東洋医学講座 380

腎と命門 ー 命門とは

は、東洋医学で「生命力の源」とされ、私たちの成長・老化、さらには脳の働きまで支える根幹となる存在です。そして、そのエネルギーを生み出す重要なパートナーが命門めいもん

これらは単なる臓器ではなく、身体の根源的なエネルギーシステムを形成しています。もしかしたら、最近感じる疲れや活力不足は、この腎と命門のバランスが関係しているサインなのかもしれません。

この記事では、東洋医学の要である「腎」と「命門」が持つ重要な働きと、両者の深い関係性について、ポイントを絞ってわかりやすく解説していきます。


この記事を読めば、東洋医学について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!

今回の講義の概要

腎は先天の本
命門は生命の火
腎と命門の連携

腎と命門

生命力の動源〝腎〟

東洋医学において、「じん」は生命活動の根本を支える非常に重要な臓器と考えられています。「先天の本」とも呼ばれ、人の成長、発育、生殖、そして老化といった生命現象全体に深く関わっています。また、「腎はずいを生じ、脳に通ず」と言われるように、脳の働き(精神活動や記憶力など)とも密接な関係があります。このように、腎は人体の根源的なエネルギーを蓄え、生命活動全体を支える土台となる存在です。

命門とは

人体全体の根とされる脳は、実は腎経に属しているため、腎は人体そのものの根源とみなされます。ここで、左腎は「水」に属し、狭義の臓器としての腎臓機能(たとえば水分代謝)を担うのに対し、右腎は「火」に属すると考えられています。この「火」の性質を示す右腎の部分を「命門めいもん」と呼び、命門は腎の中の陽、あるいは心に該当します。さらに、命門は陰中の陽、すなわち体内のエネルギーの動源であり、生命の根本とも言える存在です。なお、命門の概念は非常に複雑で、専門家でさえも一義的な説明に苦慮するほど難解な側面があります。

脈診においては、手首の脈を「寸・関・尺」の三部で診ます。一般的に、以下の臓腑に対応するとされます。

        
左手      
右手      命門

右腎のほうが腎中の火とみられ、左手の腎が現代医学でいう腎臓の機能(水分代謝など)に近い働きということになります。

命門は人体の根本をなす存在として、水と火、陰と陽という相反する性質の両面を内包しています。いずれにしても、腎間のダイナミックなエネルギーの動きは、命門によって現出されているのです。

また、心と腎が気を通じ合う状態、すなわち「心腎相通」においては、原腎としての性質が互いに拮抗し合いながらも、同じ源から分化したながら異なる働きを果たしていると考えられます。さらに、心の動きを司る命門は「心火の根」とされ、心と腎間における火の交流は「君火」と「相火」の交合という形で表現されます。ただし、君火と相火の関係性という点は非常に難解で、これらの概念に精通していない場合、理解するのは容易ではないかもしれません。

このように、東洋医学が説く腎と命門の関係は、単なる器官の働きを超えて、生命の根本的エネルギーや精神活動との深い結びつきを示唆しています。もしさらにこれらの概念について掘り下げたい場合、伝統医学の古典や現代の解釈を比較する視点も参考になるでしょう。

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