東洋医学講座 449 病気の原因は何か 体質と病因

東洋医学講座 449

蕁麻疹や目の不調は「肝」の弱り?東洋医学で読み解く肝機能低下と解毒のメカニズム

「最近、肌に蕁麻疹が出やすい」「目が疲れやすい」「手のひらが黄色っぽい」。

これらの症状は、一見するとそれぞれ無関係な皮膚科や眼科のトラブルに思えるかもしれません。しかし東洋医学では、これらの多くに「かん」の機能低下が深く関わっていると考えます。特に、肺系の働きが強い「肺旺はいおうタイプ」の人は、体質的に肝系に負担をかけやすい傾向があります。

本稿では、肝機能の低下がなぜ皮膚の色や眼、さらには精神面にまで影響を及ぼすのか、その論理的なメカニズムを解説します。

1. 皮膚や手のひらの色で分かる内臓のサイン

肝機能が低下すると、皮膚の色調に変化が現れやすくなります。

【手掌の血色でみる「心系」のサイン】
手のひらの色から、循環器系である「心系」の状態を診ることもできます。

2. 眼の疾患と「蔵血作用」の低下

東洋医学では「肝は目に開竅かいきょうする(=肝の働きは目に現れる)」と言われます。したがって、どのような場合でも眼の疾患には必ず肝機能の低下が関与しています。

また、肝系には血液の貯蔵や血流量をコントロールする「蔵血ぞうけつ作用」があります。肝系は心系(血液を巡らせる臓器)の母親にあたるため、この肝のコントロール機能が狂うと、全身の血液バランスが崩れ、めまいや貧血になりやすくなります。

3. 蕁麻疹の根本原因は「胃腸」と「解毒」の限界

皮膚は主に「肺系」と「肝系」のコントロールによって健康を保っています。表面のカサカサとした乾燥肌は肺系が主原因ですが、蕁麻疹のように真皮や皮下から発症する皮膚病は、肝系が主原因であることが多いです。

肝機能低下で蕁麻疹が起こるメカニズムは以下の通りです。

4. 症状がどこに出るかは「体質」で決まる

毒素が全身に回ったからといって、必ず全員が蕁麻疹になるわけではありません。五臓のバランスの中で、「より肺系(皮膚を司る)が弱い人」は皮膚に蕁麻疹が出ます。もし「腎系が弱い人」であれば腎・泌尿器系の症状として現れます。

つまり、同じような不摂生をしていても、体質的に一番欠点(弱点)のある場所に症状が発症するのです。これが、人によって現れる病気が異なる理由です。

5. 精神的なサイン ~ イライラと怒り

肝系は感情面において「怒り」を司ります。肝系が亢進し、バランスを崩した状態が精神面に向かうと、以下のような症状が現れます。

これまで紹介した症状は、肺が肝を傷つける「金剋木」の病理(肺旺タイプ)に限らず、どのような原因であれ「肝機能が低下した場合」に共通して現れるサインです。自分自身の弱い部分(体質)を知り、イライラや手のひらの色といった小さなサインを見逃さないことが、大きな病気を防ぐ第一歩となります。

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