肺と浮脈 ー病位と症状の識別方法
肺と浮脈
秋や夕方に浮脈が現れるのは正常であり、それ以外に見られる浮脈は病脈であり、病位を示します。
肺系は体表部にその働きを司り、衛気をもって表を守ります。脈もこの肺の旺盛なときは表部にあり、体表近くに浮き上がります。すなわち、肺の位置に脈があります。
浮脈は指を軽く表皮に当てると感じられ、少し強く押すと脈が薄く隠れてしまいます。洪脈は浮いていて実大であり、浮脈は浮いていて大きく柔らかいです。
浮の病脈
- 浮脈:病邪が体表にあることを示す
- 浮で強い脈:実証タイプの体表に邪が入り、熱があることを示す
- 浮で弱い脈:虚証タイプの体表に邪が入り、陽虚証であることを示す。心臓が弱って風邪をひいた状態
- 浮で洪大な脈:全身の表裏に強い邪熱が発している
- 浮で遅大な脈:体力が弱く、全身の熱が解熱しきれないときの虚脈(遅脈は1分間に60以下)
- 浮で柔細な脈:心肺が亢進し表部に熱を発し、腎肝が虚弱しているときの脈
浮脈の脈証
- 浮数=風熱:速刺・速抜して表邪を瀉す
- 浮緊=風寒:補刺した後に瀉す
- 浮弦=痰飲:水毒性
- 浮緩=風湿:裏の部に邪が入る
- 浮虚=中暑:暑が表に入って暑にあたる
- 浮濇=虚熱:体が弱っている
- 浮散=陰虚邪:体が弱っている
- 浮芤=貧血:心が弱く、心圧がない
浮脈は表位に病があるので、浅刺するのが原則です。また、実証は表部を瀉し、虚証は表裏を補します。
この記事を読めば、東洋医学について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!
今回の講義の概要
・浮脈と正常な状態
・肺系と浮脈の関係
・浮脈の病脈と脈証の種類