てんかん

てんかん

てんかんの症状と原因
鍼灸による体質改善サポート

「てんかんの発作への不安を
少しでも和らげたい」
「薬物療法と合わせて、

体質から見直すケアを取り入れたい」
「発作に伴う身体のこわばりや冷えなどの

不調を改善したい」

てんかんは、脳の神経細胞の過剰な興奮によって、繰り返し発作が起こる慢性の病気です。西洋では古くから「神聖病」や、時に「悪魔の病気」などと呼ばれ恐れられてきましたが、近年では治療法が進歩し、多くの方が発作をコントロールしながら日常生活を送っています。しかし、ご本人やご家族にとって難しい病気であることには変わりありません。

この記事では、てんかんの基本的な知識、そして東洋医学に基づく鍼灸治療が、薬物療法を補完する形でどのように心身のバランスを整え、発作が起こりにくい身体づくりをサポートできるのかについて、詳しく解説します。

【目次】

  1. てんかんとは?~その原因と様々な発作のタイプ~
    • てんかんのメカニズムと発作の種類
    • てんかんの主な原因(真性てんかん・症候性てんかん)
    • 発作の誘因と遺伝との関係
  2. 【重要】専門医による診断と薬物療法の継続
  3. てんかんに対する鍼灸治療
  4. 発作を予防するための生活習慣と食事
  5. 鍼灸治療に関するQ&A~よくあるご質問~

1.てんかんとは?
~その原因と様々な発作のタイプ~

てんかんのメカニズムと発作の種類

てんかんとは、脳の神経細胞(ニューロン)が過剰に興奮し、その電気的な活動が異常に広がることによって、繰り返し「てんかん発作」が引き起こされる慢性の脳の病気です。 通常、脳の神経細胞は互いに興奮と抑制のバランスを保っていますが、何らかの原因でこのバランスが崩れると、発作が誘発されると考えられています。

発作の症状は、脳のどの部分で異常な興奮が起こるかによって異なり、人によって様々です。

  • 全般発作(脳全体が同時に興奮するタイプ)
    • 強直間代発作きょうちょくかんだいほっさ
      多くの方が「てんかん発作」としてイメージするもので、突然意識を失って全身が硬直(強直相)し、その後、手足がガクガクとけいれん(間代相)します。発作後、しばらく意識が朦朧とすることがあります。
    • 欠神発作けっしんほっさ
      特に小児に多く見られ、数秒から数十秒間、意識が途絶えて動作が止まります。周囲からは「ぼーっとしている」「話を聞いていない」ように見えることがあります。
  • 部分発作(焦点発作)(脳の一部から興奮が始まるタイプ)
    • 単純部分発作
      意識は保たれたまま、体の一部(手や足、顔など)がけいれんしたり、感覚異常(しびれ、チカチカする光が見えるなど)が現れたりします。発作の前に特有の前兆(オーラ)を感じることもあります。
    • 複雑部分発作
      意識が変容し、一点を見つめたり、口をもぐもぐさせたり、服をいじったりといった無意識な行動(自動症)が見られます。発作中の記憶はありません。

てんかんの主な原因
(真性てんかん・症候性てんかん)

てんかんは、その原因によって大きく2つのタイプに分類されます。

  1. 真性てんかん(特発性てんかん)
    現在の医療技術では、原因が特定できないてんかんです。遺伝的な要因が関与している可能性も指摘されていますが、詳細はまだ解明されていません。比較的軽度の環境変化や刺激によって発作が誘発されやすい、生まれ持った素因が関係しているとも言われています。
  2. 症候性てんかん
    脳の明らかな病変や障害が原因で引き起こされるてんかんです。
    • 原因の例
      出生時の脳の酸素不足、頭部外傷、脳腫瘍、脳炎・髄膜炎などの感染症、脳卒中(脳梗塞・脳出血)、アルツハイマー病などの神経変性疾患など。
    • 中年以降に初めててんかんを発症する場合の多くは、この症候性てんかんに該当します。

発作の誘因と遺伝との関係

  • 発作の誘因
    過労、睡眠不足、精神的ストレス、飲酒、発熱、強い光の点滅刺激(光過敏性発作)などが、発作を引き起こすきっかけ(誘因)となることが知られています。特に飲酒は、アルコールが抜けて覚醒する時間帯に発作を引き起こしやすいとされています。
  • 遺伝との関係
    一部のてんかんには遺伝的な要因が関与していると考えられており、ご家族にてんかんを持つ方がいる場合、そうでない方に比べて発症リスクがやや高くなることが知られています。しかし、必ず遺伝するわけではなく、単純な遺伝病とは異なる複雑な形式をとることが多いです。
不眠症

2.【重要】専門医による診断と
薬物療法の継続

てんかんの治療の基本は、神経内科や脳神経外科、精神科といった専門医による正確な診断と、それに基づく適切な薬物療法(抗てんかん薬の内服)です。 自己判断で薬を中断したり、量を調整したりすることは、重篤な発作を引き起こす可能性があり、非常に危険です。

