子宮筋腫

子宮筋腫の症状緩和と鍼灸治療の効果 ー 東洋医学でつらい症状にアプローチ

子宮筋腫

「子宮筋腫と診断されたけれど、手術以外の方法も探している…」
「月経過多や不正出血、生理痛がつらくて…」
「筋腫による不快な症状を少しでも和らげたい…」

子宮筋腫は、多くの女性が経験しうる良性の腫瘍ですが、その大きさや位置によっては、様々なつらい症状を引き起こすことがあります。

このページでは、子宮筋腫によって現れる可能性のある症状と、その症状緩和を目指す東洋医学に基づく鍼灸治療のアプローチについて、分かりやすく解説します。

【目次】

  1. 子宮筋腫とは?~主な症状と医療機関での対応~
    • 子宮筋腫でみられる主な症状
    • 【重要】 まずは専門医の診断と適切な治療を
    • 鍼灸治療の役割:症状緩和のサポート
  2. 子宮筋腫の症状緩和に対する鍼灸治療

1.子宮筋腫とは?~主な症状と医療機関での対応~

子宮筋腫でみられる主な症状

子宮

子宮筋腫は、子宮の壁にできる良性の腫瘍(こぶ)です。 子宮筋腫自体に特有の「これがあれば必ず筋腫」という症状はありませんが、一般的に以下のような自覚症状が現れることがあります。

  • 月経過多(生理の出血量が多い)
  • 不正性器出血(生理以外の出血)
  • 生理痛(月経困難症)の悪化
  • 貧血(月経過多に伴う)とめまい、立ちくらみ
  • 下腹部痛、腰痛
  • 腹部の圧迫感、膨満感
  • 頻尿、便秘(筋腫が膀胱や直腸を圧迫する場合)

ただし、小さい筋腫や、できる場所によっては、全く自覚症状がないことも少なくありません。健康診断や他の目的での婦人科受診で偶然見つかるケースも多くあります。

【重要】まずは専門医の診断と適切な治療を

子宮筋腫と診断された場合、あるいはその疑いがある場合は、必ず婦人科などの専門医を受診し、正確な診断(筋腫の大きさ、数、位置など)と、それに基づいた適切な治療方針(経過観察、薬物療法、手術など)について指導を受けることが最も重要です。 自己判断で放置したり、民間療法のみに頼ったりすることは避けてください。

鍼灸治療の役割:症状緩和のサポート

ひごころ治療院の鍼灸治療は、子宮筋腫そのものを小さくしたり、消したりすることを直接的な目的とはしていません。

私たちの鍼灸治療は、主に子宮筋腫に伴って現れる様々なつらい症状(月経過多、生理痛、腰痛、冷え、貧血症状など)を和らげること、そして身体全体のバランスを整え、体質を改善することで、患者様のQOL(生活の質)を向上させることにポイントを置いています。

医師による治療と並行して、あるいは経過観察中の方の体調管理として、鍼灸治療を補完的に活用いただくことをお勧めしています。

2.子宮筋腫の症状緩和に対する鍼灸治療

鍼灸治療が子宮筋腫の症状に期待できること

東洋医学に基づく鍼灸治療は、身体全体のバランスを整えることで、子宮筋腫に伴う様々な不快な症状の緩和を目指します。

  • 血行促進と瘀血おけつ改善
    骨盤内や下腹部の血流を促進し、東洋医学でいう「瘀血(滞った悪い血)」の状態を改善することで、生理痛や月経過多の緩和をサポートします。
  • ホルモンバランスの調整サポート
    全身の気血の流れを整えることで、乱れがちな女性ホルモンのバランスを穏やかに調整するのを助けます。
  • 痛みの緩和
    鍼刺激には鎮痛効果があり、子宮筋腫による下腹部痛や腰痛を和らげます。
  • 自律神経の調整とリラックス効果
    ストレスや不安は症状を悪化させることがあります。鍼灸は自律神経のバランスを整え、心身をリラックスさせます。
  • 「冷え」の改善
    お灸などを活用し、身体を芯から温めることで、婦人科系の不調の大きな原因となる「冷え」を改善します。

症状緩和に効果が期待できる主要なツボの例

子宮筋腫に伴う症状や体質に合わせて多くのツボを使い分けますが、代表的なものには以下のようなツボがあります。

腰部 「腎兪じんゆ」、「次髎じりょう」、「胞肓ほうこう
腹部 「期門きもん」、「関元かんげん」、「天枢てんすう
   「大巨だいこ
足  「血海けっかい」、「陰陵泉いんりょうせん」、「三陰交さんいんこう
   「太衝たいしょう

これらのツボは、骨盤内の血流を改善し、ホルモンバランスを整え、痛みや不快感を和らげる効果が期待できます。

具体的な鍼灸治療法(鍼と灸の組み合わせ)

基本的な施術アプローチ

  1. まず、腰部と腹部のツボを中心に刺激を加えます。これらの部位は、子宮や卵巣と関連が深く、東洋医学的にも気血の滞りや冷えが現れやすい場所です。
  2. 便秘の症状がある場合は、特に左側の「大巨」(おへその外側下方にあるツボ)の周辺を入念に刺激し、腸の動きを促します。
  3. 次に、足にある「血海」(血の巡りを良くする)、「陰陵泉」(水分代謝を整える、冷えにも効果的)、「三陰交」(婦人科系の万能ツボ)、「太衝」(ストレス緩和、気の巡りを良くする)といったツボを刺激し、全身のバランスを整えます。

随伴症状への対応(便秘・冷え・筋緊張など)

  • 足腰に強い冷えがある場合や、腰の筋肉の緊張が著しい場合には、鍼灸施術の前に、蒸しタオルやホットパックなどで腰部を心地よく温める温罨法おんあんぽうを行うと、血行が促進され、鍼灸の効果がより高まることが期待できます。
お灸(灸治療)の活用

子宮筋腫に伴う症状の緩和、特に冷えや痛みの改善には、お灸も非常に効果的です。

  • 施灸する主なツボ
    腎兪」、「次髎」、「胞肓」(腰仙部)、「関元」(下腹部)、「三陰交」、「太衝」(足部)などを中心に、米粒大または半米粒大の小さなお灸を、1カ所につき3~5壮程度行います。
  • 心地よい温熱刺激
    ひごころ治療院では、火傷の痕が残りにくい、心地よい温かさのお灸を基本としていますので、初めての方でも安心して受けていただけます。

ひごころ治療院では、お一人おひとりの症状や体質、ライフスタイルを丁寧にお伺いし、最適な治療計画をご提案いたします。つらい症状を我慢せず、ぜひ一度ご相談ください。

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