東洋医学講座 388

東洋医学講座 388 腎と耳 動植物は拮抗して死存する

動植物の「拮抗生存」と人間 ー 植物中心の食事がもたらす調和

私たちの周りに存在する植物と動物、そして私たち人間。東洋医学の視点から見ると、これらは単に存在するだけでなく、互いに「拮抗」し合いながら、大きな調和の中で生かされていると考えます。本稿では、植物が「地子」、人間が「天子」と捉えられる理由、そしてこの陰陽のバランスが私たちの食生活や健康にどのように関わってくるのかを探ります。


この記事を読めば、東洋医学について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!

今回の講義の概要

  • 植物と人間の陰陽関係
    植物は大地に近い「地子(陰)」、人間は天空に近い「天子(陽)」とされ、互いに拮抗しながらバランスを保つ存在です。
  • 植物中心の食生活の意義
    人間と植物は陰陽で完全に拮抗するため、自然と引き合い、植物中心の食事は自然の摂理に沿った健やかな生活につながると考えられます。
  • 動物食とのバランス
    動物食は同系のエネルギーであるため同化しやすい反面、過剰摂取は腸の働きを低下させるなど、陰陽バランスを崩す可能性が指摘されます。

腎と耳

動植物は拮抗して生存する

動植物の拮抗生存図

植物は大地に根を下ろし、大地のエネルギー(地気)を豊かに吸収して成長します。動物と比較して大地に近い存在であるため、「地子」とも呼ばれます。もちろん、天の気も必要としますが、植物は母なる大地により近い性質を持つ存在と言えるでしょう。

一方、私たち人間の根源は天空、すなわち大気中に存在すると考えられます。この大気は天と地の両方の性質を併せ持ちますが、主に天の気が作用しています。そのため、私たちは「天子」であると言えます。このように、天地の間に存在する万物は、「地子」たる植物と「天子」たる人間のように陰陽に分けられ、互いに拮抗し合います。それらは互いに影響を与え合い、バランスを保ちながら存在しているのです。

この観点から、私たちは植物を中心とした生活を送ることが、より自然の摂理に沿った健やかな生活につながると理解できます。

食事においても、動物食を過剰に摂取することは、この陰陽のバランスから見ても必ずしも望ましいとは言えません。動物食は私たち人間と同じ「動物」であるため、消化吸収されやすいという側面もありますが、一方で腸の蠕動運動を低下させるなど、身体にとって好ましくない影響も指摘されています。

対して、植物には五大栄養素がバランス良く含まれています。そして、植物と私たち人間は陰陽の関係で完全に拮抗するため、あたかも男性(陽)が女性(陰)を、女性が男性を自然と求め合うように、互いに引き合う関係にあるのです。

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