ヒステリー(神経症)とは何か
症状を和らげるための鍼灸治療
「原因不明の身体の不調が続く…」
「感情の浮き沈みが激しく、
急に身体に力が入らなくなることがある…」
「喉に何かが詰まったような違和感が取れない…」
そのつらい心身の不調、もしかしたらヒステリーかもしれません。
ヒステリーは、強いストレスや心理的な要因によって引き起こされる、心身の不調の総称です。現代医学では「解離性(転換性)障害」と診断されることもあります。
この記事では、この複雑な症状がなぜ起こるのか、その原因と特徴、そして東洋医学に基づく鍼灸治療がどのように心と身体のバランスを取り戻すサポートができるのかを詳しく解説します。
【目次】
1.ヒステリー(神経症)とは?
~その原因と主な症状~
ヒステリー(神経症)の主な症状

ヒステリー(神経症)とは、強い感情の抑圧や、満たされない不満が内向きになり、ご自身でも無意識のうちに耐えきれなくなった時、それが様々な身体症状として現れる状態を指します。 現代医学では「解離性(転換性)障害」などに分類されることもあります。
精神病とは異なり、ご本人が症状を自覚しているのが特徴ですが、その症状は多岐にわたります。
- 身体的な症状例
- ヒステリー球(咽喉頭異常感症)
腹部や喉に球のようなつっかえ感を訴える場合もありますが、これも検査では異物や腫瘍などは認められません。
なぜ起こるのか?その原因と要因
ヒステリー(神経症)を起こしやすいのは、感受性が豊かで、感情表現が大きく、デリケートな気質の方に多いと言われることがあります。 患者様は、他人が見ているところでは症状を過大に訴えるように見えたり、感情的・演劇的に振る舞ったりすることがあるため、周囲からは「仮病ではないか」と誤解されてしまうこともあります。しかし、実際にはご本人もその症状によって深く苦しんでいるのです。そのため、ヒステリーは神経症の一つとして分類されるのが一般的です。
【治療の基本】ヒステリーの治療の基本は、精神療法(心理療法)です。精神分析療法、森田療法、催眠療法、自律訓練法など様々なアプローチがあり、必要に応じて向精神薬が補助的に使用されます。
鍼灸治療の役割
鍼灸治療は、これらの専門的な治療と並行して、何よりもまず体調を整え、体力を強めることを目的とします。 東洋医学では、人の精神活動を支配しているのは頭脳だけでなく、むしろ「臓腑」(内臓の機能システム)であると考えます。
鍼灸治療の狙いは、この臓腑の働きを改善し、心身のアンバランスを是正することにあります。 神経のイライラは、むくみや冷えといった循環器系の不調や、食欲不振や便通異常といった消化器系の不調を伴うことが非常に多いです。鍼灸治療は、これらの身体症状を和らげることで、結果として心の安定にも繋げていきます。
2.ヒステリー(神経症)に対する鍼灸治療
ヒステリー(神経症)に対する鍼灸治療は、つらい身体症状を緩和し、心身のバランスを取り戻すための、薬に頼らない有効な選択肢の一つとなり得ます。
症状緩和に効果が期待できる主要なツボの例
症状や体質に合わせて、以下のツボを中心に施術します。
具体的な鍼灸治療法
お灸の活用
お灸も非常に有効です。米粒大または半米粒大のもぐさを1カ所に3~5壮すえます。「5日間続けて2日休む」といった方法を繰り返すことで、体質改善を促します。 特にヒステリー球(喉のつかえ感)には、「膻中」へのお灸と、首にある「人迎」、「天突」への鍼治療が効果的とされています。
3.ご家庭でできるセルフケアと
悩みの解消に向けて
日常での対処法
気分がすぐれず、イライラしたときは、ご自身の手のひらを優しくマッサージしてみましょう。
- 方法
手のひらのほぼ中央で、やや親指寄りにあるふくらみの辺り(「労宮」というツボの周辺)を、反対の手の親指で気持ち良いと感じる程度の強さで、よくもみほぐします。 - 期待できる効果
手のひらへの心地よい刺激は、高ぶった神経を鎮め、イライラした気持ちを徐々におさめるのに役立ちます。
不安や緊張を和らげる様々な方法
- 深呼吸や瞑想
ゆっくりとした深い呼吸を意識することで、呼吸を整え、心を落ち着かせます。 - アロマセラピー
ラベンダーやカモミールなど、リラックス効果のあるアロマオイルの香りを嗅ぐのも良いでしょう。 - 音楽療法
心地よいと感じる音楽を聴くことで、心を癒し、リラックスを促します。
心身の調和を取り戻すために
何よりも大切なのは、自分自身の心と体と向き合い、無理のない範囲で生活習慣を改善していくことです。 鍼灸治療と並行して、専門家によるカウンセリングや心理療法を受けることも、悩みの根本的な解消に向けて非常に有効なアプローチです。
ひごころ治療院では、あなたの心と身体の声に耳を傾け、穏やかな毎日を取り戻すためのお手伝いをさせていただきます。一人で抱え込まず、ぜひ一度ご相談ください。














