アキレス腱周囲炎

アキレス腱周囲炎

アキレス腱周囲炎の原因
鍼灸治療で改善!痛みと再発を防ぐ

「歩き始めや運動後に、
アキレス腱やその周辺が痛む…」
「かかとのあたりがギシギシする感じがする…」

その症状、
もしかしたらアキレスけん周囲炎しゅういえんかもしれません。

アキレス腱周囲炎は、スポーツや日常生活での使い過ぎによって起こる、非常によく見られるスポーツ障害の一つです。この記事では、アキレス腱周囲炎がなぜ起こるのか、その原因と症状、そして東洋医学に基づく鍼灸治療によるアプローチや、ご家庭でできる応急処置とセルフケアについて詳しく解説します。

【目次】

  1. アキレス腱周囲炎とは?~その原因と症状~
    • アキレス腱の構造と炎症のメカニズム
    • 主な原因と起こりやすいスポーツ
    • 症状とセルフチェックのポイント
  2. アキレス腱周囲炎に対する鍼灸治療
  3. ご家庭でできる!アキレス腱周囲炎の応急処置と家庭療法
    1. 急性期(熱感がある時)は「冷やす」
    2. 回復期(熱感がなくなったら)は「温める」
    3. テーピングや靴の工夫
  4. 再発を防ぐために最も大切なこと

1.アキレス腱周囲炎とは?
~その原因と主な症状~

アキレス腱の構造と炎症のメカニズム

アキレス腱を伸ばす運動をする女性

ふくらはぎには、下腿三頭筋かたいさんとうきんといって、腓腹筋ひふくきんヒラメ筋という二つの筋肉があります。この筋群が一つにまとまって、かかとの骨踵骨しょうこつ)に付着する、太くて強靭な腱がアキレス腱です。 アキレス腱周囲炎とは、このアキレス腱そのものや、アキレス腱を包む周囲の組織(パラテノン)が炎症を起こした状態を指します。

主な原因と起こりやすいスポーツ

原因は、主に足関節部の疲労、つまり運動のし過ぎオーバーユース)です。 歩く、走る、跳ぶといった動作は、どのスポーツにとっても基本的な動きなので、アキレス腱周囲炎はあらゆるスポーツで起こり得ます。特に、足関節部を激しく使う以下のようなスポーツで発症しやすいです。

  • 陸上競技(特に短距離走、跳躍競技)
  • バスケットボール、バレーボール、バドミントンなど、急なストップやジャンプが多いスポーツ
  • 剣道など、踏み込み動作が多い武道

スポーツ障害の中では、ジャンパー膝(跳躍膝)に次いで多いトラブルの一つです。

症状とセルフチェックのポイント

アキレス腱に炎症があるかどうかは、ご自身でもある程度確認することができます。

  • セルフチェックの方法
    うつ伏せで寝て、リラックスした状態で、アキレス腱を反対の手の親指と人差し指で挟み込むようにつまんでみましょう。
  • 炎症がある場合のサイン
    • 痛み(圧痛)
      つまんで上下に動かしたり、アキレス腱を下から上に向かって少しずつ押したりした時に、強い痛みを訴える。
    • きしむ感触(軋轢感あつれきかん
      皮膚とアキレス腱の間がスムーズに動かず、「ギシギシ」とした感触が指に伝わってくる。
    • 熱感
      炎症がひどいと、患部が熱を持っている。
捻挫
打撲
肉離れ

2.アキレス腱周囲炎に対する鍼灸治療

鍼灸がアキレス腱周囲炎に効果的な理由

  • 消炎・鎮痛効果
    鍼や灸の刺激により、炎症を起こしている部位の血行を促進し、発痛物質の排出を助け、痛みを和らげます。
  • 筋緊張の緩和
    負担がかかって硬直しているふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)を深部から緩め、アキレス腱への牽引ストレスを軽減します。
  • 組織修復の促進
    滞っていた血流を改善することで、損傷した組織の修復に必要な酸素や栄養を十分に供給し、自然治癒力を高めます。
  • 根本原因へのアプローチ
    東洋医学の経絡けいらく理論に基づき、足腰の冷えや全身のバランスの乱れといった、根本的な体質にもアプローチします。

