生理不順

生理不順

生理不順の原因と治療法
ホルモンバランスの乱れを
鍼灸で整える

「生理周期がバラバラで予測できない…」
「数ヶ月も生理がこなくて不安…」
「以前より生理の量が変わった気がする…」

そんな生理不順のお悩み、抱えていませんか?

女性の身体は、約1ヶ月に1回、卵巣から卵子を排出(排卵)します。それに合わせ、子宮内膜は受精卵を迎えるために厚くなりますが、受精しなかった場合、準備した子宮内膜は不要となり、はがれて体外に排出されます。これが生理月経)です。

この一連のプロセスには、脳からの指令を伝えるホルモンと、栄養や酸素を運ぶ「血液」が不可欠です。しかし、心身にストレスや疲労、寝不足、過労などがあると、脳が疲弊してホルモンの指令がうまく出せなくなったり、身体に「血液」を全身に巡らせる余裕がなくなり、生理のために十分な「血液」を回すことができなくなったりします。

その結果、 「生理周期がバラバラで予測できない…」 「数ヶ月も生理がこなくて不安…」 「以前より生理の量が変わった気がする…」 といった、生理不順のお悩みにつながってしまうのです。

女性の身体は非常にデリケートで、まさにこうした精神的なストレスや生活習慣の乱れが、ホルモンバランスに影響を与え、生理不順を引き起こします。 このページでは、生理不順が起こる原因や様々な症状、そして東洋医学に基づく鍼灸治療がどのようにその改善をサポートできるのか、詳しく解説します。

【目次】

  1. 生理不順とは?~その原因と様々な症状~
    • 生理不順の定義と正常な生理周期
    • 生理不順を引き起こす主な原因(ストレス・生活習慣・ホルモンバランス)
    • 生理不順の様々なタイプ(頻発月経・稀発月経・無月経など)
    • 治療の基本的な考え方:ホルモンバランスの正常化
  2. 生理不順に対する鍼灸治療
  3. 生理不順の改善と予防のための生活習慣とセルフケア

1.生理不順とは
~その原因と様々な症状~

生理不順の定義と正常な生理周期

生理不順とは、月経(生理)の周期や期間、経血量などが正常な範囲から外れている状態を指します。 女性の正常な生理周期は、一般的に25日~38日程度で、排卵があってから約2週間後に次の生理が始まるのが普通です。しかし、この周期が乱れ、月経がいつ起こるか予測できない状態が生理不順です。

生理不順を引き起こす主な原因
(ストレス・生活習慣・ホルモンバランス)

女性の生理は、脳の間脳かんのうという部分にある視床下部ししょうかぶ下垂体かすいたいからの指令によってコントロールされるホルモン(卵胞ホルモン・黄体ホルモンなど)の複雑なバランスの上に成り立っています。 間脳は、情緒や自律神経の働きも支配しているため、以下のような要因が間脳の機能に影響を与え、ホルモンバランスを乱し、生理不順を引き起こしやすくなります。

  • 精神的なストレス
    心配事、悩み、環境の変化(進学、就職、引っ越しなど)、予期せぬ出来事による精神的ショックなど。
  • 生活習慣の乱れ
    • 栄養不足や偏った食事
      過度なダイエットや不規則な食事。
    • 睡眠不足
      慢性的な寝不足や質の悪い睡眠。
    • 過労
      身体的・精神的な疲れの蓄積。
  • 身体的な要因
    • 急激な体重変動
      短期間での大幅な体重増加や減少。
    • 激しい運動
      プロのアスリートなどに見られることがあります。
    • 婦人科系の疾患
      多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、甲状腺機能の異常、高プロラクチン血症などが原因となることもあります。
笑顔の素敵な女性

間脳の下垂体前葉から分泌されるホルモンは、卵巣からの卵子の正常な排卵を促しますが、このホルモンの分泌が順調でなくなると、排卵がうまくいかず、結果として生理不順が起こるのです。 時には、正常に排卵がある時期と、排卵がない時期(無排卵周期)が混在することもあります。

