【コラム】 腸を整える生活習慣 (2025/04/22)

腸を整える生活習慣

「なんとなく体がだるい」
「疲れが取れない」
「気持ちが沈みがち」…。

そんな慢性的な不調の原因は、もしかしたらあなたの「腸」にあるかもしれません。

健康な腸は、栄養の吸収や老廃物の排出だけでなく、免疫システムの維持や、心の安定に関わるホルモンの生成など、私たちの心身の健康に深く関わっています。つまり、腸内環境を整えることは、全身の健康レベルを底上げすることに直結するのです。

特別なことをしなくても、日々のちょっとした生活習慣を見直すだけで、腸は確実に変わっていきます。今日からできる「腸活」習慣を始めましょう。

1. 腸を休ませる「夕食」のルール
~夜のプチ断食~

私たちは毎日食事をしますが、胃腸も休むことなく働き続けていれば疲弊してしまいます。特に睡眠中は、消化吸収活動を休ませ、細胞の修復や再生にエネルギーを集中させることが理想的です。

理想的な食事バランスと「空腹時間」

1日のエネルギー推移を考えると、「朝食はしっかり、昼食は普通、夕食は控えめ(または摂らない)」というのが理想的なバランスです。

腸の健康を最優先に考えるならば、夜8時(できれば夕方6時)から翌朝6時までの約10~12時間は何も食べない時間を作りましょう。この「夜のプチ断食」によって胃腸が休息し、傷ついた細胞を修復する時間を十分に確保できます。翌朝の体の軽さを実感できるはずです。

2. 「冷え」は腸の大敵!温かい飲食を心がける

腸は冷えに非常に敏感です。季節を問わず、常温以上の温かい飲食物を摂るように心がけましょう。

冷たいものが招く自律神経の乱れと熱中症リスク

冷たい飲み物や食べ物は、消化吸収を妨げるだけでなく、内臓を直接冷やしてしまいます。すると体は、体温を維持しようとして交感神経を優位にし、自律神経のバランスが乱れて胃腸にストレスがかかります。

意外に思われるかもしれませんが、暑い時期に冷たいものを常飲している人ほど、熱中症になりやすい傾向があります。冷たい飲み物で体の内側が冷えると、脳が「体温を下げる必要はない」と判断し、発汗を抑制してしまうからです。汗をかけないと体に熱がこもり、熱中症のリスクが高まります。夏場でも、温かいお茶や白湯を飲む習慣が大切です。

3. 外側からも「温活」!
腸の動きを活性化させる

内側からだけでなく、外側から体を温める「温活」も腸の働きを助けます。体が温まると血流が良くなり、腸の蠕動ぜんどう運動が活発になります。

近年は、冷えを感じている男性も少なくありません。腹巻でお腹を直接温めたり、シャワーで済ませず湯船にゆっくり浸かったりして、積極的に体を温めましょう。ウォーキングなどの適度な運動で筋肉を使うことも、体温維持に非常に効果的です。

4. 腸の強力な助っ人
「グルタミン」とハーブの活用

より積極的に腸内環境を改善したい場合、特定の栄養素やハーブの力を借りるのも有効な手段です。

カンジダ菌対策とハーブ

健康な腸内環境を維持するには、腸内の日和見菌の一種である「カンジダ菌」の過剰な増殖を抑えることが重要です。カンジダ菌が増えすぎると、腸粘膜を傷つけ、様々な不調の原因となります。

対策として、ガーリックやオレガノといった抗菌作用のあるハーブや、ココナッツオイル(抗菌作用のあるカプリル酸を含む)を日常の料理に取り入れるのがおすすめです。

腸の修復材「グルタミン」

栄養療法では、傷ついた腸粘膜の修復や、カンジダ菌の除去を目的として、アミノ酸の一種である「グルタミン」のサプリメントが活用されることがあります。

グルタミンは腸の細胞の主要なエネルギー源となり、腸粘膜のバリア機能を強化します。これにより、炎症や「リーキーガット症候群(腸漏れ症候群)」の改善が期待できます。また、腸粘膜の免疫の最前線で働く「IgA抗体」の生成を促し、免疫力向上にも寄与します。

うま味成分である「グルタミン酸」や調味料の「グルタミン酸ナトリウム」は、栄養療法で用いられる「グルタミン」とは構造や働きが異なります。

5. 最強のデトックス法
「よく噛む」ことを見直す

現代の食生活において、農薬や食品添加物を完全に避けることは困難です。そこで重要になるのが、私たち自身が持つ解毒システムを活用すること、つまり「よく噛む」ことです。

よく噛むことで分泌が促される唾液には、農薬などの化学物質を包み込み、体外へ排出しやすくする作用が期待されています。食物繊維を多く含む食材と組み合わせてよく噛んで食べれば、有害物質の吸収をさらに減らす効果も期待できます。

消化を助け胃腸の負担を減らすだけでなく、デトックス効果も期待できる「よく噛む」習慣は、まさに一石二鳥の健康法です。

6. 腸活成功の秘訣は「完璧主義を手放す」こと

真面目な人ほど陥りやすいのが、健康に良いとされることを全て完璧にこなそうとすることです。しかし、「あれもダメ、これもダメ」と神経質になりすぎると、それが精神的なストレスとなり、かえって腸内環境を悪化させる原因になりかねません。

腸脳相関と言われるように、腸と脳(心)は密接に繋がっています。100%を目指すのではなく、「今日はこれができたからOK」「60~70%くらい守れれば十分」というくらいの気持ちで、気楽に取り組むことが長続きの秘訣であり、結果的に腸の健康につながります。

まとめ

腸内環境の改善は、一朝一夕にはいきません。しかし、今日から始める小さな習慣の積み重ねが、数ヶ月後、数年後のあなたの心身の健康を大きく左右します。できることから一つずつ、無理なく続けていきましょう。

参考文献・引用
本間良子・本間龍介著(2020年)『疲れが取れない原因は副腎が9割』フォレスト出版