症状緩和に効果が期待できる主要なツボの例

アキレス腱周囲炎の治療では、下腿三頭筋の後ろ側を走る足の太陽膀胱経と、内側を走る足の少陰腎経という二つの経絡に沿ったツボを中心に用います。

膀胱経では上から
承山しょうざん」、「飛陽ひよう」、「崑崙こんろん

腎経では下から順に
太渓たいけい」、「復溜ふくりゅう」、「築賓ちくひん

これら合計6つのツボが、治療の重要なポイントになります。

具体的な鍼灸治療法

  1. まず、炎症の状態を確認します。患部に熱感があれば、まずは冷やす処置を優先しますが、熱感がなければ鍼を中心とした治療を行います。
  2. 足の外側に痛みがあるときは、「承山」と「飛陽」の間などを、また内側に痛みがあるときは、「築賓」と「復溜」の間などを中心に、鍼に微弱な電気を流すパルス治療電気鍼)を行うことがあります。
  3. 崑崙」と「太谿」には、地平刺ちへいしという特殊な手技を用いることがあります。これは、鍼をまっすぐに深く刺すのではなく、腱に沿って皮膚の下に寝かせるようにして入れます。アキレス腱周囲炎では腱自体に微細な外傷があると考えられるため、腱を直接傷つけないようにするためです。また、鍼を寝かせることで、刺激が「点」ではなく「線」で加えられ、刺激範囲も広くなるため、効果が高まります。
  4. ふくらはぎの筋肉のうち、腓腹筋は主に歩いたり走ったりする時に、ヒラメ筋は立っているだけでも使われるため、特に疲れやすくなります。このヒラメ筋の緊張を取るには、外側では「飛陽」、内側では「築賓」が効果的なツボです。これらのツボに、鍼をしばらく置いておく置鍼ちしんや、刺してすぐに抜く単刺術たんしじゅつを施します。

3.ご家庭でできる!
アキレス腱周囲炎の応急処置と家庭療法

  • 温熱療法
    患部に熱感がなければ、ご家庭では蒸しタオルやホットパックなどで温めると良いでしょう。血行が促進され、回復を助けます。
  • テーピングやサポーターでの固定
    熱感の有無にかかわらず、運動はもちろん中止しますが、日常生活での負担を減らすために、かかとの関節が90度以上曲がらない(足首が甲側に反らない)ように、テーピングやサポーターで固定すると治りが早くなります。 テープは、ふくらはぎの辺りからかかとを通り、土踏まずの辺りまで貼ります。幅は、かかとがしっかり固定できるなら1本でも2本でも構いません。このテーピングは、アキレス腱の痛みやギシギシした感じがなくなるまで続けるのが理想です。
  • 靴の工夫
    ヒールのない平坦な靴を履いている方は、歩くたびにアキレス腱が強く引っ張られ、負担がかかります。靴の中に厚手のインソールやかかと用のパッドを入れるなどして、かかとを少し高くすると、アキレス腱への負担が減り、痛みが和らぐことがあります。

4.再発を防ぐために最も大切なこと

アキレス腱周囲炎も、中途半端な治療のまま運動を再開すると、再発しやすく、最悪の場合はアキレス腱断裂という重篤な怪我に繋がる可能性があります。 痛みや「ギシギシ感」が完全になくなるまで、十分に休養し、完全に治すことが非常に重要です。

完治する前にどうしても運動をしなければならない時は、翌日までに患部の疲れが残らないように、運動後に鍼灸院でケアを受けたり、ご自身で15分くらい入念にマッサージを行ったりすることが不可欠です。
※マッサージの方向は、心臓に向かう方向でも、その逆でも、ご自身が心地よいと感じる方向で構いません。

ひごころ治療院では、あなたのつらい症状の改善はもちろん、再発しないための身体づくりと生活習慣のアドバイスまで、トータルでサポートさせていただきます。

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