慢性甲状腺病

慢性甲状腺病

甲状腺の病気の症状
鍼灸による体質改善と症状緩和

「最近、急に暑がりになった、
または寒がりになった…」
「理由もなくイライラしたり、
逆に気分が落ち込んだりする…」
「動悸がする、疲れやすい、
体重が急に変わった…」

その原因不明の不調、もしかしたら首の付け根にある「甲状腺こうじょうせん」の働きが関係しているかもしれません。

甲状腺の病気は、特に女性に多く見られ、多彩な症状を引き起こします。

この記事では、代表的な甲状腺の病気であるバセドウ病甲状腺機能亢進症)や橋本病慢性甲状腺炎)などの原因や症状、そして東洋医学に基づく鍼灸治療がどのようにそのつらい症状を和らげるお手伝いができるのかを詳しく解説します。

【目次】

  1. 甲状腺の病気とは?~その原因と様々な症状~
    • 甲状腺の働きと首の腫れ(甲状腺腫)
    • 甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)の症状
    • 甲状腺機能低下症(橋本病など)の症状
    • 【重要】 まずは専門医による診断を(何科に行くべき?)
  2. 甲状腺の不調に対する鍼灸治療
  3. ひごころ治療院でのご相談

1.甲状腺の病気とは?
~その原因と様々な症状~

甲状腺の働きと首の腫れ(甲状腺腫)

甲状腺

甲状腺は、のどぼとけの両脇にある蝶々のような形をした小さな臓器で、身体の新陳代謝を活発にする「甲状腺ホルモン」を分泌しています。このホルモンは「元気ホルモン」とも呼ばれ、体温調節、心臓の働き、精神活動など、私たちの活動に不可欠な役割を担っています。

甲状腺の病気の症状のうち、最も分かりやすいのは、首が腫れる「甲状腺腫こうじょうせんしゅ」です。しかし、甲状腺の腫れはよほど大きくならない限り、ご自身では気づきにくいことが多いです。

【甲状腺腫の簡単な確認の目安】
甲状腺は、喉頭(のどぼとけ)の下、気管の両側に位置します。唾を飲み込んだ時に、甲状腺も一緒に上下に動くのが特徴です。動かないしこりは、リンパ節の腫れなど他の原因であることが多いです。 甲状腺腫には、全体が均一に腫れる「びまん性甲状腺腫」と、一部がしこりのように腫れる「結節性甲状腺腫」があります。

甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)の症状

甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまうのが甲状腺機能亢進症で、その代表的な病気がバセドウ病です。 元気ホルモンが過剰になるため、身体が常にアクセルを踏み続けているような状態になります。

主な症状

  • 動悸、息切れ、脈が速くなる
  • 暑がりになり、汗をたくさんかく
  • 手が震える
  • 体重が減少する(たくさん食べるのに痩せる)
  • イライラしやすくなる、落ち着きがなくなる、精神的に不安定になる
  • 疲れやすい、全身の倦怠感
  • 眼球が突出する(バセドウ病に特有の症状)
  • 下痢をしやすくなる
  • 脱毛

甲状腺機能低下症(橋本病など)の症状

逆に、甲状腺ホルモンの分泌が不足してしまうのが甲状腺機能低下症で、その代表的な病気が橋本病慢性甲状腺炎)です。 身体の代謝が全体的に低下し、活動が鈍くなります。

主な症状

  • 寒がりになる
  • 身体がむくむ(特に顔や手足)、体重が増加する
  • 皮膚が乾燥し、カサカサする
  • 無気力、眠気、だるさ、物忘れが多くなる
  • 脈が遅くなる
  • 便秘しやすくなる
  • 声がかすれる
  • 脱毛

【重要】まずは専門医による診断を
(何科に行くべき?)

