眠けの原因 と対策ー自律神経のバランスを整える
症状
眠けは、一般的には疲労からくる症状と考えていいでしょう。元々人間の体は非常にうまくできていて、疲れてくると必ず眠くなります。疲労回復には睡眠が最良の薬なので、疲れてまぶたが重くなるのは、一種の自己防衛本能といえます。
しかし、睡眠を十分にとっているにもかかわらず、なお眠くなるとすれば、過労からくる自律神経の障害が考えられます。
自律神経は交感神経と副交感神経の二つに分かれていますが、昼間は交感神経の働きが活発になり、咽頭や気管を開き、呼吸状態、筋肉、血管、内臓、器官などを、人間の活動に最適の条件に整えます。夜になりますと、副交感神経の動きが高まり、咽頭や気管が狭まり、呼吸や心臓の働きがゆるやかになって眠くなります。
ところが、疲労の蓄積やストレスによって、この自律神経のバランスが崩れることがあります。この状態は、自律神経失調症と呼ばれ、昼間でもやたら眠くなるのが。その症状の一つになります。
つまり、寝つくとか目覚めるというのは、交感神経の働きと副交感神経の働きの切り替え点のことであるから、眠けを取り除くには、副交感神経が交感神経に切り替わるスイッチチェンジを活発にすればいいわけであります。
そのためには、自律神経を活発にするツボ、すなわち、五臓の中の循環器系、消化器系、呼吸器系、泌尿器系、ホルモン系を司るツボを整えることが治療の目標になります。
鍼灸治療
主要なツボ
頭部 「百会」、「完骨」
頚部 「天柱」、「風池」
背部 「大椎」、「肺兪」、「膈兪」、「肝兪」、「三焦兪」、「腎兪」
腹部 「巨闕」、「中脘」、「肓兪」
手部 「合谷」、「手三里」、「内関」
足部 「足三里」、「太渓」、「三陰交」、「湧泉」
などが主なツボどころです。
治療法
頭・頚部のツボをしっかりと刺激します。これらのツボを刺激することによって、胸の機能が回復して、交感神経の活動が促進されます。
次いで、背中、お腹、手、足と施術します。
手のツボの「合谷」は眠け防止の名穴です。ここを刺激しますと、文字通りハッと目が覚めてしまうほど痛さを感じて、効果は抜群であります。また、「手三里」は交感神経の働きを高めるために、「内関」は親指で押すとジーンと背中までこたえる痛みを覚えるツボで、仕事中などでに眠けを催したときに、「合谷」と組み合わせて応用すると眠けがなくなる便利なツボです。
足では、「足三里」、「三陰交」、「太渓」が眠けによく効くツボです。加えて、足底の「湧泉」を刺激しますと、自律神経の働きを活発にするツボとして眠け予防に応用します。
メモ
上記のツボから選んで、鍼灸治療をしますと、神経バランスがよくなって、早い人なら数日後にも効果があらわれて、昼間の眠けが解消すると同時に、夜はぐっすりと寝られるようになり、朝の目覚めも爽快になります。
朝の寝覚めの悪さに「百会」と「天柱」
朝の目覚めの悪いときの特効穴は「百会」と「天柱」であります。布団に入ったままでもいいので、両手の人差し指と中指をそろえて「百会」をグッと押し、さらに「天柱」を「百会」の方へ向かって指先で小さな円を描くようにしてもみます。
また、目覚めが悪いときは、胃腸の調子も悪いことがあるので、大きく息を吐きながら、両手を重ねて、ゆっくり押し込むように指圧をしますとすっきりします。
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