小児はりは、お子様の乱れた自律神経を整え、不調を和らげる「有効なスイッチ」ですが、その効果を持続させ、本当に強い身体を作るための「土台」となるのは、やはりご家庭での日々の生活習慣です。
東洋医学には「心身一如」という言葉があります。心と身体は切り離せないものであり、生活全体のバランスが整ってこそ、初めて健やかな成長が叶うと考えます。
ここでは、お子様の不調の背景にあるものを紐解き、パパ・ママに意識していただきたい5つのポイント(食事・睡眠・運動・呼吸・心)について、東洋医学的な視点を交えて解説します。
1.【食事】「脾」を養い、
エネルギーを作る
お菓子や冷たいものが、イライラの原因に?
子供にとって食事は、単なる栄養補給以上の意味を持ちます。東洋医学では、消化吸収を司る「脾」は、身体を動かすエネルギー(気)を作り出す工場であると考えます。
気をつけるべきポイント
- 「白い砂糖」と「添加物」の罠
スナック菓子や甘いジュースの摂りすぎは、血糖値の急激な乱高下を招き、キレやすい、集中力がないといった情緒不安定(かんの虫)の原因になります。また、腸内環境の悪化は、免疫力の低下やアレルギー症状の引き金にもなります。- おすすめ
おやつは「補食(足りない栄養を補う食事)」と考え、おにぎりや蒸し芋、果物などを選びましょう。
- おすすめ
- 「冷たいもの」は胃腸の火を消す
氷入りの飲み物やアイスクリームの摂りすぎは、胃腸を内側から冷やし、消化能力を低下させます。胃腸が弱ると、栄養が吸収できず、疲れやすく風邪をひきやすい体質になってしまいます。
2.【睡眠】「腎」を育て、
脳と体を修復する
寝る子は育つ。
成長ホルモンは「夜」作られる
睡眠は、昼間に活動して傷ついた細胞を修復し、脳を休ませるための最も重要な時間です。東洋医学では、成長と発育を司る「腎」のエネルギーは、夜間の睡眠中に養われると考えます。
年齢別・理想の睡眠時間
- 乳児(~1歳未満): 約11~12時間
- 幼児(1~3歳未満): 約10~11時間
- 学童期(3~6歳未満): 約9~10時間
- 小学生・中学生: 約9時間
質の良い睡眠のために 成長ホルモンが最も分泌されるのは、深い眠りの最中です。遅くても21時頃までには就寝する習慣をつけましょう。 寝る直前までのスマートフォンやタブレット(ブルーライト)は、脳を興奮させ、睡眠の質を著しく低下させます。寝室には持ち込まないルール作りが大切です。

3.【運動】「気」を巡らせ、
熱を作る
遊びこそが、最強のトレーニング
現代の子どもたちは、運動不足の傾向にあります。適度な運動や外遊びは、単に筋肉をつけるだけでなく、体内で「熱」を生み出し、免疫力を高めるために不可欠です。
- 「遊び」で発散
思い切り体を動かすことで、溜まったストレス(気の滞り)を発散できます。 - 日光を浴びる
外遊びで日光を浴びることで、丈夫な骨を作り、情緒を安定させるセロトニンの分泌を促します。 - 姿勢の改善
運動不足による筋力低下は、猫背や口呼吸の原因にもなります。
4.【呼吸】「肺」を強化し、
病邪を防ぐ
口呼吸は「万病のもと」。鼻呼吸を習慣に
お子様がテレビを見ている時、口がポカンと開いていませんか? 口呼吸は、冷たく乾燥した空気やウイルスが、フィルターを通さずに直接喉や肺に入り込むため、扁桃腺が腫れやすく、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかるリスクが格段に高まります。
東洋医学では「肺」は皮膚とも関係が深く、呼吸が浅いと皮膚のバリア機能(アトピーなど)にも影響します。 「鼻は呼吸器、口は消化器」です。鼻から吸って鼻から出す「鼻呼吸」を意識づけさせましょう。
5.【家庭環境】「心」を安らげ、
自己肯定感を育む
親の笑顔が、子供にとって一番の薬
子供たちは、大人が思っている以上に、家庭の雰囲気や両親の感情に敏感です(以心伝心)。 両親の過度なストレスや、家庭内での言い争い、ピリピリとした緊張感は、お子様の心に大きな負担となり、それが「腹痛」や「チック」「夜尿症」といった身体症状として現れることがあります。
パパ・ママができること
- まずは親御さんがリラックスすること
親が笑っていれば、子供も安心します。完璧な育児を目指さず、時には息抜きをしてください。 - スキンシップ
抱っこや手をつなぐことで、幸せホルモン(オキシトシン)が分泌され、お子様の情緒が安定します。 - 否定せず受け止める
お子様がのびのびと自己表現できる、安心安全な基地(家庭)を作ってあげましょう。
▶関連ページ:小児はりについて