甲状腺の病気は、放置すると心臓に負担をかけたり、重篤な状態(甲状腺クリーゼなど)に陥ったりすることもあります。 上記の症状に心当たりがある場合は、自己判断せずに、必ず速やかに医療機関(内科、内分泌内科、代謝内科)を受診し、血液検査などでホルモンの値を調べ、正確な診断を受けることが最も重要です。

特にバセドウ病は女性に多く、遺伝的な要素も関わるといわれています。ご家族にバセドウ病の方がいる場合は、定期的な検診をお勧めします。早期に発見すれば、多くの場合、薬物療法などで良好にコントロールできる病気です。

ひごころ治療院の鍼灸治療は、これらの医師による診断と治療を基本とした上で、慢性化し、症状が一応安定した状態にある方の体質改善や、つらい症状の緩和をサポートすることを目的としています。

動悸
冷え症
更年期障害

2.甲状腺の不調に対する鍼灸治療

鍼灸治療の役割
体質改善と症状緩和のサポート

鍼灸治療は、甲状腺ホルモンの分泌異常に伴う様々な不快な症状に対して、以下のようなアプローチで効果を発揮します。

  • 自律神経のバランス調整
    甲状腺ホルモンの乱れと密接に関わる自律神経のバランスを整え、動悸、発汗、イライラ、不眠などの症状を和らげます。
  • 免疫機能の調整
    バセドウ病や橋本病は自己免疫疾患の一種と考えられています。鍼灸は、身体全体の免疫バランスを整える手助けをします。
  • 内臓機能の調整(心・肝・腎)
    東洋医学では、甲状腺の不調を「しん」「かん」「じん」といった臓腑の機能失調と捉えます。関連するツボを刺激し、これらの働きを整えます。
  • 血行促進と筋緊張緩和
    首や肩周りの血行を改善し、こりやだるさを軽減します。

甲状腺ケアに効果が期待できる主要なツボの例

後ろ首 「天柱てんちゅう
耳裏  「翳風えいふう
背部  「大椎だいつい」、「心兪しんゆ」、「肝兪かんゆ
    「腎兪じんゆ
頸部  「人迎じんげい」、「天突てんとつ」、「気舎きしゃ
腹部  「膻中だんちゅう」、「巨闕こけつ」、「中脘ちゅうかん
    「肓兪こうゆ」、「関元かんげん
足部  「足三里あしさんり
手部  「合谷ごうこく

  1. まず、うつ伏せの状態で、首の後ろにある「天柱」、「翳風」を処置します。
  2. その後、背中の「大椎」、「心兪」、「肝兪」、そして腰の「腎兪」を刺激します。体力を向上させるために、腰の「命門めいもん」も処置に加えることがあります。
  3. 次に、仰向けになっていただき、首の前側にある「人迎」を優しく刺激します。続けて「気舎」、「天突」も刺激します。
  4. さらに、胸の「膻中」、腹部の「中脘」、「肓兪」、「関元」などを、お身体の状態に合わせて刺激します。
  5. 最後に、仕上げとして、手足のツボである「足三里」や「合谷」と「曲池きょくち」などを刺激し、全身の気血の巡りを整えます。

これらの治療は、東洋医学でいう心・肝・腎の機能を正し、循環機能と全身の筋緊張を是正し、あわせて全身のエネルギー循環を調整することで、患者様の過敏な反応を鎮め、身体を安定させることを目的としています。

特有の症状へのアプローチ
「汗をかき過ぎる場合」

バセドウ病の症状の一つである多汗や、自律神経の失調による発汗過多に対しては、特別なアプローチを加えます。

  • 東洋医学の考え方
    東洋医学では「肺は皮毛ひもうつかさど」といい、肺の機能は皮膚の状態や汗のコントロールと深く関係すると考えられています。
  • アプローチ
    • 脳の機能を整える「百会ひゃくえ」や、気分を安定させる「天柱」、「風池ふうち」を刺激します。
    • 肺機能を整えるため、背中にある「肺兪はいゆ」の処置が重要になります。
    • 肺の気が集まる胸のツボ「中府ちゅうふ」も、注意深く刺激します。
    • 肺と表裏一体の関係にある大腸の働きを整える手の「合谷」も刺激すると、一層効果的です。
    • 肺経の原穴(重要なツボ)である手首の「太淵たいえん」も、肺機能全体を調節するために処置します。

3.ひごころ治療院でのご相談

甲状腺の病気は、専門医による適切な管理が不可欠です。その上で、鍼灸治療を併用することで、薬だけではコントロールしきれない様々なつらい症状を和らげ、心身のバランスを整え、QOL(生活の質)を向上させるお手伝いができます。

ひごころ治療院では、あなたの症状と体質に真摯に向き合い、最適な治療をご提案いたします。どうぞお気軽にご相談ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です