東洋医学講座 371

東洋医学講座 371 肺系統の病理 ①

肺系統の病理 ① ー 四季と肺の病理の関係性 ー 時間帯と日による肺系の影響

ひごころ治療院

この記事を読めば、東洋医学について理解できるかと思います。分かりやすく、丁寧に解説するので、ぜひ一緒に学びましょう!

今回の講義の概要

四季と肺の病理の関係性
時間帯と肺への影響
日による肺系の影響

肺系統の病理 ①

四季における病理

「病肺にあれば、冬に癒(い)え易く、冬に癒えざれば夏に甚(はなは)だしく、夏死せざれば長夏を待って秋に起る性質あり」と古典にあります。

肺の病は喘咳(ぜんがい)より始まります。

時における病理

時における病理も四季と同じで、日中・夕方がよくありません。

日における病理

癒ゆること壬癸にあり、丙丁に死せざれば戊己を待って庚辛に起こる。

肺系統の病理について

四季の病理

肺系の四季における病理は、旺相死囚休の原理で理解されます。すなわち、病が肺にあれば、休地である冬に癒えやすく、そして癒えなければ悪化期である夏は甚だしくなります。肺にとっては、夏は死地にあたり、死地に坐(ざ)すともいいます。さらに夏に癒えないときは、土用を待って、再び旺地である秋に起こります。旺期は、肺が働きやすいときでもありますが、その力が十分ないために、かえって働かなければならず、重荷になります。

秋に病気が発生するのは、肺力の低下によるものです。肺を通じて欠点のある方向に進み、逆に欠点を通じて肺に戻ることで病状が現れます。また、胃の病が影響することで、ぜいぜいや喉の痛み、咳などの症状が引き起こされます。

時の病理

時の病理も四季と同じ原理で考えることができます。例えば、24時を十二支に配当すると、酉の刻(夕方)が肺の「旺期」に該当します。この時間帯は肺に最も負担がかかるため、肺力が弱い場合、微熱が出やすくなる可能性があります。

病気は一臓器のみならず、二臓・三臓と複数が絡み合うことが多いです。そのため、この複雑性を理解するには、基本的な原理を一つずつ学ぶ必要があります。

日の病理

脾の病理は、甲(きのえ)の日、乙(きのと)の日、丙(ひのえ)の日、丁(ひのと)の日・・・には、肺系の病はどうであるかを考えます。

日における肺系の病理は以下の通りです。

  • 壬・癸の日
    肺が休地にあり、治癒しやすい。
  • 甲・乙の日
    囚地であり、停滞が起こりやすい。
  • 丙・丁の日
    死地に入り、病状が悪化しやすい。
  • 戊・己の日
    相地に入り、肺への負担が増える。
  • 庚・辛の日
    旺地であり、病が加重・再発しやすい。

このような日ごとの病理を把握することで、適切な治療のタイミングを見極めることが可能です。臨床家の先生も治療が効きやすい日とそうでない日があることを実感しているかもしれません。

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