蕁麻疹 (じんましん)・アトピー性皮膚炎

蕁麻疹(じんましん)・アトピー性皮膚炎

蕁麻疹じんましんとアレルギー体質
鍼灸による体質改善と症状緩和

「突然、身体中がかゆくなり、
蚊に刺されたような発疹が広がる…」
「運動や入浴で温まると、

チクチクしたかゆみと小さな発疹が出る…」
「長年のアトピー性皮膚炎と

上手に付き合っていきたい…」

蕁麻疹(じんましん)アトピー性皮膚炎は、アレルギー体質が深く関わる代表的な皮膚疾患です。そのつらいかゆみや見た目の変化は、日常生活の質(QOL)を大きく低下させます。

この記事では、これらの皮膚症状の原因、そして東洋医学に基づく鍼灸治療がどのように症状の緩和や根本的な体質改善をサポートできるのかを、危険なサインとの見分け方も含めて詳しく解説します。

【目次】

  1. 蕁麻疹とは?~その原因と様々な症状~
    • 蕁麻疹の主な原因とアレルギー体質
    • 蕁麻疹の代表的な症状
    • 特殊なケース コリン性蕁麻疹について
  2. アトピー性皮膚炎とは?~その原因と東洋医学の視点~
  3. アレルギー症状に対する鍼灸治療
  4. ご家庭でできるセルフケアと食事療法
  5. 【重要】体からのSOSサイン~アナフィラキシーショックとの見分け方~
    • アナフィラキシーショックとは?
    • 危険な兆候と緊急時の対処法
    • 何科に行くべき?

1.蕁麻疹(じんましん)とは?
~その原因と様々な症状~

蕁麻疹の主な原因とアレルギー体質

かゆがる犬

蕁麻疹じんましんは、皮膚の一部または全身に突然現れる、かゆみを伴う赤い膨らみ膨疹ぼうしん)が特徴的な皮膚疾患です。 発疹は数時間から長くても1日程度で跡形もなく消えることが多いですが、繰り返し出現することがあります。

その原因となるもの(アレルゲンや刺激)は、その人によって多種多様です。

  • 外的な刺激
    日光、温熱、寒さ、冷え、衣類の摩擦や圧迫など
  • 食物
    青魚(サバなど)、甲殻類(エビ、カニ)、卵、そば、乳製品など
  • 薬剤
    内服薬や注射薬など
  • その他
    化学薬品、植物、昆虫、内臓の病気、新陳代謝の障害、精神的なストレスなど

このように、ある特定の物質や刺激に対して身体が過敏に反応し、かゆみや膨疹が起こるのは、アレルギー体質が背景にあることが多いです。 したがって、東洋医学のツボ治療で蕁麻疹をケアすることは、すなわちアレルギー体質そのものを改善していくということになります。

蕁麻疹の代表的な症状

  • 膨疹ぼうしん
    蚊に刺されたような小さなものから、みみず腫れのように線状に広がるもの、地図状に融合するものまで様々です。
  • 強いかゆみ
    我慢できないほどのかゆみを伴うことがほとんどです。
  • 血管性浮腫けっかんせいふしゅ
    まれに、まぶた、唇、舌などが腫れぼったくなることがあります。喉の粘膜が腫れて呼吸困難を伴う場合は、緊急の対応が必要です。
  • その他の症状
    まれに、腹痛、吐き気、下痢などの消化器症状や、呼吸困難、動悸などを伴うことがあります。

特殊なケース コリン性蕁麻疹について

コリン性蕁麻疹は、運動、入浴、精神的な緊張などによって体温が上昇し、発汗する刺激で起こる特殊な蕁麻疹です。神経伝達物質であるアセチルコリンが関与していると考えられています。

  • 症状
    直径1~4mm程度の小さな円形の膨疹が多発し、強いかゆみチクチクとした痛み、熱感を伴います。胸や背中、腕など上半身に多く見られます。

2.アトピー性皮膚炎とは?
~その原因と東洋医学の視点~

アトピー性皮膚炎は、良くなったり悪くなったりを繰り返す、強いかゆみを伴う湿疹を主な症状とする慢性的な皮膚の炎症です。アレルギー体質の方、特にご家族にアレルギー疾患(喘息、アレルギー性鼻炎など)を持つ方がいる場合に発症しやすい傾向があります。

治療の基本は、皮膚の清潔と保湿を心がけ、食事、睡眠、排便といった生活習慣に気をつけ、ストレスを避けることです。その上で、西洋医学では抗ヒスタミン薬やステロイド外用薬などによる治療が行われますが、東洋医学の漢方薬や鍼灸治療を併用すると、体質改善に繋がり、有効な場合が多くあります。

東洋医学では、アトピー性皮膚炎を「気・血・水」の視点で捉え、

  • 便通を良くし、悪いものを体外に出す といったアプローチで、身体の正常なバランスを取り戻すことを目指します。 また、五臓の中では特に「(消化器系)」「はい(呼吸器・皮膚)」「かん(自律神経・解毒)」「じん(生命力・免疫)」の働きを整えることが大切です。
  • 気のめぐりを良くする
  • 身体にこもった余分な熱を冷ます
  • 水(津液)や血を補い、乾燥した皮膚を潤す
  • 体内の余分な水分(湿邪)を排出する
湿疹・主婦湿疹

