慢性関節リウマチ

慢性関節リウマチ

関節リウマチの原因にアプローチ
鍼灸治療による多角的な視点

「朝、指がこわばって動かしにくい…」
「関節の痛みが日によって違う、

天気が悪いと特に痛む…」
「薬を飲んでも、だるさや痛みが

すっきりしない…」

慢性関節リウマチは、単なる関節の痛みだけでなく、全身の倦怠感や微熱など、様々な症状を伴う自己免疫疾患の一つです。治療が長期にわたることも多く、日常生活に大きな影響を及ぼします。

この記事では、慢性関節リウマチの基本的な知識から、西洋医学の治療を補完し、生活の質(QOL)を高めるための東洋医学・鍼灸治療によるアプローチについて、詳しく解説していきます。

【目次】

  1. 慢性関節リウマチとは?~その原因と様々な症状~
    • 関節リウマチの正体 「膠原病」の一種
    • 主な原因についての考え方
    • 関節リウマチの代表的な症状(初期症状から全身症状まで)
  2. 関節リウマチに対する鍼灸治療
  3. 【ひごころ治療院的考察】免疫学から考える慢性関節リウマチ
    • 顆粒球とリンパ球のバランス
    • 薬剤の使用に関する東洋医学的な視点
  4. ひごころ治療院でのご相談

1.慢性関節リウマチとは?
~その原因と様々な症状~

関節リウマチの正体 「膠原病」の一種

慢性関節リウマチの原因

慢性関節リウマチは、膠原病こうげんびょうといわれる病気の一つです。 膠原病とは、全身の様々な臓器や組織のすき間を埋めている「結合組織」に、原因不明の炎症が起こる病気の総称です。 関節リウマチは、その炎症が主に関節に現れるものであり、関節だけでなく全身に影響が及ぶ全身性の疾患です。

主な原因についての考え方

関節リウマチがなぜ起こるのか、その明確な原因はまだ特定されていませんが、以下のような説が考えられています。

  • ウイルス説
    特定のウイルス感染が引き金になるという考え方。
  • 自己免疫説
    免疫システムに異常が生じ、自分自身の組織(特に関節の滑膜)を攻撃してしまうという考え方。これが現在最も有力です。
  • その他
    遺伝的な要因や、扁桃炎などの慢性的な感染巣が「リウマチ因子」を作るのではないかという説もあります。

関節リウマチの代表的な症状
(初期症状から全身症状まで)

  • 初期症状
    • 朝起きた時の手指のこわばり。 しばらく動かしていると和らぐのが特徴です。
  • 関節症状
    • 左右対称に関節がおかされやすいです。(例:両方の手首、両方の指の関節など)
    • 関節の痛み、腫れ、熱感が繰り返し起こり、持続することもあります。
    • 症状は、指の関節から手首、肘、そして足の関節、膝というように、小さな関節から大きな関節へと進んでいく傾向があります。
    • 進行すると、関節が破壊され変形し、「リウマチ結節」と呼ばれるこぶができることもあります。
  • 全身症状
    • なんとなく元気がない、微熱が続く
    • 疲れやすい、全身の倦怠感
    • 食欲不振、体重減少
    • 貧血
    • 手足の冷え、腰痛、便秘、不眠など
  • 天候との関連: 季節の変わり目や、雨の日など湿気の多い時に、特に痛みが強くなる傾向があります。

罹患しやすい方
20歳以上の女性に発症することが多く、一般的に女性患者は男性患者の3倍といわれています。症状が慢性化すると、現代医学でも完治(病気が完全になくなること)は難しく、症状をコントロールし、病気の進行を抑えることが治療の主眼となります。そのため、治療効果があった場合でも「治癒」ではなく「寛解かんかい」という用語を用いるのが普通です。

2.関節リウマチに対する鍼灸治療

鍼灸がリウマチの症状緩和に役立つ理由

東洋医学(鍼灸や漢方)は、病気そのものだけを診るのではなく、病に悩む「人」そのものを診ることを治療の前提としています。 そのため、関節リウマチのように、全身の組織に炎症が起こり、関節症状だけでなく内科的な症状も現れ、さらには気候にも左右されるような、複雑で慢性的な全身性の病気に対して、鍼灸治療は非常に適したアプローチと言うことができます。

ひごころ治療院では、医師による専門的な治療を尊重し、それと並行して鍼灸治療を行うことで、相乗効果を目指します。 実際に、西洋医学的治療と鍼灸治療の併用が、リウマチ患者のQOL(生活の質)向上に寄与することは、多くの臨床検査結果や学会報告でも実証されています。

