寝違え の原因と鍼灸による効果的な改善策
寝違え は、無理な姿勢で寝たため、頚部の筋肉や筋膜の炎症、気が付かない範囲の軽い風邪、頚椎に何か病気があるときや、クーラーの冷風が急激にあったときなどに症状が起こります。正式には「急性疼痛性頸部拘縮(きゅうせいとうつうせいけいぶこうしゅく)」といいます。

この場合、頸筋の後ろ両側にある僧帽筋、胸鎖乳突筋、あるいは後ろ首の生え際、つまり、ぼんのくぼから耳の後ろのところまで触ってみます。すると、硬直しきった硬い筋肉に触るか、指で軽く押さえただけでもひどく痛むところが見つかります。
症状が軽ければ、痛みはかたまり状に触れますが、重いときには、筋肉全体が痛んで硬くなっています。つまり、寝違えで最も侵される筋肉は、僧帽筋と胸鎖乳突筋であります。長時間同じ姿勢のままでいたり、急激に冷やされたりして筋肉が縮み、血流の流れが悪くなり、痛みを起こす結果となります。
そこで、寝違えを治すには縮んだ筋肉を緩め、血管を広げて、血のめぐりをよくしなければいけません。
長い間治らないものは、頚椎の他の疾患、例えば腫瘍や炎症、痙症またはリンパ性斜頸などを考える必要があります。
【目次】
1.寝違えが発生するメカニズムと主な原因
2.寝違えの症状と首のしこり・筋肉の緊張について
3.寝違えの鍼灸治療と効果
4.寝違えの鍼灸治療
・主要なツボ
・治療法
・治療後の注意点
・治療中に避けるべき姿勢と負担のかけ方
・寝違えの家庭療法
5.寝違えを防ぐための効果的な予防法
寝違えが発生するメカニズムと主な原因
寝違えは、睡眠中に不自然な姿勢を長時間続けることで、首や肩の筋肉が過度に伸ばされたり、圧迫されたりすることで起こります。主な原因としては、以下のものが挙げられます。
寝違えを悪化させる生活習慣をチェック
以下の生活習慣は、寝違えを悪化させる可能性があります。
寝違えたような痛みを感じる際の注意点
寝違えと似たような痛みでも、重篤な疾患が隠れている場合があります。以下のような症状が見られる場合は、医療機関を受診しましょう。
寝違えの症状と首のしこり・筋肉の緊張について
寝違えの症状は、痛みだけでなく、首のしこりや筋肉の緊張を伴うことがあります。症状別に見る注意ポイント、首にできるしこりや痛みの正体、そして筋肉や神経への負担が引き起こすリスクについて解説します。
寝違えの症状別に見る注意ポイント
首にできるしこりや痛みとその正体
寝違えによってできる首のしこりは、筋肉の炎症や腫れ、筋肉の繊維化などが原因と考えられます。痛みを伴う場合は、炎症が起きている可能性があります。
筋肉や神経への負担が引き起こすリスク
寝違えを放置すると、筋肉や神経への負担が大きくなり、以下のようなリスクがあります。
寝違えの鍼灸治療と効果
鍼灸治療は、寝違えによる痛みや筋肉の緊張を緩和する効果が期待できます。鍼灸施術の効果と改善が期待できる仕組み、そして当院で提供する寝違えのための鍼灸治療について解説します。
寝違えの鍼灸治療
鍼灸治療では、鍼や灸を用いてツボを刺激することで、筋肉の緊張を緩和し、血行を促進します。これにより、痛みを軽減し、自然治癒力を高める効果が期待できます。
主要なツボ
などがポイントになります。
治療法
治療前に首筋の緊張をほぐすために、首用ホットパックや蒸しタオルなどで、首を10分ほど温めます。
最初に、「天柱」、「風池」などの刺激します。
次に「天容」、「気舎」を刺激します。
後頭部が強く痛む場合は、「天柱」、「風池」をしっかりと刺激します。
首の治療を終えたのちに、「肩井」などを刺激して、首から肩にかけての緊張をほぐします。
最後に、背中の治療に移ります。背中の緊張部分をほぐします。「膏肓」には強い反応があることが多いです。
同じ寝違えでも、首を反対側に回すと、首前のひきつるような痛みが起こることがあります。このようなときは、上向きで寝て、熱めの蒸しタオルを耳の後ろから横首、喉へと置いて10分ほど温めます。首を反対側に少し曲げ、耳の後ろから鎖骨の内側に向かって、親指と人差し指で軽くなで、軽くつまむように上げてもみます。
次に、横首で耳の下の「天容」、「天鼎」、喉の「気舎」のツボを刺激します。これらのツボの下には、総頚動脈、内頚動脈など、頭に行く大切な血管があるので、慎重に刺激します。
治療後の注意点
治療の後、首を左右に曲げたり、大きく回す運動をしたりして、痛みが出ない程度に行ないますと、効果が増します。
治療中に避けるべき姿勢と負担のかけ方
寝違えの家庭療法
ヘアドライヤーで首を温める
寝違えて首が痛いときは、まず後ろ首にある太い筋肉と、耳の後ろから前首にある胸鎖乳突筋を触りますと、硬く筋張って押すと跳び上がるほど痛いところがあります。この緊張した筋肉を緩めるつもりで、ドライヤーなどを利用して熱風を送りますととても効果があります。気持ちいい程度の熱さがいいでしょう。
寝違えを防ぐための効果的な予防法
寝違えを繰り返さないためには、日頃からの予防が大切です。毎日の姿勢改善で負担を軽減する方法、ストレッチで寝違えを防ぐ日常ケア、そして睡眠環境を見直して寝違えのリスクを減らす方法について解説します。
後ろ首 「天柱」、「風池」、「天容」
肩 「肩井」
首の前 「気舎」
背中 「膏肓」