後頭神経痛

鍼灸で後頭神経痛を即効改善!ツボと自宅ケアでつらい痛みを解消へ

後頭神経痛

「後ろ頭や首の付け根に、ピリピリ、チクチクとした電気が走るような痛みが…」
「頭皮に触れるだけで痛みが走る…」

それはもしかしたら、後頭神経痛こうとうしんけいつうかもしれません。

原因としては、首や肩の筋肉の緊張、姿勢の悪さ、ストレス、あるいは神経の圧迫などが挙げられます。この記事では、後頭神経痛のつらい症状の原因、そして鍼灸治療による効果的なアプローチと、ご自身でできるセルフケアや予防法について詳しく解説します。

【目次】

  1. 後頭神経痛とは?~その原因と特徴的な症状~
    • 後頭神経痛の症状と頭痛との違い
    • 痛みが起こるメカニズム(大後頭神経と小後頭神経)
    • ご自身でできる後頭神経痛のセルフチェック
  2. 後頭神経痛を早く治す!ひごころ治療院の鍼灸アプローチ
  3. 後頭神経痛のリハビリとセルフケア
    • 痛みが落ち着いてからのリハビリ方法(運動療法とストレッチ)
    • 自宅でできる温熱療法
  4. 後頭神経痛の予防法 再発を防ぐための生活習慣

1.後頭神経痛とは?~その原因と特徴的な症状~

後頭神経痛の症状と頭痛との違い

頭痛がする人

後頭神経痛は、後頭部から首の後ろ(後ろ首)、そして時には耳の後ろから下あごにかけて、ピリピリ、チクチク、ズキズキと、まるで皮膚が引きつるように痛むのが特徴です。これは、いわゆる「頭が重い」「ズーンと痛む」といった一般的な頭痛とは痛みの性質が異なります。

後頭神経痛と頭痛を区別するポイントは、痛みの感覚にあります。

  • 後頭神経痛(皮膚表面の神経の痛み)
    • 髪の毛を軽くなでたり、頭皮に触れたりしただけでも、チカチカ、ピリピリとした痛みが増す場合、これは頭の皮膚を走る神経の機能が高ぶっているサインであり、後頭神経痛の可能性が高いです。
  • 一般的な頭痛(血管性・筋収縮性など)
    • 頭の中がズキズキと脈打つように痛むのは、頭部の血管の拡張や収縮による血管性頭痛(片頭痛など)の可能性があります。
    • 頭全体が締め付けられるように重く痛むのは、筋肉の緊張による筋収縮性頭痛(緊張型頭痛)の可能性があります。

痛みが起こるメカニズム(大後頭神経と小後頭神経)

後頭部には、主に大後頭神経だいこうとうしんけい小後頭神経しょうこうとうしんけいという2つの神経が走っています。これらの神経が何らかの原因で圧迫されたり、刺激されたりすることで、後頭神経痛が発症します。

  • 大後頭神経
    首の付け根(後頭部の真ん中にある小さな骨の隆起の外側あたり)から、頭のてっぺん(頭頂部)に向かって走っています。 痛みが後頭部から頭頂部に走る場合は、大後頭神経痛が考えられます。
  • 小後頭神経
    大後頭神経の外側を通り、主に耳の後ろ周辺の感覚を支配しています。 後頭部から耳の後ろにかけて痛む場合は、小後頭神経痛が考えられます。

ご自身でできる後頭神経痛のセルフチェック

自分の状態を正しく把握することは、適切な対処への第一歩です。以下の点をチェックし、記録しておくと、専門家に相談する際に役立ちます。

  • 痛みの種類
    ピリピリ、チクチク、ズキズキ、ジンジンなど、どのような痛みか?
  • 痛みの場所
    後頭部の右側か左側か、頭頂部か耳の後ろか?
  • 頻度と持続時間
    痛みは一瞬か、数秒続くか、断続的か、一日中か?
  • 痛みの程度
    10段階でどのくらいの強さか?
  • 誘発・悪化する要因
    特定の動き(首を動かす、髪をとかすなど)、姿勢、ストレス、天候の変化など。
  • 緩和する要因
    安静にする、温める、冷やすなど。
  • 随伴症状
    めまい、吐き気、肩こり、目の奥の痛みなど、他の症状はあるか?

【医療機関受診の目安】
激しい痛みが続く、手足のしびれや麻痺がある、発熱や嘔吐を伴う、視覚に異常がある、日常生活に大きな支障が出ている、セルフケアで改善が見られないといった場合は、自己判断せず、速やかに医療機関(神経内科、脳神経外科、整形外科など)を受診してください。

2.後頭神経痛を早く治す!ひごころ治療院の鍼灸アプローチ

後頭神経痛を早く改善するためには、適切な治療と日々のケアが重要です。ひごころ治療院の鍼灸治療は、その有効な手段の一つと考えられています。

鍼灸治療が後頭神経痛に効果的な理由

  • 自律神経の調整
    ストレスが関与している場合、自律神経のバランスを整えることで、心身の緊張を解きほぐします。
  • 筋緊張の緩和
    後頭神経を圧迫している主な原因である、首や肩周りの深層の筋肉の緊張を、鍼で直接緩めます。
  • 血行促進
    鍼や灸の刺激により、患部や関連部位の血流を改善し、発痛物質の排出を促し、組織の修復を助けます。
  • 神経の興奮を鎮める
    神経の過敏な状態を和らげ、ピリピリ、チクチクといった痛みを軽減します。