生理不順の様々なタイプ
(頻発月経・稀発月経・無月経など)

生理不順には、以下のような様々なタイプがあります。

  • 頻発月経ひんぱつげっけい
    生理周期が24日以内と短く、月に何度も生理が来るような状態。
  • 稀発月経きはつげっけい
    生理周期が39日以上と長く、2~3ヶ月に一度しか生理が来ないような状態。
  • 過長月経かちょうげっけい
    生理の出血期間が8日以上と長く続く状態。
  • 過短月経かたんげっけい
    生理の出血期間が2日以内と短い状態。
  • 過多月経かたげっけい
    経血量が非常に多い状態。
  • 過少月経かしょうげっけい
    経血量が極端に少ない状態。
  • 無月経むげっけい
    3ヶ月以上(または妊娠可能年齢で18歳になっても初経がない場合など)生理が全くない状態。

治療の基本的な考え方
ホルモンバランスの正常化

生理不順の根本的な治療は、その原因となっているホルモン分泌の異常を正し、バランスを整えることです。 そのためには、鍼灸治療によって身体の内側から調子を整えるとともに、栄養バランスの取れた食事を摂り、質の高い睡眠を確保し、ストレスを上手にコントロールするなど、精神面・肉体面の両方から安定した状態を目指すことが非常に重要になります。

月経困難症 (生理痛)
子宮筋腫
冷え症

2.生理不順に対する鍼灸治療

ひごころ治療院では、東洋医学の考え方に基づき、お一人おひとりの体質や生理不順のタイプを見極め、ホルモンバランスを整え、健やかな月経周期を取り戻すためのお手伝いをいたします。

鍼灸が生理不順に効果的な理由

  • ホルモンバランスの調整サポート
    脳の視床下部や下垂体の働きかけ、卵巣機能を整えることで、女性ホルモンの分泌バランスを穏やかに調整する効果が期待できます。
  • 自律神経の調整
    ストレスや生活習慣の乱れからくる自律神経のアンバランスを整え、心身のリラックスを促します。
  • 血行促進と「冷え」の改善
    骨盤内や下腹部の血流を促進し、子宮や卵巣の機能を高めるとともに、生理不順の大きな原因となる「冷え」を改善します。
  • 気血の巡りの改善
    東洋医学でいう「(エネルギー)」と「けつ(血液とその働き)」の滞りを改善し、全身のバランスを整えます。
  • 体質改善による根本アプローチ
    生理不順を単なる症状としてだけでなく、その方の体質(例:腎虚、肝鬱、気滞血瘀、脾虚など)のアンバランスの現れと捉え、根本的な体質改善を目指します。

生理不順ケアに効果が期待できる
主要なツボの例

生理不順のタイプや体質に合わせて多くのツボを使い分けますが、代表的なものには以下のようなツボがあります。

腰部 「腎兪じんゆ
臀部 「上髎じょうりょう」、「次髎じりょう」、「中髎ちゅうりょう
   「下髎げりょう」、「胞肓ほうこう
腹部 「気海きかい」、「関元かんげん」、「中極ちゅうきょく
足部 「築賓ちくひん」、「三陰交さんいんこう」、「太渓たいけい

具体的な鍼灸治療法
(鍼と灸の組み合わせ)

生理不順の治療には、特に腰のあたりに集中しているツボが重要となります。

基本的な施術の流れ

  1. まず、腰部・臀部にある「腎兪」、「上髎」、「次髎」、「中髎」、「下髎」、「胞肓」といったツボを中心に刺激します。
    • 腎兪」は、東洋医学で「先天の元気(生まれ持った生命エネルギー)」を司るとされ、生殖機能やホルモンバランスと深く関わります。
    • 必要に応じて、三焦兪さんしょうゆ(「後天の元気(食事などから得るエネルギー)」を司り、全身の気血水の巡りを調整)や、志室ししつ命門めいもん(骨盤内の変調を正し、身体を温める)といったツボも加えます。
    • 上髎」、「次髎」、「中髎」、「下髎」のいわゆる八髎穴はちりょうけつや「胞肓」は、婦人科系のあらゆる疾患に効果を示すとされる重要なツボ群です。
  2. 次に、お腹の「気海」、「関元」、「中極」といったツボを刺激します。これらは下腹部を温め、気血の巡りを良くし、子宮や卵巣の機能を高める働きがあります。
  3. 足のツボでは、「築賓」、「三陰交」、「太渓」などを刺激し、特に下半身の冷えを取り除きます。冷えが強い場合には、「復溜ふくりゅう」を加えると、一層効果的です。

