風邪には葛根湯!?
知っておきたい「本当の効能」と正しい使いどき
1. 葛根湯が効く「黄金のタイミング」とは?
葛根湯が最も力を発揮するのは、「風邪のひきはじめ」の、ごく限られた時期です。
- こんな時に飲もう
- ゾクゾクするような悪寒がある
- 頭痛がする
- 首筋や背中がこわばっている
- まだ汗が出ていない
- こんな時は効果が乏しい
- すでにダラダラと汗をかいている
- 高熱が出ている
- 鼻水や痰が黄色く、粘り気がある
- 体がぐったりとして消耗している
葛根湯は、体を温めて発汗を促すことでウイルスを追い出す手助けをする薬です。すでに汗をかいて熱が上がりきった状態では、その役割は終わっていると考えられます。
2. なぜ効くの?4つの作用メカニズム
葛根湯は、葛根(カッコン)や麻黄(マオウ)など、複数の生薬が組み合わさることで、多角的に体に働きかけます。
| 作用 | 具体的な効果 |
| 抗炎症作用 | サイトカインの産生を抑え、喉の痛みや炎症を和らげる。 |
| 免疫調節・抗ウイルス | ウイルスの増殖を抑えたり、排除を助ける可能性が示唆されています。 |
| 交感神経刺激・発汗 | 体を温めて発汗を促し、体温調節をサポートします。 |
| 筋弛緩・血行改善 | 筋肉の緊張を緩め、首こり・肩こり・頭痛を緩和します。 |
【豆知識】肩こりへの有効率が高い?
意外なことに、臨床研究では「緊張型頭痛」や「首肩のこり」に対して約8割の有効率があったという報告もあります。風邪だけでなく、血行不良による体のこわばりにも効果的な薬なのです。
3. 科学的根拠(エビデンス)から見た実力
臨床現場では「効く」という実感が多い葛根湯ですが、科学的なデータで見るとどのような位置づけなのでしょうか。
- 現状の評価
「標準治療(西洋医学)を置き換える」ほど強力な証拠はまだ不足していますが、一部の研究では症状の軽減や期間の短縮に寄与するという報告があります。 - 位置づけ
西洋薬のように「症状を力ずくで抑え込む」のではなく、「自分の体がウイルスと戦うのを少し助けて、症状を軽く・短くする補助薬」と捉えるのが適切です。
4. 安全に使うための注意点
漢方薬だから副作用がない、というわけではありません。以下の成分が含まれているため、注意が必要です。
- 麻黄(マオウ)
エフェドリンを含みます。高血圧、心疾患、甲状腺機能障害がある方、妊娠中の方は、動悸や血圧上昇のリスクがあるため相談が必要です。 - 甘草(カンゾウ)
「偽アルドステロン症」(むくみ、血圧上昇など)の原因になることがあります。他の漢方薬と併用すると過剰摂取になりやすいため注意しましょう。
まとめ
葛根湯を「賢く」使うために
葛根湯は、予防のために毎日飲む薬ではありません。「あ、風邪をひきそうかな?」という違和感(ゾクゾク感やこわばり)を感じた瞬間に服用するのが、最大の効果を引き出すコツです。
「おかしいな」と思ったら無理をせず、早めに服用して体を休めましょう。もし数日服用しても改善しない場合や、持病がある場合は、迷わず医師や薬剤師に相談してください。










「風邪のひきはじめには葛根湯」という言葉をよく耳にしますが、葛根湯は決して「風邪そのものを治す特効薬」ではありません。正しく使えば心強い味方になりますが、使い方を間違えると十分な効果が得られないこともあります。
今回は、意外と知られていない葛根湯のメカニズムと、エビデンスに基づいた活用のポイントを解説します。