後頭神経痛ケアに効果が期待できる主要なツボ

頭部   「百会ひゃくえ
後ろ首  「天柱てんちゅう」、「風池ふうち」、「完骨かんこつ

などが重要なツボです。

また、

後頭部   「風府ふうふ
前額両側  「頷厭がんえん
手部    「合谷ごうこく

も後頭神経痛には欠かせません。

具体的な鍼灸治療法(呼吸に合わせた施術)

  1. まず、後頭神経痛の治療の基本となる、上記の主要なツボに鍼で刺激を加えます。
  2. その際、患者様の呼吸に合わせた施術を行うことで、より高い効果を引き出すことを目指します。
    • 患者様には、息をゆっくりと吐いていただき、引き続きゆっくりと吸い込んでいただきます。
    • 施術者は、患者様が息を吐いたタイミングで鍼に刺激を加え(雀啄じゃくたく: 鍼を小刻みに上下させる手技など)、息を吸ったタイミングで刺激を緩めるようにします。 これにより、身体の緊張が自然に抜け、鍼の刺激がより深く、効果的に伝わりやすくなります。
  3. 慢性的な後頭神経痛に悩んでいる方には、それぞれのツボに対するお灸灸治療)も非常に効果的です。
    • 特に頭部に行う場合は、火傷の痕が残らない無痕灸むこんきゅうや、熱さがマイルドな知熱灸ちねつきゅうを用います。髪の毛を丁寧にかき分けて、的確にツボを温めます。
    • ショウガやニンニクの薄切りの上でもぐさを燃やす隔物灸かくぶつきゅうも、温熱効果と薬効成分の浸透が期待でき、適しています。

症状に合わせたツボの追加と特殊な鍼(粒鍼)の活用

  • 頭痛発作の軽減を図るために
    腕にある「曲池きょくち」、「外関がいかん」、手の「合谷」といったツボへの施術を追加します。
  • 肩こりを伴う場合には
    肩の「肩井けんせい」、肩甲骨内側の「曲垣きょくえん」、背骨の上の「身柱しんちゅう」などにも施術を加えることで、さらに効果が高まります。
  • 効果を持続させるための「粒鍼りゅうしん

いずれの場合も、治療が終わった後、効果を持続させるためにマグレインなどの粒鍼円皮鍼置き鍼とも呼ばれる、ごく小さな鍼や金属粒をシールで貼るもの)をツボに貼りつけることがあります。

これは、鍼灸治療の特殊な方法の一つで、過敏な体質で鍼や灸の刺激が苦手な方にも用いることができます。

皮膚に貼った粒鍼による持続的な圧迫刺激は、圧反射作用という働きを通じて自律神経に働きかけ、血管や神経の過度な興奮を抑え、その結果として鎮痛効果を発揮します。

一度貼ると3日程度効果が持続することが期待できますので、その間は貼ったまま生活していただきます。貼り替えのタイミングや方法は、施術の際に詳しくご指導いたします。

後頭神経痛の治療は、症状や体質に合わせて気長に継続することが大切です。 また、当院では、必要に応じて低周波の電気通電(パルス)療法や超短波療法などを組み合わせることもあり、これらも大変有効な場合があります。

3.後頭神経痛のリハビリとセルフケア

痛みが落ち着いてからのリハビリ方法(運動療法とストレッチ)

痛みが強い急性期を過ぎ、症状が落ち着いてきたら、再発予防のためにリハビリテーションを取り入れることが大切です。

  • 運動療法
    軽いウォーキングなど、全身の血行を促進する有酸素運動を無理のない範囲で行いましょう。
  • 筋肉の緊張を解消するストレッチ
    • 首の横伸ばし
      片手で反対側の側頭部を持ち、ゆっくりと横に倒して首の側面を伸ばします。
    • 首の後ろ伸ばし
      両手を後頭部で組み、ゆっくりと頭を前に倒して首の後ろを伸ばします。
    • 肩甲骨寄せ
      両手を背中の後ろで組み、肩甲骨を中央に寄せるように胸を張ります。 【ポイント】 ストレッチは、ゆっくりとした呼吸に合わせて、痛みを感じない心地よい範囲で行い、各ポーズを15~30秒程度キープします。

自宅でできる温熱療法

  • 蒸しタオル
    濡らしたタオルを電子レンジで温め、ビニール袋などに入れてから、首の後ろや肩に当てて温めます。
  • 入浴
    ぬるめのお湯にゆっくり浸かり、全身の血行を促進し、筋肉の緊張を和らげましょう。
  • 使い捨てカイロや温湿布
    凝り固まった部分を局所的に温めるのに役立ちます。

これらの温熱療法は、血行促進、筋緊張の緩和、鎮痛効果、リラックス効果などが期待できます。

4.後頭神経痛の予防法:再発を防ぐための生活習慣

後頭神経痛を予防するためには、日頃から生活習慣を見直し、心身の健康を維持することが重要です。

  • 姿勢の改善
    長時間の同一姿勢(特にデスクワークやスマホ操作時のうつむき姿勢)を避け、こまめに休憩を取り、ストレッチを挟みましょう。
  • 適切な枕選び
    高すぎず、低すぎず、首のカーブに合った枕を選びましょう。
  • 身体を冷やさない
    特に首や肩を冷やさないように、服装や室温に注意しましょう。
  • 適度な運動習慣
    全身の血行を促進し、筋肉の柔軟性を保ちましょう。
  • 禁煙
    喫煙は血管を収縮させ、血行不良の原因となります。
  • ストレス管理とメンタルケア
    ストレスは後頭神経痛の大きな誘因となります。リラックスできる時間を作ったり、十分な休息と睡眠を確保したり、バランスの取れた食事を心がけるなど、適切なストレス管理を行うことが、後頭神経痛の予防と健康維持に繋がります。

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