症状に合わせた
お灸(灸治療)のポイント

お灸は、身体を温め、気血の流れを促し、ホルモンバランスを整えるのに非常に効果的です。 米粒程度の大きさのもぐさを1カ所に3壮ずつ、1日おきにすえるのが基本的な方法ですが、症状によって用いるツボや頻度を調整します。

  • 生理が遅れがち、または経血量が少ないタイプの方へ
    • 頭の「百会ひゃくえ、背中の肝兪かんゆ、腰の腎兪」、「次髎、お腹の期門きもん」、「関元、足の陰陵泉いんりょうせん」、「三陰交さんいんこう」などに、米粒大のもぐさでお灸をします。これらは身体を温め、血を補い、気の巡りを良くする働きがあります。
  • 生理が早まりやすい、または経血量が多いタイプの方へ
    • 背中の「脾兪ひゆ」(血を統括する働き)、お腹の「中脘ちゅうかん」、「大巨だいこ」(消化器系を整える)、足の「中都ちゅうと」(肝の働きを調整し、出血を抑える)などを中心にお灸をします。

治療期間の目安

生理不順の鍼灸治療は、体質を根本から改善し、ホルモンバランスを整えていくことを目的とするため、ある程度の期間、継続して治療を受けることが基本となります。 一般的には、通常2~3ヶ月以上の治療期間を目安として、身体の変化を見ながら進めていきます。

3.生理不順の改善と予防のための
生活習慣とセルフケア

鍼灸治療と合わせて、日々の生活習慣を見直し、ご自身でもできるケアを取り入れることで、生理不順の改善と予防をより効果的に進めることができます。

  • バランスの取れた食事
    身体を作る基本です。特定の食品に偏らず、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルをバランス良く摂取しましょう。特に、鉄分や亜鉛、良質な脂質(青魚など)、大豆製品(イソフラボン)などを意識的に摂るのも良いでしょう。身体を冷やす食べ物(冷たい飲み物、生野菜、南国の果物など)の摂りすぎには注意が必要です。
  • 質の高い睡眠
    睡眠中にホルモンバランスは整えられます。毎日同じ時間に寝起きするなど、規則正しい睡眠習慣を心がけ、十分な睡眠時間を確保しましょう。寝る前のスマートフォン操作は避け、リラックスできる環境を整えましょう。
  • 適度な運動
    ウォーキングやヨガ、ストレッチなど、無理のない範囲で身体を動かす習慣は、血行を促進し、自律神経を整え、ストレス解消にも繋がります。
  • ストレスマネジメント
    自分に合ったリラックス法(趣味、音楽鑑賞、深呼吸、瞑想など)を見つけ、ストレスを溜め込まないようにしましょう。
  • 身体を冷やさない
    特に下腹部や腰、足首を冷やさないように、服装や入浴などで工夫しましょう。夏場の冷房対策も重要です。
  • 基礎体温の記録
    基礎体温を毎日記録することで、排卵の有無やホルモンバランスの状態を把握する手がかりとなり、治療効果の確認にも役立ちます。

ご家庭でできるツボ刺激(セルフケア)

  • 三陰交
    内くるぶしの最も高いところから指幅4本分上がった、すねの骨の後ろの際。婦人科系の万能ツボとも言われ、優しく押したり温めたりすると良いでしょう。
  • 関元・気海
    おへその下にあるこれらのツボを、手のひらで優しく温めるようにマッサージするのも効果的です。

※セルフケアはあくまで補助的なものです。症状が改善しない場合や、不安な場合は専門家にご相談ください。

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