東洋医学の「腎」のすべて
水・骨・耳・黒・恐れを繋ぐ
「水気」の法則
東洋医学における「腎」とは、一体何なのでしょうか?それは単なる臓器の名前ではありません。天候の「寒さ」、大地の「水」、身体の「骨」、感覚器の「耳」、感情の「恐れ」まで、森羅万象を貫く「水気」というエネルギーシステムそのものを指します。本稿では、古典の教えに基づき、この深遠な「腎」の働きとその全体像を徹底的に解説します。
この記事を読めば、東洋医学について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!
水気の生成
東洋医学の古典において、「水気」(五行における「水」のエネルギー)は、以下のように万物と対応付けられています。
- 天(自然現象)においては「寒」となり、
- 地(物質)においては「水」となる。
- 人体(組織)においては「骨」となり、
- 臓においては「腎」となる。
- 色(五色)においては「黒」となり、
- 音(五音)においては「羽」となる。
- 声(五声)においては「呻」(うめき)となり、
- 竅(五竅)においては「耳」となる。
- 味(五味)においては「塩」(しおからい)となり、
- 志(五志)においては「恐」(おそれ)となり、
- 変動(症状)においては「慄」(ふるえ)となる。
この関係性は、生成の順序としても説かれています。
「北方は寒さを生ず。
寒は水を生ず。(水は寒と応じ、)
寒は腎を生ず。
腎は骨髄を生ず。
髄は肝を生ず。
腎は耳を司る。
腎は(唾などの)液を司る。
腎気は黒色と関連し、
腎気は唾液を生ず。」
とされています。
要約すると、古典では「腎は水を象り、冬に旺ず(働きが盛んになる)。その脈は沈脈であり、その外候(外部に現れる状態)は耳である。骨を養い、(恐れなどの)志を蔵す」と説かれています。
経絡においては、「足の少陰腎経」であり、膀胱経と表裏の関係にあります。膀胱は「腑」として表を司り、「足の太陽膀胱経」に属します。対して、腎は「臓」として裏(内側)を司るのです。










今回の講義の概要
東洋医学では、「腎」は五行の「水」に属し、天の「寒」、地の「水」、色の「黒」、味の「塩」、感情の「恐れ」など、森羅万象の「水気」に関連するすべての事象を統括します。
腎は「骨髄」を生み、「耳」にその状態が現れ、「唾」を司ります。また、「恐れ」の感情を蔵し、その脈は深く沈んでいます(沈脈)。
腎は「臓」として身体の裏(内側)を司り、対となる「腑」である膀胱が表(外側)を司ることで、互いに連携して働いています。