手相の見方 ー見方と解釈:手型学と掌紋学の基礎
手相の二つの見方
手型と掌紋学
一般に手相判断といいますと、手のひらの線だけを見て運勢を判断するものと考えがちですが、線は手の一部であって、手全体の形、量感、質感、血色といったものを総合的に見る必要があります。このことは、手が職業や仕事によって変化することを考えればすぐに分かるかと思います。例えば、運動選手の手は、その運動によって線だけでなく手の形や厚さも変わります。このことからも、その人の生活や運勢は線ばかりでなく手全体に現れるということが分かります。
手相はこのような意味から「手型学」と「掌紋学」の二つに分けて考える必要があります。
手型には次のようなものがあります。
掌紋には次のようなものがあります。
1.掌線: 生命線、頭脳線、運命線、太陽線、希望線、結婚線など
2.変形線紋、記号、ほくろ
3.指紋: 渦と流れ
左と右のどちらをみるか
左右一対の手は、顔や身体の左右以上に大きな相違があります。西洋では昔、手相を男女ともに左手を主に見ていたといわれています。日本では、一般に男性は左手、女性は右手を主に見ると考えられていますが、性別による観相法には特別な根拠がありません。男女の区別なく、左右両手を比較し照合して判断するべきです。
大昔から、人間は右手を多く使ってきた結果、左側の脳半球が右の脳半球より発達し、敏活に働くようになりました。こうして人間は一般に右利きの傾向を持つようになりましたが、左利きの人は全体の約10%ほどです。すなわち、人間は生まれてから右手を多く使うため、右手は後天的なものを示し、左手は先天的なものを示します。
左右両手を対象として観察する際に最も大切なのは、まず左手に示された先天的な素質や傾向を発見し、今後の傾向や勢いがどのように進むかを右手によって判断することです。例えば、ある人の右手が左手と比較して非常に複雑に変化している場合、その人は先天的なものではなく、後天的に波乱曲折の多い過去を経てきたことを示します。左利きの人の場合は、右利きの人とは逆に、右手を先天的なもの、左手を後天的なものとして判断します。
要約すると以下の通りです。
右利きの人
- 左手:先天性を判断
- 右手:後天性を判断
左利きの人
- 右手:先天性を判断
- 左手:後天性を判断
先天性は天性を示し、後天性は天性の活用を示します。
手の大小による見方
手にいろいろな形があるように、手の大きさも各人の身長に比較して大小があります。以下の表は、多数の人の身長と手の長さを測りデータ化し、手相学上より割り出した身長に対する手の長さの標準を示しています。手の長さは、手をまっすぐに伸ばして、中指の先から手首の一番上の線(第一手頸線)までの長さです。
例えば、160㎝のところを見ますと、17.6㎝とあり、これを標準の長さとします。その上の行が17.4㎝、その下の行が17.8㎝とありますが、これも標準の長さとします。すなわち160㎝の身長の人は、手の長さが17.4㎝から17.8㎝までを標準と見ます。
手の大きい人
手の大きい人は、外見とは反対に神経がデリケートで、細かいことに気づきます。性格は内向的で金銭的にも地味な慎ましい傾向を示します。人によっては注意深いばかりではなく、臆病な人も少なくありません。しかし、肉が厚く、弾力があって、活気に満ちている場合、英雄的な素質を現します。女性の場合、大きな手は感受性が豊かで、家庭や育児など家事全般によく働くことができる家庭的な性格を示します。
小さい手の人
小さい手の人は、何事も大づかみに処理し、行動するという大雑把な性格です。頭脳線が優れた知能を示し、才能がある場合は、大望を抱き、積極的な態度で邁進するので、大いに立身出世します。知能が低い場合は、身に余る野望を抱き、誇大妄想的になり、大風呂敷を広げる傾向があります。そのために仕事を増やしたり、間口を広げたりしますが、実力不足のために多く失敗します。女性の場合、優しさに欠けるところがあり、外向的で交際好きなので、家庭より仕事の方が適しています。
どこを見ればよいのか
実際の手相判断の要点は、まず手の型を見て概略的な判断を行い、その後、掌線を見て手の型と照らし合わせて最終的な判断を下すことです。これにより、より正確な運勢の解釈が可能となります。
1.第一に 両手の甲を上にして、どの手形に当てはまるかを見定め、その素質を見ます。
2.次に 指に移り、その形、親指と他の4本指のそれぞれの長さ、太さ、つり合いなどによって性格のあらましを見ます。
3.爪の形や色 などの状態を見て、先に見た手や指の形と照らし合わせて判断をさらに細かく行います。
4.掌丘の状態 を見ます。この場合、ただ目で見るだけでなく、親指を掌の丘に当てて、あとの4指を手の甲に当てて、はさむように押し、その硬軟や厚さを見ます。
5.次に掌線 を見ます。左右両手の判断法は「左と右どちらを見るか」を参照ください。
6.さらに指紋 を見ます。指紋はその紋がどの型に属するか、また大きく分けて巻きと流れが5指にどのような組み合わせであるか、ということから判断します。
以上が手相の最も正しい見方です。手相の見方に熟達するためには、基本をしっかり覚え、一人でも多くの人の手相を見ることが重要です。見る場合は、まず大まかに見て、次第に細かい点を観察し、常に総合的に見ることが大切です。例えば、手が薄いだけで「生活力がない」「貧乏だ」と決めつけたり、生命線が短いから短命だと言い切ったりすると、大きな誤りを招く可能性があります。
三大線は手相のポイント
手相を見るといえば、掌線の状態を確認することであると一般的に考えられています。実際に、掌線はその人の寿命、健康度、感情、知能、運勢の変動、財運、名声運、結婚、異性運など、あらゆる面の運気の強弱や過去、現在、未来にわたる多くのことを示しています。掌には様々な線が縦横に走り交わり、太さや長さも異なりますが、その中でも最も重要な線が3つあります。それは生命線、頭脳線、感情線の3つであり、場合によっては2大線しかないこともあります。
1.手型: 尖頭型、円錐型、結節型、四角型、箆(へら)型、素朴型、混合型の7種類
2.指型: 指の長短、五指の間隔など
3.爪: 形、色、斑点など
4.掌型: 木星丘、土星丘、太陽丘、水星丘、第一火星丘、第二火星丘、金星丘、月丘のふくらみ、色など