脚気

脚気

脚気の原因と対策
鍼灸治療でつらい症状を改善

「最近、足がしびれたり、
ピリピリ痛んだりする…」
「理由もなく、
足が重だるくて疲れやすい…」
「動悸や息切れが気になる…」

その不調、もしかしたら「脚気かっけ」かもしれません。 脚気といえば、昔の病気というイメージがあるかもしれませんが、実は現代の偏った食生活によって、再び注目されつつあるビタミンB1欠乏による疾患です。

この記事では、現代における脚気の原因とその症状、そして東洋医学に基づく鍼灸治療によるアプローチや、根本的な改善に不可欠な食事療法について詳しく解説します。

【目次】

  1. 現代に蘇る「脚気」とは?~その原因と主な症状~
    • なぜ今、脚気になるのか?(ビタミンB1欠乏のメカニズム)
    • 脚気の代表的な症状
    • ご自身でできるセルフチェックの目安(膝蓋腱反射テスト)
  2. 脚気に対する鍼灸治療
  3. 根本改善の鍵!ビタミンB1を多く含む食事

1.現代に蘇る「脚気」とは?
~その原因と主な症状~

なぜ今、脚気になるのか?
(ビタミンB1欠乏のメカニズム)

最近、特に若い男性を中心に、足のむくみを伴う多発性神経炎の症例が報告され、詳しく調べた結果、それらが脚気によるものであることが分かってきました。 かつては国民病として恐れられていた脚気ですが、その原因がビタミンB1の欠乏であると判明してからは、今日の日本ではもう起こらない病気だと思われていました。

では、食糧事情が豊かな現代において、なぜ脚気が再び発生しているのでしょうか? その大きな要因は、偏った食生活にあるといわれています。

清涼飲料水やインスタント食品、お菓子など、糖質の豊富な食べ物や飲み物を過剰に摂取すると、その糖質を体内でエネルギーに変えるために、ビタミンB1が大量に消費されてしまいます。 その結果、相対的なビタミンB1欠乏状態に陥り、身体の代謝に異常が起こるのです。 これにより、足がしびれたり、ピリピリと痛んだり、足が重く感じられたりするといった、脚気の代表的な末梢神経の症状が出現します。

脚気の代表的な症状

脚気の症状は、神経系の症状だけでなく、循環器系の症状を伴うこともあります。

  • 神経系の症状(末梢神経障害)
    足のしびれ、ピリピリとした痛み
    足のだるさ、重さ、脱力感
    感覚が鈍くなる
  • 循環器系の症状
    動悸、息切れ
    足のむくみ(浮腫)
  • その他の特徴
    ふくらはぎをつかむと強い痛み圧痛)がある。
    ・進行すると、心不全(衝心脚気)などを引き起こし、命に関わることもあります。

脚気の治療は、原因であるビタミンB1不足を解消する食生活の改善が基本となります。 鍼灸治療は、それによって引き起こされているつらい諸症状を取り除き、身体全体の機能を整えることを目的とします。

ご自身でできるセルフチェックの目安
(膝蓋腱反射テスト)

脚気の手がかりの一つとして、「膝蓋腱反射しつがいけんはんしゃテスト」があります。

膝蓋腱反射テスト
  • 方法
    1. 少し高めの椅子に座り、足を床から浮かせてブラブラさせます。
    2. 膝のお皿のすぐ下、2~3cmほど下の部分(膝蓋腱)を、金づちの柄や手刀などで軽くポンと叩きます。
  • 反応の見方
    • 正常な場合
      反射的に足が前に勢いよくピョンと上がります。
    • 脚気の疑いがある場合
      足の上がりが弱かったり、ほとんど上がらなかったりします。(反射の減弱・消失)

