崩れることが挙げられます。小児はりは、この自律神経のバランスを穏やかに整えることで、夜泣きだけでなく、疳の虫の様々な症状の改善をサポートします。

その他、小児はりが対応できる主な症状

小児はりは、疳の虫以外にも、以下のようなお子様の様々な症状に対応できます。

  • 消化器系の不調
    下痢
    便秘消化不良食欲不振腹痛嘔吐
  • 呼吸器系の不調
    風邪をひきやすい鼻水鼻づまり鼻カタル)、慢性気管支炎小児喘息の体質改善サポート
  • アレルギー性疾患
    アトピー性皮膚炎湿疹蕁麻疹などの皮膚症状の緩和サポート
  • 泌尿器系の悩み
    おねしょ夜尿症
  • その他
    肩こり(意外と子供にもあります)、頭痛発熱時のケア虚弱体質の改善中耳炎や耳下腺炎の反復予防サポート結膜炎眼瞼炎など

上記以外の症状にも対応できる場合がありますので、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。

ひごころ治療院での施術実績

当院では、これまで多くのお子様方の疳の虫の症状をはじめとする様々な不調に対し、小児はりによる施術を行ってまいりました。経験豊富な鍼灸師が、お子様お一人おひとりの体質や症状、発達段階に合わせて、最適なツボを選び、最も効果的で心地よい施術を提供いたします。

3.子どもの成長と自律神経の重要性

自律神経とは?

自律神経とは、私たちの意思とは関係なく、24時間働き続けて生命活動を維持している非常に重要な神経システムです。呼吸、心臓の拍動、消化吸収、体温調節、睡眠と覚醒のリズム、免疫機能、ホルモン分泌など、身体のあらゆる機能を自動的にコントロールしています。

自律神経には、活動時に働く「交感神経」と、リラックス時や休息時に働く「副交感神経」の2種類があり、これらがバランスを取りながら働くことで、私たちは健康を維持しています。

子どもにおける自律神経の役割と特徴

お子様の自律神経は、生まれてから成長とともに徐々に発達していきます。しかし、特に乳幼児期や学童期前半はまだ未発達な状態にあり、些細なストレスや環境の変化(気温差、騒音、新しい環境など)、生活リズムの乱れなどの影響を受けやすく、バランスを崩しやすいという特徴があります。

この自律神経のバランスの乱れが、夜泣き、かんしゃく、食欲不振、便秘、アレルギー症状の悪化など、様々な心身の不調として現れることがあります。

小児はりの優しい皮膚刺激は、この未発達でデリケートな子どもの自律神経に穏やかに働きかけ、バランスを整えることで、心身の健やかな発育をサポートします。

4.ひごころ治療院の小児はり:施術の流れと特徴

ひごころ治療院では、お子様一人ひとりの個性と症状に合わせた、丁寧で優しい小児はりを心がけています。保護者の方にも安心して施術の様子をご覧いただけます。

丁寧なカウンセリングから施術まで

小児はりの施術は、まず丁寧なカウンセリングから始まります。子どもの症状や体質、生活習慣などを詳しくお伺いし、最適な施術プランを立てます。施術は、刺さない鍼などを用いて、皮膚を優しく刺激します。

  1. 【初回】カウンセリング(保護者の方とお子様ご一緒に)
    ・まず、保護者の方からお子様の現在の症状、気になっていること、普段の生活の様子(食事、睡眠、排泄、遊びなど)、既往歴、体質などを詳しくお伺いします。お子様にも優しく話しかけ、不安を取り除くよう努めます。
    ひごころ治療院では、この最初のコミュニケーションを非常に大切にしています。
  2. お身体の状態の確認
    お子様の顔色、皮膚の状態、お腹の様子などを優しく観察し、東洋医学的な観点からお身体の状態を把握します。無理強いすることはなく、お子様のペースに合わせて行います。
  3. 小児はり施術(約5分~15分)
    ・鍉鍼(ていしん)やローラー鍼といった「刺さない鍼」を使い、お子様の背中、お腹、手足などの皮膚を優しく撫でたり、リズミカルに刺激したりします。
    ・施術は非常にソフトで心地よく、多くのお子様がリラックスしたり、気持ちよさそうにしたりします。途中で眠ってしまうお子様もいらっしゃいます。
  4. アフターケアとアドバイス
    ・施術後のお身体の様子の変化や、ご家庭での過ごし方、食事や睡眠に関する簡単なアドバイスなどをお伝えします。
    ・次回の施術の目安や、ご不安な点についてのご質問にも丁寧にお答えします。
クルミ

