歯槽膿漏

歯槽膿漏の原因 ー鍼灸治療の効果

【目次】

1.歯槽膿漏の原因と症状
2.歯槽膿漏の鍼灸治療
  ・主要なツボ
  ・治療法
  ・歯槽膿漏を予防する方法

歯槽膿漏の原因と症状

歯槽膿漏の人

口臭、口の中のねばつきが気になるようになったら、歯槽膿漏初期症状であることが多いです。歯茎が赤みを帯びてブヨブヨしてきたら、まず歯槽膿漏と考えていいでしょう。

虫歯のように急激な痛みを起こさないのでつい放置しがちですが、放っておくと歯のつけ根があらわれてきて、ついに歯が抜け落ちてきます。

歯槽膿漏は、歯をあご骨に保持する歯周組織慢性進行性の疾患です。数年以上にわたる慢性の経過をとって。歯周組織の萎縮が進み、やがて歯は支えを失って抜けてしまうのであります。

この症状は、子供にはあまり見られません。14~15才あたりから見られることもありますが、年齢が重なるにつれて多くなります。男女を比べますと、中年過ぎては大差はないですが、若い人では女性の方が多くなります。

その原因として次のようなものが考えられます。

  1. 歯周組織自体歯槽膿漏にかかりやすい性質を持っている。
  2. 外部からの影響歯石食べ物のカス温度的刺激(過度の冷熱)、あるいは細菌の感染などによる。
  3. 内部からの影響、糖尿病などの新陳代謝障害、甲状腺などの内分泌異常ビタミン欠乏自律神経の障害アレルギーなど。

しかし、この内部的影響に関してはまだまだ不明な点は多いです。

歯槽膿漏は自覚症状が軽いため、見過ごされることが多いですが、手遅れにならないうちに歯科医の診察を受けることが大切です。

鍼灸治療は、歯槽膿漏が初期の段階で、歯ぐきのブヨブヨや腫れの症状の悪化を抑えるツボ療法を目的とします。ただし、かなり根気よく治療を続ける必要があります。

歯槽膿漏の鍼灸治療

主要なツボ

顔面部  「迎香」、「禾髎」、「承漿
     「大迎」、「下関

などを中心として、

後頚部  「天柱
背部   「肝兪」、「腎兪
腹部   「中脘」、「肓兪
手部   「手三里」、「曲池

などが治療の対象となるツボです。

治療法

迎香」、「禾髎」、「承漿」、「巨髎」、「大迎」、「下関」などを刺激します。

次に、後頚部の「天柱」、腹部の「中脘」、「肓兪」、さらに「天枢」をしっかり丁寧に刺激します。

背中は、「肝兪」、「腎兪」を選択し、しっかりと刺激します。これらの肝心かなめのツボは、歯ぐきの炎症を防ぎ、元気をつけます。

そして、腕の「曲池」と「手三里」を刺激します。「曲池」は人体の中の邪気が池のようにたまるところから名付けられたツボで、ここにたまったゴミを掃除して、エネルギーの流れを改善すれば、歯周組織の疾患への抵抗力が強められます。また、「手三里」は、体にできる腫れを取り除くツボとして知られています。

歯槽膿漏は頑固な症状なので、繰り返し根気よく治療を行います。

鍼治療の場合で、歯の痛みも強い時には、「合谷」の刺入し、痛みを取り除きます。

歯槽膿漏を予防する方法

朝、歯を磨くとき、次の方法を習慣づけると歯槽膿漏の予防になります。

まず、頬、小鼻の両側辺りを、右手、左手交互に人差し指、中指、薬指の3本の指で少し圧を加えて、よくもみます。これで、上歯を通る神経の機能を整えます。

さらに耳の下から下あごにそって下唇まで軽くマッサージします。

次に、口を軽くあけ、耳のすぐ前にできるくぼみに両手の人差し指で、左右同時に指圧します。

すでに歯槽膿漏になっている人は、小鼻の外側から唇の上を人差し指と中指で強めのマッサージをします。

続けて、下あごの張っている角から下歯の方を人差し指と中指でマッサージをします。

こうすると歯ぐきの血行が改善し、膿のはけ口ができて、症状が緩和します。

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