寝違えの原因と
鍼灸による効果的な改善策
「朝起きたら、首が痛くて動かせない…」
「首を特定の方向に向けると激痛が走る…」
多くの人が一度は経験するつらい寝違え。正式には「急性疼痛性頸部拘縮」といい、睡眠中の無理な姿勢や体の冷えなどが原因で、首の筋肉や筋膜に炎症が起きた状態です。
この記事では、寝違えがなぜ起こるのか、その原因と症状、そして東洋医学に基づく鍼灸治療によるアプローチや、ご家庭でできる応急処置と予防法について詳しく解説します。
【目次】
1.寝違えとは?
~その原因と筋肉の緊張~
寝違えが発生するメカニズムと主な原因

寝違えは、主に睡眠中に不自然な姿勢を長時間続けることで、首や肩の筋肉が過度に伸ばされたり、圧迫されたりして血行不良に陥り、微細な損傷や炎症が起こることで発生します。
主な原因
- 不自然な睡眠姿勢
高すぎる枕や低すぎる枕の使用、ソファや床でのうたた寝など、首に負担のかかる姿勢。 - 睡眠中の体の冷え
就寝中に室温が低すぎたり、薄着で寝たり、クーラーの冷風が首に直接当たったりすると、筋肉が緊張し血行が悪化しやすくなります。 - 疲労やストレス
肉体的な疲労や精神的なストレスが蓄積すると、筋肉が硬直した状態になり、寝違えを起こしやすくなります。 - 飲酒
アルコールは睡眠の質を低下させ、寝返りの回数を減らすため、同じ姿勢が続きやすくなり、リスクを高めます。 - その他
軽い風邪をひいている時や、元々、頸椎に何らかの問題がある場合にも起こりやすくなります。
痛みの正体 どの筋肉が緊張している?
寝違えた際に首や肩を触ってみると、硬直しきった筋肉のしこりや、軽く押さえただけでもひどく痛む場所(圧痛点)が見つかります。症状が軽ければ、痛みはかたまり状に感じられますが、重いときには、筋肉全体がカチカチに硬くなっています。
寝違えで特に影響を受けやすいのは、以下の筋肉です。
- 僧帽筋
首の後ろから肩、背中にかけて広がる大きな筋肉。 - 胸鎖乳突筋
耳の後ろから鎖骨に向かって斜めに走る太い筋肉。 - 斜角筋・頭板状筋
首の横から後ろにかけて存在する深層の筋肉。
これらの筋肉が、長時間同じ姿勢でいたり、急激に冷やされたりして異常に収縮し、血流が悪くなることが、激しい痛みを引き起こすのです。 そこで、寝違えを治すには、縮んだ筋肉を緩め、血管を広げて、滞った血のめぐりを良くすることが治療の基本となります。
【重要】長引く場合や注意すべき症状
ほとんどの寝違えは数日~1週間程度で改善しますが、痛みが長期間続く、または頻繁に繰り返す場合は、頸椎の他の疾患(例えば、変形性頚椎症、椎間板ヘルニア、腫瘍や炎症性の病気)、あるいはリンパ性の斜頸などを考える必要があります。
また、以下のような症状が見られる場合は、自己判断せず、必ず速やかに医療機関(整形外科など)を受診しましょう。
- 手や腕に広がる激しい痛みやしびれ
- 手足に力が入らない、感覚がないといった麻痺症状
- 発熱や激しい頭痛、吐き気などを伴う場合
2.寝違えに対する鍼灸治療
鍼灸が寝違えに効果的な理由
鍼灸治療は、寝違えによるつらい痛みや筋肉の緊張を緩和する上で、非常に効果が期待できるアプローチです。
- 自然治癒力の向上
身体が本来持つ回復力を高め、組織の修復を早めるサポートをします。 - 深層筋への直接アプローチ
手技では届きにくい、痛みの原因となっている深層の筋肉に、鍼で直接刺激を与え、緊張を効果的に緩めます。 - 強力な鎮痛効果
鍼刺激により、痛みの伝達を抑制したり、脳内で痛みを和らげる物質の分泌を促したりします。 - 血行促進と消炎作用
鍼や灸の刺激は、患部の血行を促進し、発痛物質や老廃物の排出を助け、炎症を鎮めます。
寝違えケアに効果が
期待できる主要なツボの例
寝違えの症状や痛む場所に合わせて、以下のツボを中心に施術します。
具体的な鍼灸治療の流れ
治療後の注意点と運動指導
- 治療中に避けるべき姿勢
回復を早めるため、治療期間中はデスクワークやスマートフォン使用時の長時間の同じ姿勢や、猫背などの首に負担のかかる姿勢、重いものを持つことなどは、できるだけ避けるようにしましょう。 - 治療後の運動
治療の後、首をゆっくりと左右に曲げたり、大きく回したりする運動を、痛みが出ない範囲で行っていただくと、血行がさらに良くなり、効果が増します。
3.ご家庭でできる!
寝違えの応急処置と予防法
すぐにできる家庭療法
(ヘアドライヤー温熱法など)
寝違えて首が痛いとき、ご家庭でできる簡単な応急処置があります。
- ヘアドライヤーで首を温める
- まず、後ろ首にある太い筋肉(僧帽筋)や、耳の後ろから前首にある筋肉(胸鎖乳突筋)を優しく触ってみて、特に硬く筋張っていたり、押すと飛び上がるほど痛かったりする場所を探します。
- その緊張した筋肉を緩めるつもりで、ヘアドライヤーの温風を当てます。
- ポイント
ドライヤーを近づけすぎず、「熱い」と感じる手前の「気持ちいい」程度の熱さで、10~15cmほど離れた位置から数分間温めます。火傷には十分注意してください。
寝違えを防ぐための効果的な予防法
寝違えを繰り返さないためには、日頃からの予防が何よりも大切です。
- 睡眠環境を見直す
- 枕の高さを調整する
高すぎる枕や低すぎる枕は、首に不自然な角度を強います。横向きになった時に、首の骨が背骨と一直線になる高さが理想的です。 - マットレスの硬さ
身体が沈み込みすぎない、適度な硬さのマットレスを選びましょう。
- 枕の高さを調整する
- 毎日の姿勢改善で負担を軽減する:
- 正しい姿勢を意識する
背筋を伸ばし、顎を軽く引くように意識しましょう。 - 長時間同じ姿勢を避ける
30分~1時間ごとに休憩を挟み、軽く首や肩を回すなどのストレッチを行いましょう。 - デスクワークの環境を見直す
デスクや椅子の高さを調整し、モニターを目線の高さに合わせるなど、正しい姿勢で作業できるように工夫しましょう。
- 正しい姿勢を意識する
- 身体を冷やさない
特に就寝中は、首や肩が冷えないように注意しましょう。夏場のクーラーの風が直接当たらないようにしたり、冬場はネックウォーマーなどを活用したりするのも良いでしょう。
ひごころ治療院では、あなたのつらい症状の改善はもちろん、再発しないための身体づくりと生活習慣のアドバイスまで、トータルでサポートさせていただきます。











