のどの痛みを緩和する鍼灸の効果
原因・症状とツボで改善
「風邪をひくと、いつも喉から痛くなる…」
「喉のイガイガや異物感がなかなか取れない…」
「つばを飲むのもつらいほどの痛みがある…」
のどの痛みは、日常生活で誰もが経験する不快な症状ですが、その原因は様々です。主な原因は風邪やインフルエンザなどのウイルス感染ですが、ストレスによる首や肩の筋肉の緊張、乾燥なども痛みを引き起こすことがあります。この記事では、喉の痛みが起こる様々な原因と症状、そして東洋医学に基づく鍼灸治療がどのようにそのつらさを和らげるのか、ご家庭でできるセルフケアと合わせて詳しく解説します。
【目次】
1.のどの痛み、その原因と症状は?
風邪に伴うのどの痛み(急性咽頭炎・喉頭炎)

のどの痛みの原因として最も一般的なのが、いわゆる“のど風邪”の状態である急性咽頭炎です。
- 主な症状
- 咽頭(のどの奥)の乾燥感、イガイガとした異常感
- 空咳
- 物を飲み込むときに痛みを感じる(嚥下痛)
- 原因
風邪ウイルスの感染が主ですが、乾燥した空気を吸い続けたり、アルコールの飲みすぎ、タバコの吸いすぎなどでも起こります。
咽頭炎に引き続き、あるいは同時に喉頭炎が起こることもよくあります。この場合は、上記の症状に加えて、声がかすれたり(嗄声)、声が出なくなったりする症状が加わります。 これらの炎症が慢性化すると、常に喉頭部に異物感や、かゆいような不快感が続くことがあります。
強い痛みを伴う急性扁桃炎
のどの痛みが特に強くなるのが急性扁桃炎です。
- 主な症状
- 38~40℃の高熱
- 悪寒(寒気)やふるえ
- 頭痛、関節痛
- 強い全身の倦怠感
- つばを飲み込むのもつらいほどの、のどの激しい痛み
急性扁桃炎をしばしば繰り返していると、慢性扁桃炎に移行しやすくなります。 さらに、慢性扁桃炎は、腎炎(IgA腎症など)やリウマチ熱、関節リウマチ、心臓疾患(心内膜炎など)といった全身の病気を併発(病巣感染)することがあるため、注意が必要です。
その他の原因と注意すべき病気
上記以外にも、のどが痛くなる病気には、喉頭結核、ジフテリア、喉頭がんなど、専門的な治療が必須な重篤な疾患もあります。 また、むち打ち症など首の骨や筋肉の異常が原因となるものや、三叉神経痛、自律神経失調症の一症状としてのどに痛みや違和感(ヒステリー球など)が現れることもあります。
強い痛みが続く、高熱が出る、呼吸が苦しい、声が全く出ないといった症状がある場合は、自己判断せずに必ず速やかに医療機関(耳鼻咽喉科、内科など)を受診し、適切な診断と治療を受けてください。
2.のどの痛みに対する鍼灸治療
ひごころ治療院の鍼灸治療は、以下のような喉の痛みに対して、特に効果を発揮しやすいと考えられています。
- 首や肩のこりが原因となっている喉の不快感
- 自律神経失調が原因である場合(特に心身症や神経症などからくる喉の違和感や痛み)
- 扁桃炎などの炎症性の症状(薬物療法と並行して、のどの痛みを軽減し、全身症状を和らげるサポートとして)
- 風邪のひき始めの喉の痛み
症状緩和に効果が期待できる主要なツボの例
のどの痛みのタイプや体質に合わせて多くのツボを使い分けますが、代表的なものには以下のようなツボがあります。
具体的な鍼灸治療法とアプローチ
- 慢性扁桃炎でお悩みの方へ
日常的に「合谷」と「孔最」に鍼灸治療を行うと、扁桃が腫れにくくなるなど、体質改善に非常に有効です。 - 神経症による喉の異物感(ヒステリー球など)には
「のどに何か詰まっている感じがする」「ものが飲みにくい」といった症状(特に更年期前後の女性に多い)には、精神を安定させる効果のある頭頂部の「百会」や首の「天柱」、「風池」をしっかり刺激します。さらに、胸の「膻中」、手の「合谷」「尺沢」、足の「三陰交」といった、神経症状を和らげる働きのあるツボを組み合わせて治療します。
3.ご家庭でできる!
のどの痛みを和らげるセルフケアと
養生法
鍼灸治療の効果を高め、早期回復を促すためには、ご家庭での養生も大切です。
のどの痛みを和らげる食事
- 消化が良く、温かいものを中心に摂りましょう。(例:おかゆ、うどん、野菜スープなど)
- 唐辛子などの香辛料や、過度に熱いもの・冷たいものは、喉の粘膜を刺激するため控えましょう。
- 喉を潤す効果のある食材もおすすめです。
- はちみつ
殺菌作用と保湿作用が期待できます。お湯や紅茶に溶かして。 - 大根
消炎作用があるとされます。大根あめや、すりおろして。 - 梨、かりん
喉の炎症を鎮め、潤いを与えます。
- はちみつ
- 免疫力向上に役立つビタミンCを豊富に含む果物(柑橘類、キウイなど)や野菜を積極的に摂るのも良いでしょう。
ストレス緩和と生活習慣のポイント
- ストレスは免疫力を低下させる大きな要因です。のどに不調がある時は、できるだけ心身ともにリラックスできる時間を持つことが大切です。
- 適度な運動や趣味の時間、質の高い睡眠を確保することも重要です。
簡単なセルフケア(うがい・ツボ刺激)
- こまめなうがい
喉の乾燥を防ぎ、ウイルスや細菌を洗い流すために効果的です。うがい薬だけでなく、生理食塩水(ぬるま湯にひとつまみの塩を溶かす)や、殺菌作用のある緑茶なども利用できます。 - 加湿
空気が乾燥していると喉の粘膜も乾燥し、痛みを悪化させます。加湿器を使用したり、濡れタオルを干したりして、室内の湿度を適切に保ちましょう。 - 首を温める
蒸しタオルやネックウォーマーなどで首周りを温めると、血行が良くなり、痛みが和らぐことがあります。 - ツボ刺激
- 合谷
手の甲、親指と人差し指の骨が交わる手前のくぼみ。 - 尺沢
肘を曲げた時にできる横じわの上、親指側にある太い腱の外側のくぼみ。 - 天突
喉元のくぼみ。 これらのツボを、気持ち良いと感じる程度の強さで優しく指圧したり、温めたりするのも良いでしょう。
- 合谷
声がれ(嗄声)がある場合の特別ケア
声がれは、風邪などの炎症によって声帯が腫れたり、分泌物が絡んだりして起こることが多いです。
- 特効穴「水突」
喉仏の横、首を横に向けた時に浮き出る太い筋肉(胸鎖乳突筋)の前側の縁にあります。このツボを、指で挟むようにして優しく指圧します。軽く刺激するのがコツです。 ご家庭では、つまようじを20本ほど束ねて、その先端でこのあたりを優しくトントンと叩くように刺激するのも良いでしょう。 - 肺の機能を整えるツボ
東洋医学では「声は肺と深い関係がある」と考えます。背中の「肺兪」、胸の「中府」、腕の「孔最」などを指圧して、肺の機能を整えます。 - 活力を高めるツボ
仕上げに、お腹の「肓兪」を刺激して、身体の活力を高めます。 - 最も重要な養生法
声がれの場合、治療と合わせて「声を使わない(沈黙)」こと、そして「うがい」で喉を清潔・保湿することが、何よりの薬となります。










