東洋医学講座 402

東洋医学講座 402 腎と洪脈

春夏秋冬で変化する「四季の脈」を知ろう

手首に軽く指を当てるだけで、身体の状態を深く知る。それが東洋医学の「脈診」の世界です。私たちの脈は、実は季節の移ろいとともに変化しています。本稿では、その基本となる春夏秋冬の「四季の脈」ー洪脈・弦脈・沈脈・濇脈ーが、それぞれどのような状態を表しているのかを分かりやすく解説します。


この記事を読めば、東洋医学について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!

今回の講義の概要

  • 脈は季節を映す鏡
    健康な人の脈は、春夏秋冬の自然のリズムに順応して変化し、これを「四季の脈」と呼びます。
  • 熱は「洪脈」、寒は「沈脈」
    夏の熱気は脈を力強く表面に押し上げ「洪脈こうみゃく」に、冬の寒さは脈を深く沈ませ「沈脈ちんみゃく」にします。これは体温を一定に保つための自然な反応です。
  • 春は「弦脈」、秋は「濇脈」
    春の芽吹く力は弓の弦のような「弦脈げんみゃく」として、秋のエネルギーが内に収まる様は表面は強いが中身は弱い「濇脈しょくみゃく」として現れます。

腎と洪脈

洪、濇の心肺の脈は、寸口浮位の天位にあり、脾、肝の緩、弦は中の人位、腎、命門の沈脈は地位にある。沈は寸口では橈骨の淵に沈む脈である。

冬、夜は一年、一日では低温のときで、血管は収縮し、体温を保つために表面から離れて骨位まで沈む。

すなわち、沈脈は保温の態勢にあることを示す。四時脈以外の沈脈は体に冷えが入ったことを示す。

脈診の仕方について

四つの脈

脈については、分かりやすく説明すると橈骨動脈の図のようになります。

上に浮いていて、流れの激しいものを洪脈といい、真ん中にあって流れの激しいものが弦脈、ずっと縮んで橈骨にくっついているのが沈脈です。濇脈は割合上に浮きながら、血管の中の方に力がありません。中が柔らかく、外が剛なのです。

洪脈と濇脈の違いは、洪は流れも剛である点です。つまり、洪水のような脈なのです。

洪脈と沈脈とは、脾と水の違いのようなもので、冬の脈は水様の脈で縮んで沈んでいます。なぜかというと寒いからで、寒いために身を縮めて防寒作用をするわけです。一方、夏の脈は洪脈で熱いため、36.5℃の恒温を保つのに熱の発散を図り、最大に開いて放熱作用をします。また、弦脈は春の脈です。寒さからだんだん加熱されるから、縮んでいたものが真ん中から外に向かってふくらみ、沈んでいたものが浮きながら広がるという姿になるわけです。つまり、走り出しの力、速力はあまりなくても全体の力は非常に強く、加速度のつくところといえます。加熱は動源なので勢いがあります。また、非常に内燃力を持っていて、脈の細い割に力のある脈、すなわち弓の弦がピンと張っているように感じられる脈です。そういうところから弦脈といわれています。また中間の脈があっても力のない脈もあります。

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ABOUT US
日吉 直之ひごころ治療院 院長/鍼灸学士・はり師・きゅう師(国家資格)
日本初の鍼灸大学である明治鍼灸大学(現・明治国際医療大学)鍼灸学部卒業、鍼灸学士。はり師・きゅう師(国家資格)、介護予防運動指導員。 2001年より鍼灸臨床に携わり、2009年に武蔵小杉・新丸子でひごころ治療院を開院。 「納得なき施術はしない」を信条に、身体の声を翻訳し、必要最小限の刺激で回復の余白をつくる施術を行っています。 新丸子駅 徒歩4分/武蔵小杉駅 徒歩10分・当日予約はお電話で。 所属学会・研究会:日本東洋医学会/公益社団法人全日本鍼灸学会/日本伝統鍼灸学会 明治国際医療大学同窓会「たには会 関東支部」役員