面長の人は胃腸が弱い?
「肝旺タイプ」の
意外な弱点とストレス胃痛の正体
「体力には自信があるし、筋力もしっかりしている。でも、なぜか胃腸だけは弱くて…」。そんな矛盾を感じたことはありませんか?東洋医学の視点で見ると、それは矛盾ではなく、むしろ必然かもしれません。本稿では、リーダー気質で活動的な「肝旺タイプ」が抱える意外なリスクと、顔の形(望診)だけで自分の体質を見分ける方法について解説します。自信のある「強み」が、実は内臓の「弱み」を生み出しているメカニズムを紐解いていきましょう。
この記事を読めば、東洋医学について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!
病気の原因は何か
体質と病因
【体質別診断】「肝旺タイプ」の特徴とリスク|胃腸が弱りやすいメカニズム
東洋医学講座 430 では、体質とは「五系統のバランスの偏り」であることを解説しました。
ここでは、五系統の中で「肝」の働きが最も強い、「肝旺タイプ」を例に挙げ、その具体的な特徴と、陥りやすい病気のメカニズム(病因)について深掘りします。
- 人体における「リーダー」の存在
この世のあらゆるシステムには、必ず中心となる「主体」が存在します。
太陽系には太陽があり、組織にはリーダーがいるように、私たちの身体もまた、脳からの指令を五臓(肝・心・脾・肺・腎)が受け取り、その中の「最も強い系統」がリーダーとなって身体全体を牽引しています。
「肝旺タイプ」とは、読んで字のごとく、肝のシステムがリーダーシップを握っている体質です。
これは「肝臓だけが働いている」という意味ではありません。全系統が連携する中で、常に肝が先頭に立ち、生理活動のペース配分を決めている状態を指します。
- 体調を左右する「時」と「場」のルール
体質というベースラインの上に、さらに複雑さを加えるのが「時間」と「状況(場)」です。
- 時間の主体性
自然界に春夏秋冬があるように、臓器にも活発になる時間があります。肝系は「春」と「朝」に最も力が増し、心系は「夏」と「昼」にピークを迎えます。 - 場の主体性(状況による強制)
本来、臓器が休むべき時間帯(夜間など)であっても、残業や徹夜、あるいは夜中のトイレといった行動をとれば、身体は緊急体制(非常働動状態)に入り、強制的に臓器を働かせます。
健康な肝旺タイプであっても、こうした「時」や「場」の無理が重なれば、リーダーである肝の負担が増大し、システム全体が揺らぎ始めます。これが不調の入り口です。
- 肝旺タイプの「得」と「失」
物事には必ず裏表があります。肝系が強いことは、素晴らしい長所(得)である反面、明確な弱点(失)にもなります。
- 長所(得)
肝は「筋(筋肉・腱)」や「神経系」を司ります。そのため、肝旺タイプの人は、運動神経が発達しており、決断力や行動力に優れたリーダー気質の方が多いのが特徴です。 - 短所(失)
東洋医学の「相剋理論」において、肝(木)は脾(土)を攻撃する性質があります(木剋土)。
つまり、肝のエネルギーが強すぎたり、ストレスで肝が昂ぶったりすると、その余波はすべて「脾系(胃腸・消化器)」へのダメージとなって現れます。
「ストレスを感じると胃が痛くなる」
「緊張するとお腹を下す」
こうした症状は、単なる偶然ではなく、肝旺タイプ特有の「勝ちすぎる気が胃腸を攻める」という生理学的メカニズムによるものなのです。
- 【望診】面長な顔は「肝」のサイン
ご自身が肝旺タイプかどうかを見分ける、最もシンプルな方法が「顔の形」です。
人相学的、また医学的な観察(望診)において、「面長で筋骨がしっかりしている顔」は、肝系の強さを示しています。
顔の筋肉が発達しているために輪郭が縦に長くなるのですが、これは全身の筋肉や神経系が強いことの証明でもあります。
もしあなたが「面長」で、かつ「活動的」なタイプであれば、高い確率で肝旺タイプと言えるでしょう。
その場合、最もケアすべきは、自信のある体力や筋肉ではなく、実はデリケートな「胃腸」である可能性が高いのです。












今回の講義の概要
五臓のリーダーである「肝」が強い人は、決断力や行動力(運動神経)に優れていますが、その強いエネルギーがストレスなどで過剰になると、相剋関係にある「脾(胃腸)」を攻撃してしまいます。
緊張するとお腹を下したり、イライラで胃が痛くなるのは、肝(木)が脾(土)を剋する生理学的メカニズムによるものです。
鏡を見てください。筋骨がしっかりした「面長」の顔立ちは、肝の気が強い証拠です。このタイプの人は、体力過信による胃腸のケア不足に特に注意が必要です。