【コラム】東洋医学は何で治るの?(2025/02/18)

東洋医学と「気」~目に見えない力の正体とは~

東洋医学と「気」
~目に見えない力の正体とは~

東洋医学において「気」は非常に重要な役割を果たしますが、これは西洋医学には存在しない概念です。

東洋医学とは、東洋思想に基づき、人体の構造や機能に関する知識を基礎として、病気の原因や治療法・予防法を研究する学問です。その根幹にあるのが「気」であり、その意義は広範で、概念も多様です。

古代中国の医学書には、「生命現象のすべては気の現れであり、自然に従うことが肝心である。自然に逆らって気に変動が生じると発病する」「気は人の根本なり、根絶するときは茎葉枯れる」と記されており、人の生命の根本は「気」であるとされています。 しかし、現代医療の主流である西洋医学にはこの概念がないため、東洋医学を論じる際に混乱が生じることがあります。

鍼灸治療は、経絡上のツボを刺激して「気」の流れを整え、臓器を調整して病気を改善させる方法です。「経絡」や「経穴(ツボ)」という言葉は知られていても、「気」という目に見えない概念を明確に理解している人は多くありません。

【図解】「気」の正体と生体電気の仕組み

2018年に出版された『閃け経絡』という本には、この謎を解くヒントが記されています。 例えば、トカゲの尻尾が切れた時、体内を流れる微弱な電流が逆流し、壊れた皮膚、神経、筋肉、骨などの組織を再生させるといいます。筆者は、この「微弱な電流」こそが「気」の正体の一つであると説いています。

この電流は「ファッシア(筋膜)」の表面を滑るように流れています。ファッシアはコラーゲンを主成分とし、物質は通しませんが、圧力をかけると電気を発する性質(圧電効果)を持ちます。このファッシアは、古代中国の「気」の路線図(経絡)と重なるように全身を覆っており、その境目に多くの経穴(ツボ)が分布しています。

ファッシアの膜内外にはナトリウムやカリウムなどのイオンが満たされており、膜が破れる際などにイオン差による電流が発生します。鍼灸治療は、鍼や灸でファッシアを刺激することで「気(生体電流)」の流れを調節し、治療効果を生み出していると考えられます。 マラソンなどの運動後にマイクロカレント(微弱電流)を使用して疲労回復を促すのも、実は東洋医学的な「気」の調整と同じ原理と言えるでしょう。

もちろん、「気」を単なる「体内の電流」だけで説明しきることはできません。発せられる声、体から放出される熱、全身を流れる血液など、東洋医学ではより広い意味でのエネルギーも「気」として重要視しています。しかし、科学的な視点を取り入れることで、その一端を理解する助けになるはずです。

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