顔の麻痺

症状

夏の暑い日、うっかり扇風機をかけっぱなしでうたた寝をしてしまい、目が覚めたら、顔が強ばり笑うことが出来ない、ということがあります。これは顔の神経麻痺といい、顔が長時間冷やされたり、心身の疲労が続いたりしたときに、顔の表情筋にめぐっている顔面神経の機能が鈍って起こる症状で、顔面神経麻痺といいます。東洋医学では「口眼過斜」といいます。

顔半分に起こった軽い麻痺なら2週間くらいたつと自然に治りますが、人目にさらす機会が多い顔のことなので、一刻も早くこのような症状は治したいと思うのは人情であります。

東洋医学は、このような症状をとり除くのに効果的であります。とりわけ、一過性に片側の顔面の表情が消失する突発性顔面神経麻痺は最も効を奏します。

顔面神経麻痺の原因が、中枢性疾患(脳出血、髄膜炎など)や中毒などであれば、専門医の治療に一任することが望ましいです。特に、顔全体が左右両方とも全く能面のようになってしまったという場合には、脳の中枢の病気が原因であるので、専門医の守備範囲になります。

しかし、実際に多いのは感冒や寒冷によって起こる突発性顔面神経麻痺で、このような場合は、ツボを刺激すると麻痺した神経の興奮を高め、筋肉の栄養を改善し、血流が盛んになります。

鍼灸治療

主要なツボ

前頭部   「神庭」、「頭維」
眉の内側端 「攅竹」
眉の外側端 「糸竹空」
目尻の内端 「睛明」
目尻の外端 「瞳子髎」
目の下   「四白」
頬骨のきわ 「下関」
耳の前   「聴宮」
唇の斜め下 「大迎」
口角のきわ 「地倉」
耳の下   「翳風」

などを用います。

治療法

重症であれば上記のツボを用いて鍼灸治療を行ないますが、それほど重症ではないときは、顔を蒸しタオルで5分くらい温湿布をして、顔の筋肉に沿ってマッサージや指圧の治療をします。額の前頭筋や眼輪筋、笑筋、口輪筋を対象にゆっくりとマッサージをします。その後、耳から顎に向かい、強い力ではなく、リズミカルに、皮膚をこすらずマッサージをします。

一通り終えたら、顔の表情筋の運動を行います。笑う、目を閉じる、額にしわを作る、頬をふくらます、口を八の字に結ぶ、下あごを下げるなどいろいろな表情をして、筋肉の運動訓練をします。この運動は、自宅でも行い、朝晩1回5分~10分くらい続けるようにします。

顔面麻痺で目が開きっぱなしなると、ゴミが入り、感染が起こりやすくなるため、目の後ろから後頭にかけて痛むことがあります。このようなときは、「瞳子髎」、「睛明」、「陽白」を処置します。自宅では洗眼をします。

歯と頬の間に物がつまるようなときには、頬の筋肉をゆるめるような刺激をして、「四白」、「聴宮」、「下関」、「地倉」などを処置します。

メモ

顔面神経麻痺には、低周波療法も効果があります。これは直流を真空管回路に入れて断続させるか、家庭用100ボルト電流の交流をマルチバイブレーターによって一定の周波の矩形波、棘波を発振させて、生体に通電する療法であります。

低周波通電を行いますと、筋、神経を刺激し、麻痺を起こしている筋肉を収縮させ、血流増加作用などがみられ、顔面神経麻痺をとり除きます。

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