3.アレルギー症状に対する鍼灸治療

鍼灸がアレルギー体質に働きかける仕組み

ひごころ治療院の鍼灸治療は、蕁麻疹やアトピー性皮膚炎といったアレルギー症状に対して、体質改善自律神経の調整を目的として行われます。

  • 免疫機能の調整
    アレルゲンに対する過剰な免疫反応を穏やかにするよう、身体のバランスを整えます。
  • 自律神経の安定化
    ストレスや疲労で乱れた自律神経のバランスを整え、かゆみや炎症を引き起こしにくい状態へと導きます。
  • 血行促進と消炎作用
    鍼や灸の刺激により、皮膚の血行を促進し、炎症を鎮め、かゆみを緩和します。
  • 内臓機能の調整
    前述の「脾」「肺」「肝」「腎」など、皮膚の状態と深く関連する内臓の働きを整え、根本的な体質改善を目指します。

蕁麻疹・アトピーケアに効果が
期待できる主要なツボの例

背部 「大椎だいつい」、「肺兪はいゆ」、「肝兪かんゆ
   「腎兪じんゆ」、「大腸兪だいちょうゆ
胸部 「膻中だんちゅう
腹部 「中脘ちゅうかん」、「関元かんげん
手首 「陽池ようち
足部 「三陰交さんいんこう」、「太渓たいけい

具体的な鍼灸治療法

  1. アレルギー体質の方の背中には、首の付け根から左右の肩先にかけて、逆三角形状に湿疹やシミ、皮膚のザラザラといった特徴が見られることがあります。 このエリアの中心、首の付け根の第7頚椎のあたりにある「大椎」は、蕁麻疹や皮膚のかゆみに対する特効穴の一つです。ここを丁寧に刺激します。
  2. 大椎」に加え、「肺兪」、「肝兪」、「腎兪」、「大腸兪」といった背部のツボを刺激し、関連する臓腑の働きを整えます。
  3. 次に、胸の「膻中」、腹部の「中脘」、「関元」、手首の「陽池」、足の「三陰交」、「太渓」などを刺激し、全身のバランスを調整します。
  4. 蕁麻疹や皮膚のかゆみが頭や顔に出た場合は、「百会ひゃくえ」、「天柱てんちゅう」、「手三里てさんり」、「肩髃けんぐう」も加えます。
  5. アトピー性皮膚炎の場合
    • かゆみによるストレス解消に「身柱しんちゅう
    • 身体の熱を冷まし、皮膚の炎症を改善する「曲池きょくち
    • かゆみを鎮める作用のある「肩髃けんぐう」などを中心に施術します。
  6. お灸(灸治療)の活用
    体質改善にはお灸も非常に有効です。米粒大または半米粒大のもぐさを3~5壮、「1日1回、5日すえて2日休む」といったサイクルで、3週間ほど継続します。体質に合えば、目覚ましい効果を示すことがあります。

4.ご家庭でできるセルフケアと食事療法

  • 食事(食べて改善)
    デトックス効果も期待できる玄米などで、体内の余分な水分(湿)の排出を促し、体質改善を目指しましょう。
    • 水の代謝を改善する食材例
      ハトムギ、小豆、緑豆、きゅうり、冬瓜、白菜、プーアル茶など
    • 体表のバリア機能を高める食材例
      香菜(パクチー)など
    • 体内の老廃物を取り除く食材例
      小豆、緑豆、えのき、かぶ、里芋、ニラ、舞茸、醤油や味噌などの発酵食品
  • 生活習慣
    • ストレスを適切に管理し、十分な睡眠とバランスの取れた食事、適度な運動を心がけ、免疫力を高く保つことが重要です。
  • かゆみへの対処
    • 蕁麻疹が出た場合は、掻いてはいけません。 掻けば掻くほど血管が拡張し、かゆみが増してしまいます。
    • かゆみへの応急処置としては、血管を冷やして収縮させるのが一番です。冷たいシャワーを浴びるか、保冷剤などをタオルで包んで患部に当てると良いでしょう。

5.【重要】体からのSOSサイン
~アナフィラキシーショックとの見分け方~

アナフィラキシーショックとは?

アレルギー反応には、じんましんなどの皮膚症状のほか、口の中のかゆみ・腫れなどの粘膜症状、咳や呼吸困難といった呼吸器症状などがあります。 このうち複数の系統の症状が、全身に、そして急激に現れたときは、アナフィラキシーショックの可能性を疑う必要があります。

アナフィラキシーショックは、アレルギー反応が全身に一気に起こってしまう急性の過敏反応です。極端に血圧が下がって意識障害を起こしたり、喉が腫れて呼吸困難になったりと、命に関わることもある非常に危険な状態です。

危険な兆候と緊急時の対処法

  • 有名な原因
    スズメバチに刺されるケースが有名ですが、薬剤(ペニシリンなど)や、食べ物(甲殻類、そば、卵、乳製品、特定の果物など)でも起こります。
  • 危険なサイン
    • 蕁麻疹などの皮膚症状に加えて、口の中のかゆみ・腫れが出てきたら、粘膜まで異常が及んでいるサインです。
    • さらに息苦しさを感じたら、喉の粘膜が腫れて気道を塞ぎ始めている可能性があります。
  • 対処法
    息苦しさや意識レベルの低下が見られたら、迷わず救急車を呼んでください。 アナフィラキシーショックは、短時間で重症化する恐れがあるため、一刻も早い対処が必要です。「たかがじんましん」と侮っていると、命に関わります。

何科に行くべき?

  • 症状が急激で重篤な場合
    すぐに救急車を呼んでください。
  • 通常の蕁麻疹やアトピー性皮膚炎の場合
    皮膚科、アレルギー科、内科
  • お子様の場合
    小児科

ひごころ治療院では、このような重篤な疾患の可能性も常に念頭に置き、まずは専門医の診断を最優先としています。その上で、鍼灸治療でサポートできることをご提案させていただきます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です