人体における「根」と「葉」 ー 外見から内臓を読む
私たちの身体は、まるで一本の木のように、目に見えない「根」と、その状態を映し出す「葉」や「花」で成り立っていると、東洋医学では考えます。本稿では、耳をはじめとする五官や皮膚といった身体の外側に現れるサインが、どのように内臓の健康状態と結びついているのか、そして的確な診断がいかに重要であるかについて解説します。
この記事を読めば、東洋医学について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!
腎と耳
人体における「根」と「葉」の関係
人体において、五つの感覚器官(五官)は、脳や五臓の状態が現れる「苗」「花」「葉」のような関係性を持っていると、以前にも述べました。さらに、人間は全ての器官が連携して機能する統一体(全機性)であるため、例えば皮膚なども全て五臓の働きによって成り立っています。これを草木に例えるならば、「根」とその「葉」の関係と言えるでしょう。つまり、耳をはじめとする身体の外側に現れる状態を観察することで、その内側にある「根っこ」、すなわち臓腑の状態を推測することができるのです。
内臓のどこかに異常が生じると、何らかの症状が現れます。そして、その症状が身体の外部に現れたものを観察し、内側の状態を察知することが診断の基本となります。したがって、的確な診断ができない者は、適切な治療を行うことも、患者さんに対して正しい指導をすることもできません。診断を誤れば治療も誤ることになるため、診断力なくしては何も始まらないと言えるでしょう。
今回の講義の概要
耳などの五官や皮膚は、内臓(根)の状態が外部に現れる「苗」「花」「葉」のような存在であり、これらを観察することで内臓の状態を推測できます。
人体は全ての器官が連携して機能する統一体(全機性)であり、外見の変化は内臓の異常を反映する重要な手がかりとなります。
身体の外部に現れた症状から内側の状態を正確に察知する「診断力」は、適切な治療と指導の基盤であり、これがなければ治療は成り立ちません。