免疫調整 の3つの段階:自律神経、ホルモン、サイトカインの役割
免疫 12
免疫調整 の3つの段階
自律神経系による調節
そのときの体調に最も合ったリンパ球による免疫系と、主に顆粒球による貪食系の分布をつくるために、自律神経系がこの調節を受け持っています。つまり、免疫系は副交感神経、貪食系は交感神経系によって調節されています。これによって、その生体がいま免疫系を働かせるべきか、貪食系を動かすべきかが決定されます。
副腎皮質ホルモンによる調節
次の段階の調節は、副腎皮質ホルモンによって行われます。生体が強いストレスを受けた場合、進化した胸腺を中心とした免疫系が一時停止され、進化レベルの古い腸管や肝臓の免疫系に移行します。この反応はストレスによる胸腺の萎縮という形で表れますが、ここにも重要な免疫調節が含まれています。
サイトカインによる調節
主に免疫系に使われている寿命の短い伝達物質であるサイトカインは、リンパ球間の相互作用、あるいはマクロファージとリンパ球間の相互作用のために発達してきた分子群です。サイトカインの中でもTNF-α(腫瘍壊死因子‐α)、IFN-γ(インターフェロンγ)、IL-6(インターロイキン6)は炎症性サイトカインとも呼ばれ、歴史の古いものです。サイトカインの調節は最も下位の段階といえます。
このように、免疫調節は主に3つの段階で行われていますが、最も上位の調節は自律神経系によって行われています。自律神経が生体エネルギー系(酸化還元反応)と直接連携しているためです。免疫系だけでなく、すべての生体調整は生体のエネルギー(消費か蓄積か)によって最終的に影響を受けると考えられます。
この記事を読めば、免疫について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!
今回の講義の概要
・自律神経系による免疫調節
・副腎皮質ホルモンによる調節
・サイトカインによる調節