東洋医学講座 456 東洋医学「五系タイプ」の顔つき診断

東洋医学「五系タイプ」の顔つき診断

顔の形で体質と病気のリスクがわかる?東洋医学「五系タイプ」の顔つき診断

「自分の体質を知りたいけれど、どうすればいいか分からない」。そんな時は、鏡で自分の「顔」をよく観察してみてください。東洋医学では、顔の輪郭やパーツの特徴を見るだけで、その人の強い臓器・弱い臓器、そして将来かかりやすい病気(体質)をある程度予測できると考えます。本稿では、東洋医学の診断の基礎となる「五系(木・火・土・金・水)タイプ」の見分け方と、内臓の働きがどのように顔や身体の「形」に現れるのか、その論理的なメカニズムを解説します。

1. なぜ「顔」を見るだけで内臓の状態がわかるのか?

東洋医学において、病気の原因や将来のリスクを知るためには、まずその人の「体質(どの臓器の力が強いか)」を診断しなければなりません。

人間は皆、同じような姿や形をしていますが、よく見ると一人ひとり全く違います。輪郭、鼻の大きさや長さ、肉付き、活気、血色など、同じパーツを持ちながらも全員が異なっています。人間は「同質(同じ構造)」でありながら「異質(個別の個性)」を持っているのです。

東洋医学では、内臓(五臓)が持つエネルギーの強弱が、体表に現れるパーツの大きさや発達具合、肉付きなどにそのまま反映されると考えます。したがって、顔つきや全身の輪郭といった「相貌(そうぼう)」を観察するだけで、体質の大部分を見極めることが可能になります。

2. あなたはどのタイプ?「五系」の顔つき診断

循環器系の主役は心臓だと思われがちですが、東洋医学では全身に張り巡らされた「血管」の方を主役(心臓は副心臓)とみなすほど重視します。

東洋医学の五行(木・火・土・金・水)に対応する、5つの体質タイプの特徴を挙げます。鏡を見ながら、自分がどのタイプに近いかチェックしてみましょう。

① 肝系(木)タイプ

【特徴】面長な顔立ち。眉の骨(眉骨)が発達しており、眉毛が秀麗(立派な眉)。額が広く、顎が長いのが特徴です。

② 心系(火)タイプ

【特徴】頭頂部が少し尖ったような形(トンガリ頭)。髪の毛が極端に太い、あるいは薄い。切れ長の目をしており、耳の位置が目よりも高くついている。エラ(頤骨:がいこつ)が発達している傾向があります。

③ 脾系(土)タイプ

【特徴】ベース型の四角い顔立ち。鼻が大きくがっしりとしている。口が大きく、唇が厚い。顎(頤:おとがい)も四角くしっかりしているのが特徴です。

④ 肺系(金)タイプ

【特徴】顔面全体が小作り。頬骨(かんこつ)が発達して凸面になっている。小鼻が発達しており、鼻の穴(鼻孔)が大きい傾向があります。

⑤ 腎系(水)タイプ

【特徴】全体的に丸顔。耳下腺と顎下腺が発達しているため、耳の前や顎の下がふっくらと丸みを帯びている。耳の肉が厚くて大きく、福耳(垂珠が大きい)なのが最大の特徴です。

※実際の診断では、これら顔の形(望診)に加え、声や匂い(聞診)、自覚症状(問診)、脈や腹の張り(切診)を総合して、詳細な一致点を導き出します。

3. 身体に隠された「数字の暗号」~ 五・三・二の法則

一人ひとり違う体質を客観的に見極めるためには、私たちの身体が「どのような自然のルール(系統)で成り立っているか」を知る必要があります。

東洋医学では、身体を自然の真理である「五(五行)」や「二(陰陽)」「三(三才)」といった数字の組み合わせで分割して捉えます。

4. まとめ ~ 体質を見極めることが予防医学の第一歩

身体は全員同じように働いているようでいて、ベースとなる「強い臓器・弱い臓器(五系タイプ)」は一人ひとり異なります。

自分が「肝旺タイプ」なのか、「心旺タイプ」なのか、それとも「脾旺タイプ」なのか。この体質の見極めができなければ、将来どのような病気にかかりやすいかという「病因」を考察することも、正しい治療を行うこともできません。まずは毎日の鏡の中で、自分の顔という「形」が発しているサイン(気)を観察することから始めてみてください。

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日吉 直之ひごころ治療院 院長/鍼灸学士・はり師・きゅう師(国家資格)
日本初の鍼灸大学である明治鍼灸大学(現・明治国際医療大学)鍼灸学部卒業、鍼灸学士。はり師・きゅう師(国家資格)、介護予防運動指導員。 2001年より鍼灸臨床に携わり、2009年に武蔵小杉・新丸子でひごころ治療院を開院。 「納得なき施術はしない」を信条に、身体の声を翻訳し、必要最小限の刺激で回復の余白をつくる施術を行っています。 新丸子駅 徒歩4分/武蔵小杉駅 徒歩10分・当日予約はお電話で。 所属学会・研究会:日本東洋医学会/公益社団法人全日本鍼灸学会/日本伝統鍼灸学会 明治国際医療大学同窓会「たには会 関東支部」役員