この反射が見られない場合は、脚気の可能性を考慮する一つの目安となります。

2.脚気に対する鍼灸治療

鍼灸治療が脚気の症状に期待できること

東洋医学では、脚気を全身の機能失調と捉え、鍼灸治療を通じてこれらの失調を改善し、代謝機能の正常化をサポートします。

  • 症状の緩和
    鍼や灸の刺激により、しびれや痛み、だるさ、むくみといったつらい症状を和らげます。
  • 血行促進
    滞っている手足の血流を改善し、神経や筋肉に栄養を供給します。
  • 内臓機能の調整
    東洋医学でいう「脾」や「腎」「心」といった、代謝や循環に関わる臓腑の働きを整えます。
  • 自然治癒力の向上
    身体が本来持つバランスを取り戻す力を高め、症状の根本的な改善を目指します。

症状緩和に効果が期待できる主要なツボの例

脚気の症状や体質に合わせて、以下のツボを中心に施術します。

頭頚部 「天柱てんちゅう」、「風池ふうち
背中  「心兪しんゆ」、「膈兪かくゆ」、「筋縮きんしゅく
腰部  「三焦兪さんしょうゆ」、「腎兪じんゆ
胸部  「膻中だんちゅう
腹部  「中脘ちゅうかん」、「大巨だいこ」、「関元かんげん
    「水分すいぶん
手部  「曲池きょくち」、「合谷ごうこく
足部  「足三里あしさんり」、「地機ちき

具体的な鍼灸治療法

  1. まず、「天柱」、「風池」といった首のツボや、背中にある「心兪」、「膈兪」、「肝兪かんゆ」、「三焦兪」、「腎兪」といったツボにアプローチします。これらのツボは、全身のだるさや疲れを取り除き、筋力の増強をサポートします。
  2. 背骨の中央にある「筋縮」は、ビタミンB1欠乏による代謝異常が原因で起こる、筋肉のこわばりやしびれに効果が期待できるツボです。「肝は筋を主る」という東洋医学の考えに基づき、筋の働きを改善します。
  3. 足のむくみに対しては、腰から仙骨部にある「中髎ちゅうりょう」や「膀胱兪ぼうこうゆ」といったツボも活用します。
  4. 身体の前面では、「膻中」、「巨闕こけつ」、「不容ふよう」、「期門きもん」、「中脘」、「大巨」、「関元」などを処置することで、脚気に伴う様々な症状の解消を助けます。
  5. むくみが特に目立つ場合は、おへその上にある「水分」や、その下にある「水道」などを処置します。特に「水分」は、体内に溜まった余分な水分(水毒)の排出を促し、むくみ除去に欠かせないツボです。
  6. 手足のしびれや痛みに対しては、手の「曲池」や「合谷」、身体のだるさを取る「手三里てさんり」、足のむくみに「地機」、「三陰交さんいんこう、足の痛みやしびれに犢鼻とくび」、「解渓かいけい」などを、症状に合わせて選択し、治療を行います。

3.根本改善の鍵!
ビタミンB1を多く含む食事

脚気の治療と予防において、最も重要なのはビタミンB1を食事から十分に摂取することです。

  • ビタミンB1が豊富な食材例
    豚肉(特にヒレ肉やもも肉)
    大豆、豆腐、納豆などの大豆製品
    うなぎ(特に蒲焼き)
    穀物の胚芽を豊富に含むもの(玄米、全粒粉パン、そばなど)
    魚類(カレイ、タラコ、サケなど)
    その他(栗、落花生、ごまなど)
  • 摂取のポイント
    ・ビタミンB1は水溶性で熱に弱い性質がありますが、ニンニクやニラ、玉ねぎなどに含まれる「アリシン」という成分と一緒に摂ると吸収率が高まります。(例:豚肉の生姜焼き、ニラレバ炒めなど)
    ・また、汁物などに溶け出したビタミンB1も摂取できるよう、スープや煮込み料理などで摂るのも良いでしょう。
    ・逆に、糖質の多い甘いものやアルコールを摂りすぎると、ビタミンB1の消費量が増えてしまうため注意が必要です。

ひごころ治療院では、あなたのつらい症状の改善はもちろん、再発しないための身体づくりと生活習慣のアドバイスまで、トータルでサポートさせていただきます。

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