打撲の対処法 ー症状と応急処置!初期対応で回復を早める方法
「スポーツで強くぶつかってしまった…」
「打った覚えはないのに、ひどい青あざができている…」
打撲は、スポーツや日常生活で身体を強くぶつけることで起こる、非常に一般的な怪我です。
しかし、「ただの打ち身」と軽く考えて適切な処置を怠ると、痛みが長引いたり、後々厄介な後遺症が残ったりすることもあります。この記事では、打撲が起こった際の正しい応急処置、そして注意すべき危険なサイン、回復を早めるための鍼灸治療の役割について詳しく解説します。
【目次】
1.打撲とは?~その原因と症状~
打撲は、スポーツで相手の体とぶつかったり、野球のバットやホッケーのスティックなどで誤って打たれたりした時など、身体に強い衝撃が加わることで起こります。
- 主な症状
- 皮膚の損傷
打撲と同時に、皮膚の表面が切れていることがあるので、その場合はまず傷口を清潔にし、消毒などの手当ても必要です。
2.【最重要】打撲の応急処置 ー まずは「圧迫」と「冷却」
打撲を起こしたら、何よりもまずすぐに圧迫しながら冷やすことが、その後の回復を大きく左右します。
- なぜ圧迫と冷却が必要か?
打撲の直後は、皮下で出血が続いています。圧迫と冷却には、出血を早く食い止め、炎症や腫れが広がるのを最小限に抑えるという重要な目的があります。 - 応急処置の方法
- 打撲の範囲に合わせて、ガーゼや包帯を適度な厚さに折りたたみます。
- その中に、脱脂綿や清潔なスポンジなどを入れて厚みを持たせ、患部に当てて包帯などで巻きつけ、適度に圧迫します。
- その上から、氷を入れたビニール袋(氷のう)やコールドスプレーなどで患部を冷やします。
【注意点】
・圧迫が強すぎると、包帯を巻いた先がうっ血してしまうことがあるため、指先の色などを確認しながら、締め付けすぎないように注意します。
・この応急処置で痛みが和らぐまで冷やしておくと良いでしょう。
3.放置は危険!血腫と仮骨化のリスク
皮下出血を起こして青紫色になっても、出血量が少なければ、その血液は自然に組織に吸収され、色は元に戻っていきます。 しかし、以下のような場合には注意が必要です。
- 出血量が多い場合
- 骨のすぐ上を打撲した場合
このようなケースでは、漏れ出た血液が組織に吸収しきれなくなり、その場に溜まって固まり、「血腫」と呼ばれる血の塊になってしまうことがあります。 さらに、この血腫が骨のすぐ近くにあると、やがてカルシウムなどが沈着し、骨のように硬くなる「仮骨化」という現象が起こることがあります。
※骨折の治療でギプスなどで固定するのは、この骨が再生しようとする力を利用したものですが、打撲で意図せず仮骨ができてしまうと厄介です。
関節の近くに仮骨ができてしまうと、関節の動きが妨げられ、運動がかなり制限されたり、慢性的な痛みの原因になったりします。 そして一度仮骨になってしまうと、それを取り除くには手術以外に方法がなくなることがあります。
4.専門医の受診を検討すべきサイン
ひどい皮下出血の場合は、後々のリスクを避けるためにも、早めに整形外科を受診することをお勧めします。 特に、以下のサインが見られる場合は、重要な判断のタイミングです。
- サイン
打撲を起こしてから2週間以上経っても、青紫色のあざが消えない - なぜこの時期が重要か?
経験を積んだ鍼灸師であれば、触診だけで血腫の有無を判断できることもありますが、ご自身では難しいです。まずは皮膚の色の変化で判断すると良いでしょう。 下手に処置をすると後が大変になることもあるため、ひどい内出血を伴う打撲の場合は、迷わず専門医に相談しましょう。
5.回復期における鍼灸治療の役割
鍼灸治療は、打撲の急性期(熱感や強い腫れがある時期)を過ぎた後の、回復期において、治癒を促し、後遺症を防ぐために大きな役割を果たします。
- 鍼灸が回復をサポートする仕組み
ひごころ治療院では、医師の診断を尊重し、必要な医療処置が終わった後の回復サポートとして、あなたの状態に合わせた最適な鍼灸治療をご提案します。