東洋医学講座 434 病気の原因は何か 体質と病因

赤い背景に「東洋医学講座 434」「病気の原因は何か」「体質と病因」と書かれている

病気の根本原因を探る
肝旺タイプから波及する「脾系」の不調とは

なぜ、特定のタイプの人は決まって胃腸や全身の重だるさを感じるのでしょうか。東洋医学では、一つの臓理の乱れが連鎖的に他へ影響を及ぼすと考えています。今回は、肝の昂ぶりが脾(消化器系)を侵食する「木剋土もくこくど」の状態と、そこから派生する具体的な疾患について解説します。

1. 体質と病因
肝旺タイプが陥りやすい負の連鎖

「肝」のエネルギーが過剰な状態(肝旺)で、不摂生や過労を重ねると、五行説における「木剋土もくこくど」という現象が加速します。これは、肝(木)の勢いが強すぎて、脾(土:消化器系)を弱めてしまう状態です。

重度な機能低下への進行

軽度の不調を放置し、「自分のしたいこと」を優先して体力を削り続けると、病態はさらに深まります。その結果、以下に挙げるような「脾系」を中心とした広範な疾病へと発展していきます。

2. 脾系の機能低下によって
現れる5つの疾患群

  1. 消化器・胃腸関係の疾病

胃炎や十二指腸潰瘍など、すべての消化器疾患がここに含まれます。

体質や生活習慣によって現れ方は千差万別ですが、共通しているのは「食べたものをエネルギーに変える力」の著しい低下です。

  1. 膵臓関係の疾病

代表例は糖尿病です。東洋医学における「脾」の概念は現代医学の膵臓の機能とも密接に関わっており、内分泌系の乱れとして発症します。

  1. 脾臓(造血・免疫)関係の疾病

ここでは脾系における「脾臓そのもの」の病態を指します。造血性脾腫など、血液や免疫システムに深く関わる疾患が該当します。

  1. 鼻腔関係の疾病(顔面の象徴)

東洋医学では「鼻は脾の華(あるいは外候)」とされ、鼻の状態は脾の働きの象徴です。慢性的な鼻炎や副鼻腔の問題は、実は鼻そのものではなく、脾系の障害が顔面に現れたサインといえます。

  1. 全身関係の疾病(代謝と倦怠感)
  • 肥満
    適正体重を大きく外れる状態は、代謝の異常という名の疾患です。
  • 全身倦怠・浮腫
    すい」の巡りが滞ることで、全身の重だるさやむくみとして現れます。

3. まとめ
身体は一つの「系」としてつながっている

今回は便宜上、臓器ごとに分けて説明しましたが、身体は決して独立して動いているわけではありません。

「脾が病むときは、必ずじんにも問題が起きている」

このように、一つの不調の裏には必ず関連する他臓のサインが隠されています。対症療法的に一部を見るのではなく、身体全体の「回復の余白」を見極め、根本から読み解くことが肝要です。