顔のけいれん

顔のけいれんの原因と治療法 ー鍼灸治療で改善!

顔のけいれん は、顔の筋肉の動きを司る顔面神経の機能が過剰になることで、目や口の周りの筋肉が不随意に収縮するために起こります。多くの場合、痛みは伴いません。顔面神経は、顔の皮膚と一体になった筋肉を伸縮させることで、豊かな表情を作り出す重要な役割を担っています。

【目次】

1.顔のけいれんの原因と症状
2.顔のけいれんの鍼灸治療
 ・主要なツボ
 ・治療法
 ・治療での注意点
 ・顔がピクピクけいれんする場合

顔のけいれんの原因と症状

顔には三叉神経顔面神経の二つの神経がめぐっています。

三叉神経は、痛さ、温かさ、冷たさなどを感じるもので、この神経が侵されると鋭い痛みが起こります。

顔面神経は、顔の筋肉の運動を支配していますが、この神経が侵された場合は、顔が能面のように麻痺する顔面神経麻痺がおこるほかに、顔の皮膚がピクピクする顔面けいれんが起こります。

顔の皮膚は、体の他の皮膚と異なり筋肉と一体になっています。そのため、顔の筋肉を伸縮する顔面神経の働きによって、筋肉と同時に皮膚も伸縮させ、様々な表情を作り出すことができます。

顔のけいれんは、その大事な顔面神経の機能の高ぶり、目や口の周りの筋肉を適当に調整することができないために起こります。その際、痛みを伴うことがあります。

頭が痛い人の挿絵

原因が特定できない顔のけいれんや痛みは、更年期の女性に多く見られる傾向があります。顔のけいれんとして頻度が高いものには、三叉神経痛や生殖器系の疾患による反射的なもの、そして精神的な緊張や感情的な興奮を背景とした心身症の一症状として現れるものなどが挙げられます。

反射的なけいれんに対しては、鍼灸治療と専門医による治療を併用することが推奨されます。特に目の周りの筋肉(眼輪筋)のけいれんには、まぶたが閉じたままになる強直性タイプと、ピクピクと閉じたり開いたりする間代性タイプがあります。後者の場合、一時的に症状が落ち着いても習慣化する可能性があるため注意が必要です。

鍼灸治療

主要なツボ

顔のけいれんには、

睛明せいめい」、「四白しはく」、「顴髎けんりょう
下関げかん」、「地倉ちそう」、「翳風えいふう

などを用います。

痛みを伴う場合には、

後ろ首の 「天柱てんちゅう」、「風池ふうち
肩の   「肩井けんせい」、「曲垣きょくえん
首の前の 「人迎じんげい
顔の   「攅竹さんちく」、「陽白ようはく」、「大迎だいげい

などを加えます。

治療法

治療は、まず首から肩にかけての緊張を和らげることから始められます。具体的には、「天柱」、「風池」、「曲垣」などのツボを刺激します。次に、顔のどの筋肉がけいれんしているかを確認し、それぞれの部位に対応するツボを刺激します。

  • 目の周りのけいれん
    目頭の「睛明」、眉の内側の「攅竹」、眉の外側の「瞳子髎どうしりょう」、目尻の「糸竹空しちくくう
  • 頬のけいれん
    頬の「顴髎」、「下関
  • 唇のけいれん
    四白」、「地倉」、「翳風」、「承漿しょうしょう

治療での注意点

治療の際には、首筋や顔などをマッサージしたり、ホットタオルで温めてから施術を行うと効果的です。マッサージは、首筋は耳の下から喉へ向かって、顔面は内側から外側へ向かって行います。

灸治療は、顔に痕を残さずに症状を和らげることができるため、温灸や知熱灸、ニンニク灸、ショウガ灸などが用いられます。

顔がピクピクけいれんする場合

もし顔の筋肉がピクピクとけいれんして痛む場合の応急処置としては、耳たぶの下にある「翳風」と耳の前方にある「下関」の二つのツボを、親指で少し強めに5秒程度押しもむことを数回繰り返すと、けいれんが鎮まることがあります。

顔のけいれんの原因は多岐にわたるため、症状が続く場合や悪化する場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。

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