過敏性腸症候群の正体
下痢と腹痛は
体を守る「治癒反応」だった
通勤電車や会議中に突然襲ってくる腹痛と下痢。過敏性腸症候群(IBS)に悩む人の多くは、この不快な症状を薬で止めようと必死になります。しかし、その「下痢」や「痛み」が、実はストレスでガチガチになった体を緩めようとする「必死の治癒反応」だとしたら? 自律神経のシーソーゲームから、薬に頼らない真の解決策を導き出します。
免疫学から考える過敏性腸疾患
私たちはストレスを受けると、交感神経系が緊張し、消化管の機能が抑制されます。消化管の蠕動運動や消化液の分泌は副交感神経の支配下にあるため、交感神経の緊張によってこれらの機能が低下し、胃腸の不調や食欲不振が引き起こされます。
その結果、上部消化管では胃炎などが、下部消化管では便秘が生じやすくなります。しかしこの時、体はこの交感神経緊張状態から逃れようとして、反動的な副交感神経反射を起こします。これが下痢や腹痛をもたらすのです。この緊張(便秘)と反射(下痢)を繰り返す病態が、過敏性腸疾患(過敏性腸症候群)です。

薬を使わずにストレスを除けば治る
下痢や腹痛は不快ですが、この症状そのものを治療対象にするのは間違いです。なぜなら、それらは生体が正常に戻ろうとする治癒のための自律神経反射だからです。安易な下痢止め、痛み止め、副交感神経抑制剤の使用は、かえって病気を難治化させます。自身のストレスを把握し、その原因を取り除くことができれば、過敏性腸疾患は治癒します。
機能性や器質性の腸疾患に対する正しい病態把握がなされていないために、このようなありふれた病気さえ治すことができないのが現状です。また、NSAIDsやステロイドホルモンが、顆粒球が関与する炎症に対しては増悪作用を示すことを、深く理解する必要があります。










この記事を読めば、免疫について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!
今回の講義の概要
・IBSは自律神経のシーソーゲーム
・症状は「治癒反射」である
・薬による対症療法は難治化を招く