鍼灸治療で特に改善が期待できる症状

  • 朝のこわばり、関節の痛みの緩和
  • 頭重、肩こり、腰痛といった随伴症状の軽減
  • 不眠、手足の冷えの改善
  • 食欲増進、疲労感の軽減による体力向上

鍼灸治療は、痛む関節だけを対象とするのではなく、全身の血液循環を良くし、患者様が訴える身体全体の不調を整えることに主眼を置きます。これが、鍼灸治療のねらいであり、効果を発揮するポイントです。

症状緩和に効果が期待できる主要なツボの例

リウマチの症状や体質に合わせて、以下のツボを中心に全身調整を行います。

背部 「肝兪かんゆ」、「脾兪ひゆ」、「腎兪じんゆ
腹部 「中脘ちゅうかん」、「天枢てんすう」、「大巨だいこ
手部 「曲池きょくち」、「尺沢しゃくたく」、「曲沢きょくたく
   「陽池ようち」、「陽渓ようけい」、「大陵だいりょう
足部 「膝眼しつがん」、「解渓かいけい」、「太渓たいけい

などが挙げられます。

具体的な鍼灸治療法

関節リウマチは全身の結合組織をおかす病気であるため、患者様は関節の節々の痛みや腫れと共に、疲れやすさ、食欲不振、便秘、不眠、頭痛といった様々な全身症状を訴えます。 鍼灸治療のねらいは、これらの全身症状を軽減することであり、それぞれの症状に対応するツボを活用した治療が大切になります。そして、患者様の全身の血液循環を改善することが治療の重要なポイントです。

  1. まず、患者様にとって最も痛む関節の周囲にあるツボを刺激し、痛みの緩和と炎症の抑制を図ります。
  2. 次に、身体の機能を高め、全体の調子を整えるために、痛みの場所にかかわらず、背中にある「肝兪」、「脾兪」、「腎兪」や、お腹にある「中脘」、「天枢」、「大巨」といったツボを必ず刺激します。
  3. その上で、手足にあるツボ(「曲池」、「尺沢」、「膝眼」など)を用いて、全身の気血の流れを調整します。

リウマチ患者様のお身体は非常にデリケートなため、刺激量には細心の注意を払います。強すぎる刺激はかえって症状を悪化させることもあるため、お一人おひとりの状態に合わせて、最適な刺激量を慎重に見極めながら施術を行います。お灸灸治療)を行う場合は、上記のツボやその周辺で圧痛やコリのあるところを選択し、1日1回、米粒大のもぐさを各3壮ずつすえる、といった方法を用います。

3.【ひごころ治療院的考察】
免疫学から考える慢性関節リウマチ

顆粒球とリンパ球のバランス

慢性関節リウマチ(RA)の患者様の末梢血を調べると、多くの場合、免疫細胞であるリンパ球の減少と、主に細菌と戦う顆粒球かりゅうきゅうの増加というパターンが認められます。 実際に、RA患者様の関節液中に集まる炎症細胞の実に95%以上が顆粒球であると言われています。 このことから、RAの炎症は、他の多くの自己免疫疾患と同様に、基本的には免疫機能のアンバランスがあり、リンパ球が減る代わりに顆粒球が増加して、顆粒球が主体となった炎症が起きている、という見方ができます。 顆粒球は、周囲に細菌がいると化膿性の炎症を作りますが、細菌がいない無菌状態では、自身が放出する活性酸素などによって組織破壊を伴う炎症を引き起こすと考えられています。

薬剤の使用に関する東洋医学的な視点

このような顆粒球主体の炎症に対して、現代医学では痛み止め(NSAIDs)やステロイドといった薬剤が広く用いられています。 これらの薬剤は、リンパ球が関わる一部の炎症に対しては優れた抗炎症作用を発揮しますが、顆粒球主体の炎症に対しては、時に顆粒球の働きをさらに活性化させたり、血流を低下させたりすることで、結果的に組織の修復を妨げてしまう可能性も指摘されています。

実際に、これらの薬剤の使用を急に停止すると、関節に激しい発赤、発熱、痛みといった離脱症状(リバウンド現象)が生じることがあります。 東洋医学では、これを「身体が本来の治癒力を取り戻そうとして、血流を回復させている過程で起こる治癒反応瞑眩めんげん)の一種」と捉えることがあります。

4.ひごころ治療院でのご相談

慢性関節リウマチは、長期にわたって付き合っていく必要のある疾患です。つらい痛みを和らげ、日々の生活の質を少しでも向上させるために、専門医による治療と合わせて、鍼灸治療という選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。

ひごころ治療院では、あなたの症状と体質に真摯に向き合い、鍼灸治療を通じて、穏やかな毎日を取り戻すためのお手伝いをさせていただきます。

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