5.小児はりを受ける際の注意点と安全性

初診のカウンセリングの重要性

小児はりの効果を最大限に引き出し、お子様に合った最適な施術を行うためには、初回のカウンセリングが非常に重要です。

保護者の方から詳しくお話を伺い、お子様の状態を正確に把握することで、より的確な施術プランを立てることができます。また、保護者の方の疑問やご不安を解消し、信頼関係を築くための大切な時間と考えています。

施術中の身体の反応

  • 施術中
    多くの子供たちは小児はりの心地よい刺激を好み、リラックスして施術を受けられます。中には気持ちよさからウトウトと眠ってしまうお子様もいます。
  • 施術後
    施術後に一時的に眠気を感じたり、いつもより少しだるそうにしたりすることがあります。これは身体が良い方向へ変化しようとしているサイン(好転反応の一種)であることが多く、通常は十分な休息をとることで自然に回復します。ご心配な場合は、遠慮なくご連絡ください。

小児はりの安全性とリスクについて

小児はりは、前述の通り皮膚に刺さない鍼(鍉鍼、ローラー鍼など)を使用するため、非常に安全性が高い施術です。痛みや感染症の心配はほとんどありません。

しかし、ごくまれに、皮膚が敏感なお子様の場合、施術部位に一時的な赤みやかゆみなどが生じることがあります。これらも通常はすぐに治まりますが、万が一気になる症状が出た場合は、速やかにご相談ください。

ひごころ治療院では、施術前に必ず丁寧な説明を行い、お子様の皮膚の状態なども確認しながら、常に安全に細心の注意を払って施術を行います。

6.小児はりが受けられる新丸子・武蔵小杉の鍼灸院「ひごころ治療院」のご紹介

当院の特徴と実績

ひごころ治療院は、新丸子・武蔵小杉エリアで、地域のお子様方とそのご家族の健康をサポートするため、小児はりに力を入れて取り組んでいます。

院長をはじめとする経験豊富な鍼灸師が、お子様お一人おひとりの体質や症状、発達段階に合わせた、きめ細やかで優しい施術を心がけています。

これまでも、夜泣き、疳の虫、アトピー性皮膚炎、便秘、風邪をひきやすいといった多くのお子様の症状改善をお手伝いし、たくさんの笑顔を見てまいりました。

アクセスについて

当院は、東急東横線・目黒線「新丸子駅」西口から徒歩約4分、JR「武蔵小杉駅」からも徒歩圏内と、ベビーカーやお子様連れでもアクセスしやすい便利な場所にございます。

-> 詳しいアクセス情報は こちら

院長の資格と経験

院長は、はり師・きゅう師の国家資格を保有しており、長年にわたり鍼灸臨床に携わってまいりました。特に小児はりに関しては、専門的な知識と豊富な施術経験を有し、お子様と保護者の方に安心して治療を受けていただけるよう、日々研鑽を積んでおります。

7.患者様の声:口コミと体験談

疳の虫が落ち着きました(3歳 女の子のママより)
イヤイヤ期も重なり、かんしゃくが酷くキーキー声を出すことも多かった娘ですが、小児はりを始めてから少しずつ落ち着きが出てきました。先生が優しく接してくださるので、娘も嫌がらずに通えています。

