肝臓病

アネモネ

肝の機能低下の症状 ー東洋医学による治療法

症状

肝の機能低下での症状・・・関節痛、精力減退など

肝の機能低下の症状

東洋医学では、「肝腎かなめ」という言葉があるように、人間の内臓のうち、肝の臓と腎の臓の機能を治療の大切な目安にしています。

肝の臓は、現代医学の解剖学でいう肝臓と多少違って、東洋医学の肝臓はもう少し幅広い役割を持っており、筋肉の働きも司るといわれていて、全身筋肉の機能を調整する重要な臓腑の一つであります。

また、「肝胆相照らす」という言葉もありますが、肝の臓胆の腑は、お互いに相補い合って人間の健康を保つ機能を果たしています。

東洋医学でいう臓腑型がそのままの形で実在しているとは考えられないですが、少なくとも人間の生命現象を有機的、総合的にとらえ、病気というものを人間の体の乱れと考えますと、この乱れからくる様々な症状がもたらした病人の体力や抵抗力の衰えに視点をおいて、肝の病の治療を考えます。

治療は、肝の臓腎の臓、さらに肝の臓胆の腑の機能と関連を重視し、肝の病ではこれらに関係があるツボを選択します。

鍼灸治療

主要なツボ

肝では背中の「肝兪」とお腹の「期門
胆では背中の「胆兪」とお腹の「日月
腎では腰部の「腎兪」とお腹の「肓兪

を治療します。

その他、腹部の「巨闕」や「大巨」、足の「太衝」、「蠡溝」なども重要なツボになります。

治療法

灸治療を行う場合、「肝兪」、「胆兪」、「腎兪」、「期門」、「日月」、「肓兪」を重点的に刺激します。透熱灸として米粒大のもぐさを1ヶ所3~5壮、1日1回、3週間続けて、1週間休むというローテーションで、回復するまで根気よく続けます。知熱灸でも十分効果があります。

また、足の「太衝」、「蠡溝」も肝臓の病には欠かせないツボで、鍼灸治療をすると治療の効果が促進されます。「太衝」は肝経の原穴(五臓六腑の病気に応じて反応が出るところ)で、肝臓の働きを司るエネルギーの通路の原点と考えます。「蠡溝」は肝経の絡穴(疾病の際に反応のよく現れるところ)で、このツボから胆経へ連なる支流が出ており、両者の機能を円滑にする役目をします。

体からのSOS

寝ていても疲れがとれない・・・肝臓の疲れ

前日の疲れは、普通は睡眠でリセットされます。しっかり睡眠時間がとれているのに疲れが残るなら、疲れを処理する体のシステムに問題があるからです。

疲れの処理に大きな役割を果たすのは肝臓です。肝臓はからだ中から集めたゴミを分解、解毒するところ、つまりは巨大なゴミ処理工場であります。

体は、食事でエネルギーを取り入れ、活動して消費し、その結果としてゴミを出します。肝臓を酷使しすぎますと、ゴミの処理がうまくいできず、処理が滞って、体のあちらこちらに少しずつ蓄積します。そうして、疲れやだるさなどの不調が出できます。

そのまま肝臓をフル稼働させ続ければ、いつかはパンクして、肝炎や脂肪肝、肝硬変、そして肝臓がんへと進行する可能性があります。寝ても疲れがとれないと感じるなら、積極的に肝臓を休ませる必要があります。

肝臓を上手に休ませるコツは、必要以上に仕事を与えないことに尽きます。肝臓の負担といえば、アルコールの分解というイメージがありますが、実は、お酒だけの問題だけではありません。1日の必要なカロリーを超えた分は、余分なエネルギーとして肝臓が処理することになる、と覚えておきましょう。

例えば、米などの糖質は肝臓でグリコーゲンに変わり、更に余った分は脂肪へと変えられます。食べた脂も肝臓で脂肪酸になります。飲み過ぎはもちろん、食べ過ぎも肝臓に負担がかかるのです。

食事や飲酒の量をおさえることは大事ですが、その回数も重要になります。何かを口にすることは、少なからず肝臓を働かせることになります。いくら食事量を減らしても、ダラダラと間食をしていますと、肝臓は休まることができません。

疲れているときは、思い切って1日食事を抜くようにすれば工場の稼働を抑えられるのでお勧めです。

なお、肝臓向けの健康食品やサプリメントもありますが、それらも結局は肝臓が処理するので、摂り過ぎには注意します。

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