東洋医学に基づく鍼灸療法は、あくまでてんかんそのものを完全に治癒させることを目的とするのではなく、この西洋医学的な治療を補完し、発作が起こりにくい身体づくりをサポートするためのものです。 薬物療法と併用することで、発作の頻度を減らしたり、発作時間を短縮したり、あるいは薬の副作用を軽減したりといった効果が期待されています。

3.てんかんに対する鍼灸治療

ひごころ治療院では、医師の治療方針を最大限に尊重しながら、鍼灸治療を通じて脳の過剰な興奮を鎮め、心身をリラックスさせ、てんかんと上手に付き合っていくためのお手伝いをいたします。

鍼灸治療の目的と期待できる効果

  • 発作頻度の減少・発作時間の短縮サポート
  • 心身のリラックス効果と精神安定
  • 自律神経のバランス調整
  • てんかんに伴う諸症状の緩和(例:頭痛、肩こり、手足の冷え、不眠など)
  • 薬の副作用の軽減サポート
  • 自然治癒力を高め、体質を改善する

実際に、鍼灸治療によって発作の回数が減ったり、発作の持続時間が短くなったり、以前よりもリラックスして過ごせるようになったという症例も報告されています。

てんかんケアに効果が期待できる
主要なツボの例

てんかんのタイプや体質に合わせて、以下のツボを中心に施術します。

頭部  「百会ひゃくえ」、「前頂ぜんちょう」、「後頂ごちょう
後ろ首 「天柱てんちゅう」、「風池ふうち
背中  「肺兪はいゆ」、「心兪しんゆ
腰部  「三焦兪さんしょうゆ」、「腎兪じんゆ
腹部  「中脘ちゅうかん」、「大巨だいこ
手部  「曲池きょくち
足部  「足三里あしさんり」、「三陰交さんいんこう

具体的な鍼灸治療法

東洋医学では、「てんかん」の「てん」が頭のてっぺんを、「かん」がひきつけの発作を意味するとされ、その漢字の通り、ツボ治療は頭部に重点を置くことが基本となります。

  1. 頭部のツボへのアプローチ
    まず、頭頂部にある「百会」、「前頂」、「後頂」といったツボに、鍼やお灸で刺激を加えます。これらのツボは、脳の興奮を鎮め、精神を安定させる効果が期待できます。
  2. 全身調整のためのツボ
    • 背中や腰にある「心兪」、「肝兪かんゆ」、「脾兪ひゆ」、「腎兪」などで、五臓のバランスを整えます。
    • 手足がこわばる、のけぞるような発作(強直発作)を伴う場合には、外くるぶしの前下方の「金門きんもん」というツボを加えます。
    • てんかんの方は手足の冷えを伴うことも多いため、背中、腰、足のツボへの刺激は、身体の冷えを取り除く上でも効果的です。
  3. 便秘の改善
    便秘をすると、てんかんの発作を誘発することがあります。そのため、お腹の「中脘」、「大巨」を中心とした刺激で、胃腸の働きを整え、便通を良くすることも非常に大切な治療となります。
便秘の原因と対策。鍼灸治療と生活改善で スッキリ快適な毎日へ。

施術の方法

てんかんの治療には、鍼と灸の両方が最も有効です。 お灸灸治療)は、中切りもぐさ(米粒大より少し大きめ)を使い、各ツボに1日5~7壮すえることを基本としますが、患者様の状態に合わせて調整します。

4.発作を予防するための生活習慣と食事

てんかんの治療は、薬物療法や鍼灸治療だけでなく、日々の生活習慣が非常に重要です。

  • 規則正しい生活と十分な睡眠
    睡眠不足や過労は、発作の大きな誘因となります。規則正しい生活を送り、十分な睡眠時間を確保して、心身の過労を避けましょう。
  • 便秘の予防
    便秘も発作に悪影響を及ぼすことがあります。便意を感じたら我慢せず、必ず排便する習慣をつけましょう。
  • バランスの取れた食事
    食事は腹八分目を心がけ、野菜や海藻類を積極的に食べて、便秘を防ぎましょう。 香辛料などの刺激物はなるべく少なくし、肉類、砂糖、脂肪の多いものは、できるだけ摂らないようにすることが望ましいです。
  • 飲酒・喫煙は厳禁
    てんかん患者様にとって飲酒は厳禁です。アルコールは発作を引き起こすケースが非常に多いです。また、リスクを減らす意味で、タバコも避けるべきです。

5.鍼灸治療に関するQ&A
~よくあるご質問~

鍼灸治療に期待できることは何ですか?

てんかんという病気そのものを完治させるのではなく、発作の頻度を減らす、発作の時間を短くする、発作に伴う身体のこわばりや不調を和らげる、薬の副作用を軽減する、精神的にリラックスする、といったことを目的とした補助的な治療として大変役立ちます。

鍼は痛くないですか?

ひごころ治療院では、髪の毛ほどの細い鍼を使用し、痛みを最小限に抑えた優しい施術を心がけています。不安な点は遠慮なくご相談ください。

てんかんとの向き合い方は人それぞれですが、鍼灸療法は、症状の緩和だけでなく、患者様の心に安らぎをもたらす可能性を秘めています。西洋医学的な治療と並行して、鍼灸治療を検討してみるのも一つの選択肢かもしれません。

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