胃潰瘍の発症メカニズム
免疫学とストレスの関連
胃潰瘍や胃炎は、単に胃酸による自己消化が原因ではありません。罹患する時期に患者が抱える深い悩みや過労といった精神的・身体的ストレスが、免疫システムに作用して引き起こす現象だと考えられています。このストレスが引き起こす顆粒球の増多と、長らく信じられてきた「酸消化説」との対比から、胃潰瘍の真の発症メカニズムを解き明かします。
免疫学から考える胃潰瘍
胃炎や胃潰瘍を患う人は、罹患する時期に深い悩みや心理的な重圧に苛まれ、また、多忙で休む暇もないことが多いようです。このような状態は交感神経緊張状態であり、副交感神経の支配下にある消化器機能は低下します。具体的には、胃などの蠕動運動の抑制、胃酸や消化酵素の分泌抑制が起き、食欲不振につながります。
このような交感神経緊張は、アドレナリン受容体を持つ顆粒球の増多を招き、それが粘膜や組織の障害を引き起こすことになります。これが胃炎や胃潰瘍の発症メカニズムだと考えられます。
長い間、胃潰瘍形成のメカニズムとして、胃が分泌する酸による自己消化が原因だとされる「酸消化説」が考えられてきました。しかし、この説は提唱者自身が初めから疑問が多いことを述べており、胃の特殊性を過度に考慮した暫定的なアイデアであったと思われます。
胃潰瘍では顆粒球増多が認められる
胃潰瘍の原因は、
- 精神的ストレス
- 過労
- 非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)の長期使用
- 細菌感染(ヘリコバクター・ピロリ菌も含む)
の順で多いと考えられますが、これら全てに共通する因子は交感神経の緊張状態です。
胃潰瘍患者において、本当に交感神経緊張があり、その結果として顆粒球増多が末梢血に現れているかを検討したところ、顆粒球の絶対数および比率の両方で、顕著な顆粒球増多症が胃潰瘍患者に認められました。
顆粒球増多は必ず全身反応として現れるため、胃の粘膜などへの顆粒球浸潤も多い可能性があります。実際に、胃潰瘍患者の胃切除標本を多数観察すると、粘膜下に多数の顆粒球が確認されています。










この記事を読めば、免疫について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!
今回の講義の概要
・ストレスと交感神経緊張による消化機能低下
・顆粒球増多が組織障害を引き起こす
・従来の「酸消化説」の限界