蕁麻疹(じんましん)・アトピー性皮膚炎

木蓮の花

蕁麻疹の原因 とツボ治療の効果ーアトピー性皮膚炎とは?

【目次】

1.蕁麻疹の原因と症状
2.蕁麻疹の鍼灸治療
  ・主要なツボ
  ・治療法
  ・食べて改善
    水の代謝を改善
    体表の防衛機能の衰えを向上させる
    体内の老廃物をとりのぞく
3.アトピー性皮膚炎の原因と症状
4.アトピー性皮膚炎の鍼灸治療
  ・主要なツボ
  ・治療法
5.体からのSOS
  ・食後に口の中がかゆく、息苦しい・・・アナフィラキシーショック
  ・何科に行くべき?

蕁麻疹の原因と症状

体の一部、あるいは全身が突然かゆくなり、赤いみみず腫れ状ないし蚊に刺されたときのような膨疹があらわれて、急に広がるのが蕁麻疹(じんましん)の特徴です。タイプとしては、数日あるいは数週間でおさまる急性型と、数カ月、数年にわたって繰り返す慢性型があります。

蕁麻疹の原因となるものは、その人によって特徴があり、多種多様であります。

日光、温熱、寒さ、冷え、摩擦などの刺激、化学薬品などの皮膚へ直接作用などの外的原因、あるいはある特定の食べ物、特に青身の魚、貝類、エビ、カニ、卵など、その他に内服薬や注射薬、内臓の病気や新陳代謝の障害、精神的なストレスなどが原因として挙げられます。

かゆがる犬

ある種のものに対して非常に敏感に反応し、かゆみ、膨疹が起こる人はアレルギー体質の人が多いです。したがって、ツボ治療で蕁麻疹を治療することは、すなわちアレルギー体質に対する治療ということになります。

蕁麻疹の鍼灸治療

主要なツボ

背部 「大椎」、「肺兪」、「肝兪
   「腎兪」、「大腸兪
胸部 「膻中
腹部 「中脘」、「関元
手首 「陽池
足部 「三陰交」、「太渓

などがポイントになります。

治療法

アレルギー体質を持った人の背中は、首の付け根から左右の肩先にかけて、逆三角形状に湿疹やシミがあったり、ザラザラしたりする特徴があります。

ちょうど両肩の高さで、首の付け根の第7頚椎辺りを軽く親指で押しますと、強い反応を示すところがあります。そこが蕁麻疹や皮膚のかゆみに対する特効穴の「大椎」であります。この「大椎」に加えて、「肺兪」、「肝兪」、「腎兪」、「大腸兪」を刺激します。

次に、胸部の「膻中」、腹部の「中脘」、「関元」、手首の「陽池」、足の「三陰交」、「太渓」を刺激します。

灸治療を行う場合は、米粒大または半米粒大のもぐさを3~5壮、1日1回、5日すえて2日休みながら、3週間続けます。体質が合えば、目覚ましい効果を示します。「大椎」はツボの上下左右の反応点にも灸治療を行うのがコツになります。同時に鍼治療を併用すれば、さらに効果が上がります。

蕁麻疹や皮膚のかゆみが頭や顔に出た場合は、「百会」、「天柱」、「手三里」、「肩髃」も加えます。

食べて改善

デトックス効果もある玄米などで水の代謝をアップし、体質改善をします。食べ物が原因となることもあるので、アレルゲンとなる食べ物も確認します。

水の代謝を改善

玄米、ハトムギ、小豆や緑豆などの豆類、キュウリ、トウガン、白菜、プーアル茶など

体表の防衛機能の衰えを向上させる

香菜など

体内の老廃物をとりのぞく

小豆、緑豆、エノキダケ、カブ、サトイモ、ニラ、マイタケ、しょうゆやみそなど、ごま油、なたね油など

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎の原因と症状

アレルギー体質の人に起こる皮膚炎で、多くは慢性で長年続くこともあります。皮膚の清潔と保湿を心がけ、食事、睡眠、排便などの生活習慣に気をつけ、ストレスを避けることが基本です。そのうえで抗アレルギー薬などによる治療を行いますが、漢方薬を併用すると有効な場合が多くあります。

気・血・水の視点で根本原因に迫り、気のめぐりをよくする体にこもった熱を冷ます水や血を補って皮膚をうるおす余分な水分を排泄する便通をよくし悪いものを体外に出すなどのアプローチで、からだの正常なバランスを取り戻します。

症状を改善するには、五臓のうちの脾、肺、肝、腎の働きをよくすることも大切です。

アトピー性皮膚炎の鍼灸治療

主要なツボ

背中 「身柱
腕部 「曲池
肩部 「肩髃

治療法

かゆみによるストレス解消に「身柱」を刺激します。子どもの疾患によく用いられるほか、皮膚疾患にも効果があるます。

つぎに、熱を冷まし、皮膚や粘膜の炎症を改善する「曲池」を刺激します。

最後にかゆみを抑える「肩髃」を刺激します。からだの熱を冷ます作用があり、かゆみを鎮めます。

体からのSOS

食後に口の中がかゆく、息苦しい・・・アナフィラキシーショック

アレルギーの症状には、じんましんなどの皮膚症状のほか、口の中のかゆみ・腫れなどの粘膜症状、呼吸が苦しくなり、せきが出る呼吸器の症状があります。このうち2つ以上の症状が同時に出たときは、アナフィラキシーショックの可能性を疑われます。

アナフィラキシーショックとは、アレルギー反応が全身に一気に起きてしまう急病です。極端に血圧が下がって意識障害を起こしたり、呼吸困難や臓器に異常をきたすこともあります。

アナフィラキシーショックで有名なのは、スズメバチに刺されて亡くなるケースです。最初に蜂に刺されたときにハチの毒への抗体が体内にでき、それが2度目以降に刺された際に一気にフル稼働し、免疫反応が暴走してショック症状を起こします。新型コロナウィルスにかかった人にも、免疫機能が暴走する「サイトカインストーム」によって重篤化するケースがありましたが、それと似ています。

アナフィラキシーショックは、最初は皮膚のかゆみや蕁麻疹が起こります。そして、徐々に呼吸しづらくなるほどの重篤な症状が出てきます。特に口内のかゆみ・腫れが出てきましたら、粘膜まで異常をきたしているサインです。息苦しくなったら、迷わず救急車を呼びましょう。アナフィラキシーショックの場合、短時間で重症化する恐れがあるので、一刻も早い対処が必要です。たかがじんましんと侮っていると命にかかわります。

なお、アナフィラキシーショックを起こしやすいアレルゲンには、ハチ毒やペニシリンなどの薬剤のほか、食べ物ですと、カニ、エビといった甲殻類、そば、卵、乳製品、桃、バナナ、キウイ、マンゴーなどがあります。怖いのはほんの微量でもショック症状が起きてしまうことです。

自分はアレルギーはないと思っている人でも、思いもよらぬ食べ物に反応してしまうことがあります。アナフィラキシーショックは、だれにとっても決して他人事ではありません。症状が出た場合は、重症化するまで放置しないように注意してください。

食べ物の場合、およそ1~2時間で症状が出ることが多いので、食後に、蕁麻疹や口のかゆみ、呼吸障害などが重なった場合は、すぐに病院へ行きましょう。

なお、蕁麻疹が出た場合はかいてはいけません。かけばかくほど、血管が拡張してさらにかゆくなります。蕁麻疹にかゆみに対処には、血管を冷やして収縮させるのが一番です。水風呂に入るか、保冷材などを患部に当てるといいでしょう。

何科に行くべき?

内科/アレルギー科/救急車を呼んでください

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