東洋医学講座 359

東洋医学講座 359 肺と浮脈

肺と浮脈 ー東洋医学における脈診の重要性

ひごころ治療院

この記事を読めば、東洋医学について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!

今回の講義の概要

肺と浮脈の関連
脈診の方法とその意
四季と時間との関連

肺と浮脈

脈の診断と浮の病脈

肺系は主に体表部に存在し、衛気をもって表面の防御に働いています。肺の脈も表部にあるため、体表に脈を見たら肺と関連していることがわかります。また、表部に多く血液が行っていることがわかります。脈が上に浮いているときは、血液が表部にあり、沈んでいるときは、血液が深いところに集中して流れています。

脈で何を見るか

脈には、上に浮いている脈、下に沈んでいる脈、真ん中にある脈の三位があります。その上・中・下のどの脈位にあるか、また、脈が大きいか小さいか、太いか細いか、流れが速いか遅いか、強く打っているか弱く打っているか、すなわち圧力があるかないかなどの区別があります。このように、脈を通して体の状態を知ることができます。つまり、体が弱ければ弱い脈、体が寒ければ寒い脈、暑ければ暑い脈が現れます。要するに、根が弱ければ葉も弱いということです。これは脈だけでなく、皮膚の色艶などでもわかりますが、脈は早くその人の状態を把握する手段です。

したがって、どの見方を用いたとき、何が一番わかるかを知る必要があります。例えば、血色は現状を診ることができますが、さらに現状を背景にした近い過去もわかります。脈と比較して過去を知ることができます。

また、脈は心臓の状況を反映するため、体の状態を心臓を通して診ることができます。脈は現状中の現状を現します。浮脈は、指を軽く当てると感じる脈であり、濇脈(しょくみゃく)であります。浮脈で濇脈は、秋の夕方に打っている場合が正常で、それ以外の季節に打っている場合は病脈です。脈と春夏秋冬の四季、一日のうちの時間は非常に密接な関係があります。

洪脈は、浮いていて他の浮脈に比べて実大です。非常に太く強く、沈脈と比較して速い脈です。これは、洪脈はもともと夏の脈であり、夏は体が暑く、陽遁期なので血液は内臓の裏よりも表に浮いています。これは体熱を発散させるためです。したがって、脈のあり方によって体の血液の配分がわかります。

浮脈は浮いていて柔らかいのが普通です。夏は陽遁で暑く、土用から初秋に入る涼気が加わり、陽の力で打っていた脈は少し速さを落とし、冷えのために少し縮まります。この縮まった部分、すなわち周囲は少し固くなりますが、中は柔らかい、例えばタマネギの状態です。したがって、強く押せば脈を感じなくなります。これは熟練するとよくわかるようになります。

したがって、浮(濇)脈というのは、浮、大にして軟です。そして、秋の夕方に現れる脈です。この季節以外に出る浮脈は病脈であり、病位を示します。「脈あるところに病あり」といわれるように病状と病位がわかります。

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