無性に甘いものが食べたい時は
「脾(胃腸)」のSOS?
黄色い食材で整える食養生
「疲れていると、
無性に甘いものが食べたくなる」
「食後にスイーツを食べないと気が済まない」
「ランチの後、泥のような眠気に襲われる」
もし心当たりがあるなら、それは単なる「疲れ」や「意志の弱さ」ではありません。東洋医学の視点で見ると、消化吸収を司る「脾」、すなわち胃腸の機能が低下しているサインである可能性が高いのです。
私たちの体は、弱っている部分を補うために、本能的に特定の味を欲します。脾が弱ると欲しくなるのが「甘味」です。しかし、ここでケーキやチョコレートなどの「強い甘み」を選んでしまうと、かえって胃腸を傷つけてしまうという悪循環に陥ります。
この記事では、なぜ胃腸が弱ると甘いものを欲するのか、そのメカニズムを解説し、お菓子に頼らずに身体を深く癒やす「黄色い食材」を使った食養生についてご紹介します。
1.なぜ「甘いもの」が止まらなくなるのか?
脾と味覚の関係
東洋医学には「五行説」という考え方があり、内臓と味覚には深い関連があるとされています。
消化吸収を担い、身体のエネルギー(気・血)を作り出す「脾」は、五行の「土」に属し、相性の良い味は「甘味」です。
- 脾の働き
食べたものを消化し、栄養(気血)に変えて全身に送る。 - 甘味の働き
緊張を緩め、痛みを取り、滋養強壮の効果がある。
仕事やストレスでエネルギーを消耗し、脾の働きが低下すると、身体は手っ取り早くエネルギーを補給しようとして、「甘味」を強烈に欲求します。つまり、「甘いものが食べたい」という衝動は、「胃腸が疲れているから、エネルギーを補給してほしい」という身体からのSOSなのです。
2.要注意!胃腸を弱らせる
「間違った甘み」とは
ここで重要なのが、「どんな甘みをとるか」です。脾は甘みを好みますが、同時に「湿気(湿邪)」を非常に嫌うという性質を持っています。
白砂糖をたっぷり使った洋菓子、チョコレート、清涼飲料水などの「精製された強い甘み」は、身体を冷やすだけでなく、体内にベタベタとした「湿気」を生み出しやすい性質があります。
これを東洋医学では「湿痰」と呼びます。
強い甘みの悪循環
このループを断ち切るためには、脾を湿らせずに養う「正しい甘み」を選ぶ必要があります。
3.脾を救う魔法の色
「黄色い食材」リスト
では、弱った脾には何を与えればよいのでしょうか?答えは、五行で「土」に対応する「黄色い食材」と、素材そのものが持つ「天然の甘み」です。
これらは胃腸を穏やかに温め、気を補い、消化機能を助ける働きがあります。
【おすすめの黄色い食材】
- カボチャ
胃腸を温め、気を補う代表的な食材。ポタージュや煮物に。 - サツマイモ
脾を丈夫にし、便通も整える。蒸すだけでも立派な養生食。 - トウモロコシ
余分な水分(湿)を排出しながら胃腸を整える。むくみが気になる時に最適。 - 大豆製品(きな粉、納豆、豆腐)
消化機能全般を助ける。 - 玄米・雑穀(アワ・ヒエ)
よく噛むことで出てくる甘みこそが、最強の脾の薬です。
「甘いものが食べたい!」と衝動に駆られたら、コンビニスイーツの前に、ふかしたサツマイモや、カボチャのスープを口にしてみてください。不思議なほど満足感が得られ、身体の底から力が湧いてくるのを感じられるはずです。
4.今日からできる!
胃腸をいたわる3つの食習慣
食材選びに加え、食べ方も重要です。脾は「乾燥を好み、湿気と冷えを嫌う」臓器であることを意識しましょう。
- よく噛んで食べる(唾液を出す)
消化は口の中から始まっています。よく噛むことで分泌される唾液は、脾の負担を減らす最高の消化剤です。一口30回を目標にしましょう。 - 冷たいものを避ける
冷たい飲み物や生野菜の過剰摂取は、胃腸の働きを一気に低下させます。常温以上のものを摂るようにし、夏場でも温かいスープなどを一品加えましょう。 - 「思い悩み」ながら食べない
五行では、脾は「思(思い悩み)」の感情とリンクしています。食事中に仕事の悩みを考えたり、スマホを見ながら食べたりすると、気血が胃腸に集中できず消化不良を起こします。食事の時間は「味わうこと」に集中しましょう。
5.まとめ
身体が求める「本当の甘み」で土台を整える
無性に甘いものが食べたくなるのは、意志が弱いからではなく、毎日がんばってくれている胃腸が「疲れたよ、エネルギーが欲しいよ」と声を上げている証拠です。
その声に応えて、白砂糖の刺激的な甘さではなく、大地が育んだ黄色い食材の「優しい甘さ」を届けてあげてください。
胃腸(脾)という身体の土台が整えば、食後の眠気や重だるさが消え、思考もクリアになっていくはずです。
まずは今日の食事に、一品「黄色いもの」を足してみませんか?











【目次】