肺と辛味 ー辛味の適度と過度な摂取の影響
肺と辛味
「辛味過ぎれば筋脈は沮弛(そち)して精神すなわち夬(かい)す」と古典は述べています。これは、辛味が過ぎれば肺が亢進し、肝を剋して筋脈を収斂させ、のちに弛緩し、精神にムラができるという意味です。また、辛味を多く摂ると筋が引きつり、爪も枯れると書かれています。
辛味は皮毛や筋腱を適度に収斂させ、肺気を養います。しかし、過度に摂ると収斂が強まりすぎて引き締まり、かえって肺気を傷め、肝力を剋傷します。
<五味と五時>
- 春・朝 ・・・不可
- 夏・昼 ・・・不可
- 長夏・午後 ・・・可
- 秋・夕 ・・・可
- 冬・夜 ・・・可
辛味の過害は、肺気の旺気を通じて他の系統の弱点に剋傷を起こします。例えば、腸が弱い人が辛味を食べ過ぎると痔になり、腎が弱い人が辛味を常食すると腎炎になることがあります。また、肝系が弱い人が辛味を食べ過ぎると、筋肉が引きつり、肩こりや手足の筋腱が引きつることがあり、常食すると肝炎になることもあります。
この記事を読めば、東洋医学について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!
今回の講義の概要
・辛味の適度な摂取とその効果
・辛味の過度な摂取の弊害
・五味と五時の関係