東洋医学講座 379

東洋医学講座 379 腎と命門 生命全体を〝腎〟として捉える

腎と命門 ー 生命力の根源

腎と命門 は、東洋医学において生命の根幹をなす極めて重要な概念です。その中核にある「命門」(心神の働き)について解説。人体の生成機序から五臓との関係、陰陽の視点までを分かりやすく紐解きます。


この記事を読めば、東洋医学について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!

今回の講義の概要

生命力の根源としての「腎」の捉え方
「腎」と「心」の密接な関係
陰陽の視点と五臓の関係

生命力の源泉〝腎〟

生命全体を〝腎〟として捉える

人体の生成の機序は、父母の精が根幹です。それが後天的な脾の働き、すなわち消化作用によって成長・発達したものです。その大本にあるのが腎精です。一般的に私たちが知る腎臓は左右一対の臓器を指しますが、ここでいう腎はより広義の概念であり、狭義の腎臓を含み、生命力の源泉となるものです。そして、その腎の働きの中には、生命の根源的な活動力である心神の働きが含まれています。

要するに、父母から受け継いだ精子と卵子の生命体がすなわち腎精であり、その中にある根源的な力が心臓であると説明されています。この場合、生命全体を腎として捉え、その中に大きな腎を根とした左右の腎臓があり、さらに脳も含まれます。腎の中にある根源的な力を他の臓器と区別するために心臓と名付けたのです。

また、心臓の働きそのものも、広義には腎の働きなのです。それを最初から分けて考えてしまうと理解が難しくなります。分けて考える訓練ができていれば、必要に応じてそれらを統合して考えれば良いのです。生命力の源泉は胸中に宿るといわれますが、それは一面的な見方であり、下焦に宿ると考えるべきです。なぜなら、横隔膜によって生命体が陰と陽に分けられているからです。

生命の根源的な活動力は、体の奥深くにある腎であり、その働きが心臓の機能として現れます(図参照)。そして、生成の順序としては、まず腎から心が生じ、それに従って他の臓器、例えば肝臓や肺臓などが、この腎と心を根として形成されるのです。

さらに、五臓は腎の精と心の神から生じると考えられます。

心と腎は、陽と陰の関係にあり、精は多様な働きを示し、神もまた多様な働きを発揮します。そして、両者が協力しながら、それぞれの系統に属する様々なものを生み出します。

これは人間関係と同様に、縦の系列である親子関係、横の系列である夫婦関係といった複雑な関係性を形成しているのです。

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