東洋医学講座 377

東洋医学講座 377 腎機能低下の診断法

腎機能低下 の診断法

腎機能低下 は、疲れやすさやむくみといった、一見すると何気ない症状として現れることがあります。東洋医学では、体は全体として繋がっていると考え、一部分の不調も全身の状態と深く関わっていると捉えます。この記事では、腎機能の状態が、歯や毛髪、尿といった意外なサインにどのように現れるのかを解説します。ご自身の体からの微かなメッセージに気づき、健康維持の一歩を踏み出してみませんか?


この記事を読めば、東洋医学について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!

今回の講義の概要

症状による腎機能低下の診断
先天の力と後天の生理
病的な欲求への対処

腎機能低下 の診断法

次に挙げるのは、症状から腎機能低下を診断する一例です。

①歯の状態を見ることで、骨の充実度や腎の虚弱を知ることができる。
②毛髪の状態を見ることで、ホルモンバランスや腎の状態を知ることができる。
③尿の状態を見ることで、血液の異常や腎の状態を知ることができる。
④耳の状態を見ることで、腎の先天的な力、大脳の力、およびその健否を知ることができる。
⑤視力の状態を見ることで、腎の根源的な健康状態を知ることができる。
⑥下肢の強弱を見ることで、腎の健康状態を知ることができる。
⑦口渇の状態を見ることで、口腔内液の分泌の良否や腎の健康状態を知ることができる。
⑧むくみは、体内の水分代謝がうまくいかないことで起こり、腎が弱い可能性があることを示す。

診断・治療の基本

植物の葉を見れば根の状態がわかるように、腎が関与する器官の働きや、その働きによって生み出される状態を見ることで腎の働きを知ることができます。大きく分けると、これは二種類に分類できます。一つは、人体が形成されるまでの先天的な力として、基礎体力作りの範囲で働く生成の働きの状態です。もう一つは、現在の生理的な生成の状態です。これらを明確に区別しないと、混乱を招く可能性があります。

歯を例にとると、大きさや歯並びなどは、おおよそ8歳くらいまでに形成されます。これらを見ることで、その年齢までにその人にどのようなことが起こったかがわかります。歯や骨格が形成される時期を考慮することで、このような応用的な診断が可能になります。その後、どのような生理状態であったか、現在の腎の状態はどうかを知る方法は様々です。病人の場合は症状からわかりますが、そうでなくても、皮膚の活気や血色などを注意深く観察すれば、おおよそのことがわかります。鍼灸師が最も得意とする脈診では、現在の生理状態を詳細に知ることができます。このような重要な点を重視して、東洋医学を学ぶことが望ましいと言えるでしょう。

例えば、鼻水が出た場合、それは体が冷えて腎機能が低下したためと考えることができます。したがって、対処法としては、体を温めるものを摂取したり、温める治療を施したりすることで、鼻水は止まる可能性があります。このように、風邪をひいて発熱した場合でも、原因がわかれば治療法も自然と見えてくるのです。

症状を聞いただけで、その人の生理状態がすぐにわかるようになることが理想です。涙が止まらない人であれば、腎虚と肝虚がすぐにわかる、といった具合です。このように、東洋医学は学習中は非常に難しく感じられますが、一度理解してしまえば、様々な場面で応用できるようになります。

症状の診断法の中に、⑦口渇がありますが、口が渇いて水を欲しがるのは、体内の水分バランスの異常を示しています。しかし、これは体が本質的に水を求めているのではなく、病的な欲求であることが多いため、このような場合は、安易に水を与えない方が良いことがあります。一概には言えませんが、大きな原則として、病気が欲しがるものは与えない方が良い場合があります。その他の詳細な問題については、今後の講座で解説いたします。

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