アトピーのかゆみが和らいだようです(5歳 男の子のママより)
アトピー体質で、特に季節の変わり目にかゆみが強くなるのが悩みでした。小児はりと自宅でのお灸を続けるうちに、掻きむしることが減り、肌の状態も少しずつ良くなってきたように感じます。

夜泣きが改善しました!(1歳 男の子のママより)
生後半年から夜泣きがひどく、親子で睡眠不足の日々でした。知人に勧められてひごころ治療院の小児はりを試したところ、3回目の施術後くらいから夜中に起きる回数が減り、1ヶ月後には朝までぐっすり眠れるように!本当に感謝しています。

ご家族の声

「先生が子どもの扱いにとっても慣れていて、安心して任せられました。」

「刺さない鍼なので、子どもも全く怖がらず、むしろ気持ちよさそうでした。」

「院内が清潔で、子ども向けの絵本なども置いてあり助かります。」

8.ご予約・ご相談について

ひごころ治療院の小児はりは、予約優先制となっております。お子様の体調や症状についてのご相談だけでも結構です。どんな些細なことでも、まずはお気軽にお問い合わせください。

9.子どもの健やかな成長のために~パパ・ママができる大切なこと~

小児はりは、お子様の不調を和らげ、健やかな成長をサポートする有効な手段の一つですが、日々の生活習慣も非常に大切です。東洋医学では、心と身体は一体(心身一如)と考え、生活全体のバランスを重視します。

小児の不調の背景にあるもの

お子様の不調は、生まれ持った体質が影響することもありますが、多くの場合、後天的な生活環境や生活習慣が大きく関わっています。特に「食事」「睡眠」「運動」のバランス、そして「呼吸」や「精神的なストレス」への配慮が重要です。

バランスのよい食事をする子供
  • 食事について
    • バランスの良い食事が基本です。好き嫌いを少しずつ克服し、様々な食材を経験させてあげましょう。
    • 砂糖の多いお菓子やジュース、添加物の多い加工食品の摂りすぎは、腸内環境を悪化させ、免疫力の低下やアレルギー症状、情緒不安定などに繋がる可能性があります。
    • 冷たいものの摂りすぎは身体を内側から冷やし、消化機能を低下させます。
よく寝ている女の子
  • 睡眠について
    • 年齢に応じた十分な睡眠時間を確保しましょう。睡眠は、身体と脳の休息だけでなく、成長ホルモンの分泌や免疫機能の維持にも不可欠です。
      • 乳児(~1歳未満):約11~12時間
      • 幼児(1~3歳未満):約10~11時間
      • 学童期(3~6歳未満):約9~10時間
      • 小学生・中学生:約9時間
    • 規則正しい生活リズムを心がけ、21時頃までには就寝できると理想的です。寝る前のスマートフォンやタブレットの使用は控えましょう。
  • 運動について
    • 適度な運動や外遊びは、体力向上、筋力発達、ストレス発散、そして質の良い睡眠にも繋がります。身体を動かすことで熱が生まれ、免疫力も高まります。
    • 運動不足は身体を冷やし、体力の低下や姿勢の悪化を招くことがあります。
  • 呼吸について
    • 鼻から吸って鼻から出す「鼻呼吸」を意識させましょう。口呼吸は、冷たく乾燥した空気が直接気道に入りやすく、身体を冷やしたり、感染症のリスクを高めたりします。
  • ストレス・家庭環境について
    • 子どもたちは大人が思う以上に家庭の雰囲気や家族関係に敏感です。家族間の言い争いや保護者の方の過度なストレスは、お子様にとって大きな精神的負担となります。
    • 穏やかで安心できる家庭環境を整え、お子様がのびのびと自己表現できるような関わりを大切にしましょう。

ひごころ治療院の小児はりは、これらの生活習慣の改善と合わせて行うことで、より一層その効果を発揮し、お子様の健やかな心身の発育を力強くサポートいたします。